「性癖マッチングアプリ」をアラサー女子がやってみたら……「“小さな欲望”を発散してみたい!」欲求は満たれたのか?
執筆者: ライター・コラムニスト/久留米あぽろ
「性癖マッチングって知ってる?」
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とある女子会でのこと。女子の下ネタでもなかなか出てこない”性癖”という言葉に、最初は少々面食らった。友人はビールを2杯飲んだ程度で、まだ酔っ払っている様子でもなかった。彼女にそんなアンダーグラウンドな一面があるという話も、聞いたことがなかった。
しかし、飲み会の数日後から、私の世界は少しだけ広がってしまった。これは、とあるアラサー女子が「性癖マッチングアプリ」に登録してみた体験談である。
「20代のうちに欲求を発散したい」友人に共感。開けた「新しい扉」
友人は至って普通の会社員女子なのだが、ここ3年ほどいい恋愛ができていなかった。だけど、性癖マッチングアプリというものに出会って、恋愛に関する価値観が変わったのだという。
「SNSに流れてきて、たまたま知ったんだよね。なんかほら、最近いっぱいいるじゃん。裏垢女子とか、裏垢男子っていうの?なんとなく見てたら、性癖マッチングアプリの投稿が出てきて。正直マッチングアプリとかもう懲り懲りって感じだったんだけど、登録しちゃったんだよね」
友人がいわく、性癖マッチングはその名の通り「性癖で異性とマッチングするサービス」なのだという。「アンタに性癖らしい性癖あったっけ?」なんて聞くと、友人は笑ってこう答えた。
「いや〜別に特別SっぽくもMっぽくもないと思ってたんだけど、願望はあるってゆーかさ。コスプレとかやってみたいけど、ガチのマッチングアプリで知り合った彼氏にそんなこと言ったら、引かれるかなとか考えるじゃん。結局、願望のまま30代迎えるのもなと思って、20代のうちに発散しとこうかなと」
男性には伝わらないかもしれないが、意外と女子はこういうトークもおおっぴらに話す。正確には、言わない子は絶対に言わないのだけれど、言う女は徹底的にオープンだ。
その話を聞いて、私自身「なるほど」と思った。たしかに、本当に好きな人にはなかなか伝えられない願望というものはある。最近は、そういうものを発散したい子は”女風”に行くものだと思っていたが、そんな選択肢があるとは知らなかった。ものは試しである。「女性は無料だよ」と友人が言うので、飲み会が終わってから私も、性癖マッチングアプリなるものに登録してみたのだった。
性癖マッチングに登録している男性プロフィールを見た感想
登録はたしかに無料だった。SNSなどで調べてみると、性癖マッチングサービスにもいくつか種類があることが分かり、サービス名がクリーンなものを登録してみることにした。ほとんどのサービスがアプリ化されておらず、ブラウザ上で利用するのが一般的なようだ。一見、普通のマッチングアプリと変わらないのだが、初回登録時に「性癖プロフィール」も設定するように指示があった。
友人と同じく、特に性癖らしい性癖もないのだが、私も「コスプレしてみたい」とか「おもちゃを使ってみたい」という小さな欲求があったので、そのことをプロフィールに書いた。どんなことを書けばいいか分からなかったのでプロフィールはかなり簡潔に書き、身バレを恐れて、顔の分かる写真は設定しなかった。
しかし登録から数時間で、メッセージボックスには大量の「いいね」が届き、正直びっくりした。マッチングアプリは登録時が一番モテるというが、大したことを書かなかった上に顔も写っていないアカウントだ。予想を超える需要に、少しだけ胸が高鳴った。
いいねをくれた男性たちは、意外にも歳の近い人、または歳下の人が多かった。平均年齢は22〜27歳程度だろうか。どうやら、普通のマッチングアプリよりも年齢層がかなり低いようだ。意外にも、半分くらいの人は顔出しをしていた。
プロフィールも思ったよりクリーンで、性癖のタグは設定されているのだが、みな丁寧で真面目にプロフィール文を書いていた。「お互い楽しめたら嬉しいです」「まずは仲良くしてください」と、出会いのハードルを下げたプロフィールの人が多数。5人に1人くらい、自身の性癖についてきっちり書き連ねている人もいるようだ。案外私と同じように、明確な性癖がない人も多く登録しているのかもしれない。
性癖マッチングのいろはを継続会員に教えてもらった
とりあえず、プロフィール文が丁寧だった男性数人と、連絡を取り合ってみることにした。個別のメッセージで挨拶をして、そこで顔の分かる写真を送り合うのが定番のようだ。
何も考えずに映りのいい写真を送ったら「画像検索したら、インスタのアカウントを見つけたのでフォローしていいですか?」と言ってきた人がいて、少し焦ってブロックしてしまった。なるほど、SNSに上げた写真を使うと、すぐに個人を特定されてしまう。仲良くなった後ならいいけれど、まだ何も知らない人にリアルのSNSアカウントをフォローされるのは困るので、写真は人に送る用のものを新しく撮った方がいいようだ。
アクシデントはあったものの、ほとんどの人が丁寧にやり取りをしてくれた。SNSのDMのように、局部の写真をいきなり送りつけてくるような人もいない。登録した理由だったり、恋愛経験などを語り合っていくと、ある人に「通話をしませんか?」と持ちかけられたので、通話程度ならと思い連絡してみた。どうやら通話も、LINEでなくSNSの捨て垢を使うのが主流のようだ。丁寧な交流はしつつも、お互いのプライベートには踏み込まない、ちょうどいい距離感だ。
SNSの捨て垢から通話した男性は、20代前半の優しそうな男の子。通話では少しだけセクシーな話題に発展したが、セクハラじみた雰囲気ではなく、下手なマッチングアプリよりよほどユーザー層がいい。右も左も分からないので、出会ってどんな風になることが多いかも、この男性に聞いてみた。
「僕は半年くらいアプリをやっているんですけど、まずはこうやって通話して、信頼できる人だなと思ってから、会いに行くことが多いです。最初の一回は、一応デートのていで遊びに行きます。する前提だと女性も怖いと思いますし、会ってみたら写真と印象が違うこともありますから。お互いに会ってみて、それでいいなって思ったら、その日のうちにホテルに行くこともあります」
失礼かとは思いつつ、不安もあってインタビューのごとく根掘り葉掘り聞いたが、彼も細かいことまで教えてくれた。LINEやSNSのリアルアカウントを交換することは少ないという。性のパートナーとなり、数回の逢瀬を重ねても、匿名のアカウントでやり取りし続けることがほとんどなのだそう。ただ、ある意味“都合のいい関係”だからなのか、実生活の悩みや本命の恋人との恋愛相談などを持ちかけられることも多いのだという。こういう関係もあるのか、と思わず納得してしまった。
「性癖で繋がる」というより「素の自分で繋がる」感覚
通話してくれた男性がとてもいい子だったので、一度デートに行った。居酒屋で楽しくお酒を飲んだ後、上目遣いで「今日、ダメ?」と言われたけれど、ヒヨって帰ってきてしまった。来てくれたのは少しだけマッチョな、だけど普通に優しそうで、垢抜けた男性だった。
実際に性癖マッチングアプリを使ってみると、性癖らしい性癖がなかったからか、素で話せる異性の友人を見つけられそうだなと思った。もちろん、ライトなマッチングアプリでもそういう相手は見つけられると思う。しかし、その場合ほぼ必ず暗黙で「今夜イケるか、イケナイか」という男女の攻防戦が勃発してしまう。性癖マッチングアプリは「身体の関係」が前提だからこそ、性的同意はしっかりと取ることが多いようだ。しっかりと返事があればたどり着くまでも早いだろうし、お互いにストレスが少ないのではないかと思う。それに、性で繋がるパートナーシップの中にも、そこでしか味わえない尊さがある場合もあることは、男性の話しからも伝わってきた。
この話を友人にしたところ、とてももったいながって「あたしなんて今4人目だよ」とドヤられた。友人や彼の話を聞くに、性癖マッチングアプリではきちんと行くところまで行く人も少なくないことが分かった。私も、今もメッセージをしている人が数人いるので、いつか「この人」という異性が現れたら、美味しくいただかれるのかもしれない。
ニッチな性癖がなくても「ちょっと寂しい」とか「日常にスパイスが欲しい」とか、そのくらいの動機で気軽に始めてみてもいいのかもしれないと思えた。
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この記事を書いた人
女性向けの恋愛・婚活コラムの執筆、シナリオライターとしても活動。恋バナと青春映画が大好きなゆとり世代のマージナルマン。アニメや音楽が好きだったが、今となってはサブカル崩れ。セクシーな女の子も好き。
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