もうアイドルの生駒里奈じゃない。「全部経験してよかったことにしてあげる」芸能活動15周年&30歳を記念したラスト写真集に込めた決意と感謝
執筆者: 音楽家・記者/小池直也

「天真爛漫でアニメ好き」――乃木坂46時代の生駒里奈は、確かにそういうイメージだったはずだ。だが10年ぶりとなる写真集『ルリカケス』の発売会見で見せたのは、記者たちが欲しがる「あるある」な回答を避け、本音を隠さない姿だった。30歳&芸能生活15周年を経たラスト写真集。そのタイトルに込めたのは、ロケ地である奄美大島の固有種の鳥に自分自身を重ねた「個」への執着だ。アイドル時代の生駒里奈はもういない。俳優として生きることを選んだ彼女のマインドに迫る。
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「固有種」というタイトルは自分で
――10年ぶりとなる写真集『ルリカケス』の発売イベントを終えて、いかがですか?
生駒里奈(以下、生駒):写真集の発売と、(芸能生活)15周年を迎えたタイミングが重なって、あらためての「ありがとう」を伝えられる場になったのがよかったです。やっぱり「自分の活動が誰かの力になっている」と実感するのは、イベントのときだけですね。
毎回来てくださる方も、久しぶりの方も、初めての方もいました。感極まって泣いてしまったり、「生駒ちゃんが人生の教科書です」と言ってくれたりする方もいて……。私自身は漫画『NARUTO』が人生の教科書ですが、下手なことはできないなと(笑)。
大それたことをして生きているわけではないですが、そういう指標になることが舞台に立つ者としての役割だとも思うので、それができているのは嬉しいですね。
――ラスト写真集ということですが、それはなぜでしょう?
生駒:シンプルに「ラストなんだな」と(笑)。ファースト写真集『君の足跡』も出したくなくて周りの方たちとバトルしたんですよ。唯一、自分から出した条件が「カメラマンが青山裕企さんなら」ということ。フェティシズムとしての「スクール水着」をコンセプトにした彼の作品『スク水 sukumizu』が好きだったので、彼の写真じゃないなら出さないと駄々をこねました。最終的にそれを受け入れてもらってリリースされたのが前作で。
だからファースト写真集で綺麗に終わりたかったのですが……。今作は信頼している方たちから「出してみないか」と言っていただいて、その気持ちに感動して制作を決めました。前作も含めて、ファンのみなさんのために出しているようなところもあります。
――そういえば、生駒さんは乃木坂46卒業時も写真集を出さなかったですよね。
生駒:卒業するときはセンターを担当して、ソロ曲を歌って、写真集を出すという「流れ」があったんですけど、その流れに乗りたくなかっただけなんです。
当時は一番尖っていた時代で、ある種の反発心もあったと思いますね(笑)。作品に最後まで責任を持って向き合いたいのに、組織的にそれが叶わないなら出したくない、というこだわりがありました。
――ロケ地は奄美大島でしたが、その理由は?
生駒:以前、ホラー映画『忌怪島/きかいじま』の撮影で奄美に行かせてもらったんです。日焼けも苦手で、外に出るのも苦手なインドア人間なんですけど、そんな私でも外に出させてくれるくらい素晴らしい気候で。
だから、あの自然をもう一度味わいたかったのと、最後の写真集なので、自分の好きな場所で撮りたいと思ってリクエストしました。
――タイトルはご自分で命名されたそうですが、こちらについても教えてください。
生駒:今回は撮影のディレクションと使う写真のセレクトを編集の方にお任せして、タイトルだけは自分で考えていました。そうしたら撮影後、島から帰るくらいのタイミングで「『ルリカケス』という奄美群島の固有種の鳥がいる」と知ったんです。
そこで生駒里奈という「個人」と「固有種」を掛け合わせた意味で、鳥の名前にあやかったタイトルにするのはどうかなと。もともと“個”をテーマに何個か考えていて、英語や造語も作りましたが、しっくりくる、いい言葉が見つかってよかったです。
――カバー写真でも着用している衣装は、ルリカケスの羽にそっくりです。でも今のお話だと命名以前の撮影だったということ?
生駒:今回の衣装は「少年社中」という劇団の衣装さんが用意してくれたのですが、たまたま一致したんですよ。あと写真集後半で着ている虹色の衣装は、舞台『トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~』で、世界一美しい鳥といわれる「ケツァール」という役の衣装をイメージしたもの。「それだけは用意してほしい」と伝えていました。だから「鳥」という概念にもご縁があるのかもしれません。こだわりポイントのひとつですね。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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