福田彩乃って実は走り屋？国内Aライセンスも所有、さらに「タクシーの運転手になろう」と思った過去も!?

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対談のホストはあいみょんなどを手がける人気スタイリスト服部昌孝

あいみょん、Awich、RADWIMPS、米津玄師などの人気アーティストや有名俳優のスタイリングを多数手がけ、ファッション業界ではその名を知らぬ者がいない男、服部昌孝。2022年1月某日、スタイリスト服部昌孝は36歳にして人生初の普通自動車運転免許を取得した。「え、今まで車を持ってなかったの？」「ていうか、30代に見えない！」なんて思った人、後者はさておき、はいその通り。

スタイリストという職業は、都内を車でぐるぐると回り、数多くの洋服をリースしてなんぼみたいなイメージがあるでしょう。しかしこの服部昌孝という男は、苦難も多いアシスタント時代を“自力”（免許がないから自転車）で乗り越え、独立後から押し寄せた仕事という数々の荒波をクレバーに（免許ないからタクシーやロケバス、アシスタントが運転するレンタカーで）ぶん回し……失礼。乗りこなしてきた側の人間なわけです。

第4回のゲストはラリーやサーキットなどへの
参戦歴を持つタレント福田彩乃さん

そんな男が、なぜ今さら運転免許を？ それは「コロナ禍で良くも悪くもようやく時間が空いた」から。はい、シンプルなアンサーがもらえたところで、いよいよ本編へ。この企画は免許取得直後からどっぷりと“マシン沼”にハマってしまった服部昌孝が、乗り物に対して深い愛情を注ぐ方々に話を聞いていく連載です。第4回のお相手は、車の運転が大好きで、ラリーやサーキットなどへの参戦歴を持つタレント福田彩乃さん。今回もマシン愛溢れる対談をお届けします。

スタイリスト服部昌孝のマシン沼。VOL.4
服部昌孝と福田彩乃とマシン沼。

あ、そうそう、言い忘れました。去年1月に若葉マークの仲間入りを果たした服部昌孝ですが、その後3月には普通自動二輪、5月には大型自動二輪、と続けざまに免許を取得。なんやかんや、諸々あって、現時点で車6台、バイク3台のオーナーです。「人生初の趣味ができた」と子どものように車両と触れ合う服部氏（ミニカー集めじゃねぇのよ）、今後は車やバイクの話だけじゃなく別の乗り物にも発展していくかも？ なんて、そのあたりの“沼具合”にも乞うご期待ってことで。

福田彩乃がAライセンスをとったキッカケは？

服部昌孝（以下、服部）　お会いするのは初めてですね。よろしくお願いします。いろいろと気になることがあって、どこから聞こうかな。

福田彩乃（以下、福田）　あの、私から先に質問してもいいですか？なんで今回ゲストに呼んでいただくのが私だったのか、すごく気になっていて（笑）。

服部　そうですよね（笑）。福田さんがAライセンス（※）を持っていると知って、俺も興味があるから話したいと思ったのがきっかけです。あと出身が愛知ですよね？お互いの地元が近いし（※服部氏の地元は静岡県浜松市）、波長的にも合うかなと思って。

※Aライセンス……JAFが発給している四輪自動車競技用ライセンスのひとつで、正式名称は国内競技運転許可証A。取得者はJAF公認競技のレースへ参加・出場が可能。

福田　なるほど！そういうことだったんですね。たしかに車は好きなんですけど、知識は全然ないんです。私のような運転が好きなだけの女が出て本当にいいのかなって思って（笑）。

服部　全然大丈夫です（笑）。じゃあ、まずはライセンスの話から聞いていいですか？

福田　はい。Aライ（※Aライセンスの略）はずっと興味があったものの、自分ではなかなか取りに行くタイミングがなくて。そんななかで当時、日産自動車と契約していたことがきっかけで、ライセンスを取得してレースに出るまでを企画としてやらせていただくことになったんです。それで無事に取得できた、というのが経緯です。レーサーデビューのマシンは日産のフェアレディZでした。

クラシックカーのアレの匂いがたまらない（笑）

服部　おぉ～、Zいいですね！俺、最近Z（※1971年式ダットサン・240Z）を買ったんですよ。レース、めっちゃ興味あります。あとラリーにも出ていますよね？

福田　それもたまたまご縁があって、クラシックカーラリーに参加させてもらっています。助手席にナビゲーターを同乗させて走るんですけど、すごく楽しいですよ！クラシックカー特有のオイルの匂いもたまらない（笑）。毎年秋にやっているので服部さんもぜひ！

服部　行きたいので機会があればこちらこそぜひ！でも旧車だらけだから、出走車両が壊れたりしませんか？

福田　話を聞く限り、参加者の方たちはそれでいいみたいなんですよ。その場に来れるだけでまずはOKで、途中リタイアとかもざらにあるんですけど、「昔の車だから仕方ないね」って感じで特に驚かれることもなく。マシンから火が出ちゃってレースに参加できなかった方もいたような……。

服部　すごい世界だ（笑）。その場にメンテナンス担当とかもいないんですよね？

福田　詳しい方やプロもいると思いますけど、誰かのマシンが壊れたらみんなで助け合うみたいな感じですね。私は何度も皆さんに助けていただきました（笑）。

服部　いや～超楽しそう。

福田　けたたましい音のマシンに囲まれる環境で本当に最高です！最近の車はどれも品があるというか、エンジンがかかっているのかどうかもわからないほどですよね。

自分が“運転する側”でもいいんだ！

服部　俺はすごく共感できるけど、車に対してそういった感覚を持っている女性ってあんまりいないんじゃないですか？

福田　車好きな女性自体は私が知らないだけできっと世の中にたくさんいると思うんですけど、周りにいるかとなるとたしかに少ないかもしれません。漠然とですが、私は自分が死ぬまでに車、特に運転に関わる仕事を一度はやりたいという願望があって。タクシーの運転手とかどうだろうって考えていた時期もありました（笑）。

服部　ちなみに……俺、自分でロケバスの会社をやってます（笑）。ドライバーもちゃんといるし、マイクロバスもありますよ。

福田　えっ！？じゃあもしバイトなどからでもよろしければ……。

服部　二種免許（※中型自動車第二種免許）が必要なので、取ったら連絡くださいね（笑）。

福田　やったー！実はお笑いコンビ天津の木村（卓寛）さんがロケバスのドライバーをされていることを知って、「自分が運転する側でもいいんだ」と思ってすごく興味があったんです！

服部　いつでも言ってください。それにしても、そこまで車にハマったのって何の影響ですか？

福田　父が昔から車好きで、いつも車が身近にある環境で育ったっていうのはあるのかもしれませんね。子どものときからよく洗車を手伝ったりしていました。

服部　俺が車にハマったのも元を辿るとおそらく親父からの影響なので一緒ですね。自分の子どもたちは車酔いがひどくて、いまだ誰ひとりとして興味を持ってくれませんけど（笑）。福田さんもお子さんがいますよね？

福田　車酔いにはおへそに絆創膏（ばんそうこう）を貼って乗るといいらしいですよ（笑）。うちの子はまだ一歳なので、車に興味を持ってくれるにしてもまだ先になりそうです。あと私自身、子どもができたことで車に対する考え方や見方が大きく変わりました。

服部　どう変わったんですか？

福田　いかに安全かを重視するようになりました。なので、そういう面では少し物足りなさを感じるところもありますね。やっぱりマニュアル車に乗りたい！（笑）。

服部　（笑）。てことは今はオートマ車の一台持ち？

福田　はい。メルセデスAMG GL35 4MATICに乗っています。主人も運転する車で、子どもを乗せることも多いので、日常使いを考えるとオートマなのかなって。

7人乗りという広さが購入の決め手

服部　SUVか。いい車ですね。中も広そう。

福田　そうですね。子どもだけでなく義父母や愛犬を乗せることもあるので、7人乗りという広さは購入への決め手のひとつでした。フロントグリルの勇ましさも割と好みです。

服部　走りやすさ的にはどうですか？

福田　走っている路面によって性格が変わる感覚があるので、運転していてちゃんと楽しい車だと思います。サスペンションが硬めで、高速だと体が浮いているんじゃないかってくらい滑らかで心地よくて、反対に公道でも少し荒めの道だと、それがダイレクトに伝わってくるというか。

服部　走り屋みたいな感想だな（笑）。ちなみにマニュアル車ならこれに乗りたいとかは？

福田　以前、トヨタ86 GTリミテッド（※愛称、ハチロク）に試乗したことがあって。仕事でもなんでもなく、ただのプライベートだったんですけど、全然うまく乗れなかったんです。そのときにすごくショックを受けたのと同時に、トヨタからの挑戦状を突きつけられたような気持ちになって。なので「いつか乗り回してやるぞ！」と、悔しさも込めてハチロクには乗りたいです。

服部　さすが、運転への意識が異様に高い（笑）。実際ドリフトとか、ドラテクもかなりのものですよね。

福田　いえいえ！そんな、大した腕じゃないですよ。私はただの運転好きで、車に乗っていてG（重力加速度）を感じる瞬間が一番好きなんです。自分の体がシートに吸い込まれていくような感覚がたまらなくって。だからできることなら普段もそういった車に乗っていたい願望はあります。あとは「あれ？今の車を運転していたのって女性？かっこいいな」とか、そんなふうにも思われたいかも。

服部　俺も自分の子どもにそう思われたい。

福田　そう！「母ちゃんかっこいい！」って（笑）。

服部　一緒だ。じゃあいっちゃいましょうか、2台持ち。

福田　どうしましょう（笑）。複数台所有する服部さん的に、2台目を選ぶための基準ってありますか？

服部　俺の場合は参考にはならないんじゃないかな。ただ乗りたい車に乗ってるだけだから（笑）。まだ経験が浅いからとにかくいろんなタイプの車に触れたいんですよね。

高速の合流や車線を変更する瞬間も好き

福田　でもそのお気持ち、すごくわかります！私は独身時代、一度も車を購入しなかったんです。いろんな車に乗りたい気持ちが強すぎて結局絞りきれず……試乗とレンタカーを繰り返していました。

服部　車って一台ずつに個性がありますよね。福田さんの車好きの視点って今までにいないタイプなので面白いですね。ちなみに、Gを感じる瞬間以外に運転していてテンションがあがるときは？

福田　高速の合流や車線を変更する瞬間も好きです。限られたタイミングでパッと判断して、いかにスムーズに行動できるかという点にちょっとしたスリルを覚えるんです。

服部　もしかして福田さん、自分が運転する車の同乗者に安心して寝てもらいたいタイプじゃないですか？

福田　そうです！乗り心地や走り心地は自分の中での楽しみでもあるし、運転するときに重要視しているところなんだと思います。

服部　やっぱり。俺も同じタイプなのでそうかなって。

福田　そうだったんですね。でも実は私、マニュアル免許を取得したのは4年ほど前のことなんです。車好きを公言しているのにオートマ限定免許であることがダサく感じて、ちゃんと乗らなきゃって（笑）。

服部　真面目っすね（笑）。マニュアル車は操縦している感というか、「車に乗っているぞ」って感じがして面白いですよね。今まで乗ったマニュアル車でハチロク以外に印象に残っているのはありますか？

福田　うーん、なんだろう……あ、ホンダのシビック TYPE Rはすごくよかったですね！エンジン音とか、タイヤと路面の摩擦音とかがまさにどタイプって感じで。ただ、私の運転技術が足りないせいでクラッチの感覚に馴染むことができなくて、購入には至りませんでした。

服部　クラッチやシフトのクセは車両によって全然違いますからね。

福田　車ごとに性格があるし、同じ車なのに毎日エンジン音が違うように聞こえたり、なんかこっちの言うことが伝わっている気もしませんか？

服部　ははは。超わかります。

福田　ですよね！だから私はなるべく悪口を言わないようにしているんです。

服部　俺は逆に「買い換えるぞこのやろう」とかわざと強めなことを言って鼓舞するときがあります。そんなつもりはないんですけどね。でもそのおかげか、エクスプローラーがけっこう調子いいんです。

福田　きっと服部さんのエクスプローラーはM気質なんですよ（笑）。でも、今日はマークⅡに乗ってこられていますし、所有台数を知ってすごく羨ましいと思いました。毎日いろんなタイプの車に触れることで運転技術が鍛えられそうですよね。

服部　それはありますね。免許取得以降、間違いなく運転がうまくなったと思います。

福田　これだけの台数があってもまだ欲しい車は尽きませんか？

服部　全く（笑）。

福田　素敵ですね。私もただ車に乗るだけじゃなくて、どんな車にも対応できるような自分でありたいと思うのでこれからも精進します！

服部　俺も車を買うためにスタイリスト業に励みます。今日はありがとうございました！

企画・インタビュアー＝服部昌孝
写真＝宇佐美直人
構成・文＝本田圭佑
編集＝熊谷洋平

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