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『マッチングアプリに実在した男たち』がインスタで共感の嵐!スーパーサイズ・ミー西本たけるが“20秒の脚本”でバズりまくる秘密

執筆者: ライター/石野志帆

『マッチングアプリに実在した男たち』シリーズがインスタグラムでバズり、昨年はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演で話題になったお笑いトリオ『スーパーサイズ・ミー』の西本たけるさん。2023年も活躍が期待される西本さんに、SNS発信のお笑いネタ爆笑制作秘話と、本人が推す動画3選と共にシリーズの醍醐味を振り返ってもらった。

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スーパーサイズ・ミー,西本たける

「自分には降りかかってほしくないけど
他人事なら面白い」
絶妙な共感と笑いを引き出す
SNSネタ戦略

――インスタグラムの『マッチングアプリに実在した男たち』で投稿している“マッチングアプリあるある”が共感と笑いを集めて注目された西本さんですが、どういうきっかけでこのシリーズを始めたんでしょうか。

西本たける(以下、西本) もともとは、同期に“SNS強い芸人”が多かったんですけど、その人たちと飲んでいるときに、大学生に声かけられて。みんなが(同期芸人のSNSを)「みてますみてます」って盛り上がっているのを見て、俺もなんかはじめよう!と思ったんです。最初は何をやったらいいかわからなかったんですけど、先輩芸人から「目が笑っていない」「目が怖い」「まじでビー玉みたいな目をしてるな」ってよく言われていたのを思い出して。じゃあそういうところを活かそうと『サイコパスな彼氏』っていう動画から始めました。

――『サイコパスな彼氏』はどういうところがウケたと思いますか?

西本 サイコみのある男とかって世の中にいると思うんですけど、そういうのって「自分には降りかかってほしくないけど、他人事なら面白い」みたいなのあるじゃないですか。その感じがちょっとウケそうだなって思って始めたんですよ。そしたら徐々に「こういう男いるわ~」って感じでジワジワ伸びてきました。

西本たける,スーパーサイズ・ミー,サイコパスな彼氏ネタ西本たけるインスタグラム『サイコパスな彼氏』シリーズより。さわやかな顔をしながら、ちょっと怖いことを言う。

動画は日常の延長線上?!
ネタが尽きない理由

――ネタはどうやって作っていったんでしょうか?

西本 ホントに思い付きでガンガン撮っていったんですけど……。根本は、自分が思っていたりしたことだったりを入れたこともあって、そんなに自分自身と遠くない……みたいなところもあったりします(笑)。相方と話しているときに「これおもろくない?」と作っていったものもありますし、身近な部分から集めていこうとしてましたね。

――動画は居酒屋でのシーンが多い印象ですが、どなたが撮影されているんですか。

西本 飲みに行ったときに友達に撮ってもらったりしてます。「『〇〇な男』っていう動画をやるんだけど、ちょっと1本だけ撮ってもらっていい?」って言って。「このセリフ言うまで撮っておいて」って頼んで、(終わったら)「ありがとうありがとう、じゃあ飲もう!」みたいな(笑)。

――日常の延長線上の西本さんを動画では観させてもらっているんですね。

西本 マジでそうなんですよ(笑)!そうじゃないと(動画を)あげ続けられないんですよね。無理しちゃうと、頑張る動画だと続けられないんですよ。よりリアルにするために、普通のシチュエーションでやりたいなと思ってやっています。

スーパーサイズ・ミー,西本たける

――『サイコパスな彼氏』のほかにも『〇〇な彼氏』シリーズで好評だったものはありますか?

西本 (動画も)もっと“あるある”に寄せていこうっていう気持ちになってきて。『お母さんみたいな彼氏』っていうシリーズが、(『サイコパスな彼氏』の)次に伸びた動画になりました。お付き合いして同棲したり、結婚していたりすると、女性のほうが結構身の回りのことをやるみたいなことになりがちだけど、男のほうがお母さんばりに動くみたいなのを、女性は逆に求めてそうだなっていう発想からはじめたら、そこにみなさん共感してくれて。「こんな彼氏助かるわ~」って。

“マッチングアプリにいそうな
平均的なルックス”を自負

普通っぽさを演出しながら
笑えるネタを

――そこから『マッチングアプリに実在した男たち』シリーズに発展していったんですね。

西本 SNS上で「みなさんマッチングアプリやってますか?」「今までどんな男がいましたか」ってアンケートをとったんですよね。そしたらぶわーーって、大量に来て。ほんとに3~400通くらい来たんですよ、一晩で。「コレ、めっちゃ面白い!」って思って全部メモして、一気に30本くらい撮りました。

――今もネタ元の多くは、フォロワーから寄せられるDMだと伺いました。

西本 今もDMは来ます。最近はTikTokからインスタに流れて来ましたっていうのが多いんですけど、「マッチングアプリに実在した男の応募先はこちらで合ってますか?」って(笑)。

スーパーサイズ・ミー,西本たける

――寄せられる体験談から、たった20秒程度の動画におさめて笑いを起こすのに、工夫していることはありますか?

西本 僕は「マッチングアプリにいる平均的なルックス」とかよく言われていて、自分でもそう思ってるんですけど(笑)。そういう見た目のフツーそうな人間が、なんか1個ひっかかる、みたいなところがいいのかなと思っていて。派手にずれてないんですよね、全員。マジでいそうだし、ぱっと見、別に悪くなさそう、みたいな。だから、送ってもらったもの(ネタ元のDM)に対して、なんか1個だけずらすって言うのは意識してます。普通っぽさを出しながら「あぁ、(こういう人)いそう」「確かにそれ嫌だね~」みたいなところに落ち着かせていく、っていうような意識ですかね。

フォロワーを一気に5万人増やした
“私服のセンスが
中2で止まってる男”

――そんな大好評のシリーズの中で、一番のバズりのきっかけになったのが、『マッチングアプリに実在した男たち91』の『私服のセンスが中2で止まってる男』でした。

西本 ホントすごいですよ、あのシャツ1枚で5万人くらいフォロワー増えましたからね。伝説のシャツですよ(笑)。家のデスクに飾ってますもん、普段は。

――“センスが中2で止まってる”と表現したのはなぜですか。

西本 (DMで)「私服が超ダサいやつが(マッチングアプリで)来ました」っていうのがめちゃ来たんですよ。でも“ダサい”って(人それぞれ)いろんなダサさがあるじゃないですか。だからどうしようかなって思って。それで、僕いま32歳なんですけど、僕が中学とか高校前半とかまではああいう服装って普通に売ってたんですよ。あの当時のままの服装でいちゃっているっていう設定にしちゃえば、平和に笑えるかなって。

スーパーサイズ・ミー,西本たける,私服のセンスが中2で止まってる男

“伝説の”シャツ
入手先はフリマサイト。
検索ワードはまさかの……

――衣装はどうやって入手したんですか。

西本 最初の1枚、ピンクのポロシャツだけはメルカリで探して、550円で買ったんですよ。

――ちなみに何と検索してヒットしたものだったんでしょうか。

西本 えっと……「カッコいいシャツ」です(笑)!ダサいシャツって調べると出てこないんですよ。売ってる人はダサいって思ってないから。カッコいいシャツとか、ヒップホップシャツとかそんな感じで調べてヒットしたやつで買いました。

スーパーサイズ・ミー,西本たける,私服のセンスが中2で止まってる男

――シリーズではどんどん違うアイテムも登場していて、観るのが楽しみです。

西本 それ(バズった)以降はフォロワーさんが全部送ってくれたんです。「旦那の服が西本さんの動画のやつにめっちゃ寄ってるので内緒で送っちゃいます。供養してください」みたいな感じで、でっかいドクロがついたご主人の服を女性が送ってくれたこともありました。

――それは送り主さんがお相手に変わってほしいって思っているってことですよね?

西本 そうだと思います。その延長で「西本さん、旦那の服装どうしたらいいですか?」みたいな相談が来たりします(笑)。

“奇跡の”大河ドラマ出演
経験を笑いに活かしたい

――SNSでバズりながら、昨年はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演というハイライトがありました。

西本 ホントに奇跡が起きました!ホントにびっくりしましたね、あれは。

――今までの現場とは違うことも多かったと思いますが、どんなことを得られましたか?

西本 まず普段絶対お会いすることのできない一流の俳優さんたちと一緒にお仕事ができて、自分の中で一段階、腹が据わった気がします。あとはお芝居って全然わからない世界だったんですけど、一流の俳優さん、スタッフさんたちの、“創りあげているものに対する情熱”みたいなものを一番近くで見させてもらって、「やっぱエンタメってこうだよな」「俺も本気でネタに本気で取り組んでいかなきゃ……」って気合が入りました。

スーパーサイズ・ミー,西本たける

――コントにも活かせそうなことはありましたか?

西本 やっぱり、全く別物ではない気がします。お芝居が上手なコント師さんとかってすごく惹きこまれますし。コントって“空気感を伝える”みたいな部分でお芝居が結構大事だと思います。例えば声色や顔の表情、目線とかそういうもので、見ている人が「この人は今こんな感情なんだな」っていうのをより伝えると、後の笑いにつながってくるような気がしました。1個経験になったな、ステップアップしたな、という気がしますね。

――2023年はどんな年にしていきたいですか。

西本 近々の目標であれば、トリオでは『キングオブコント』で優勝したいっていうのがあります。3人でバラエティ番組に出ていけるように、そのためにはネタを磨いていきたいです。あとは個人では、芸人としてネタを頑張っていきたいのはもちろんですけど、結構いろんなところに興味が強いんで、いろんなことに挑戦させていただきたい気持ちがあります。お芝居がすごく楽しかったので、お芝居の現場も行ってみたいなって思いますし、(副業の結婚式)司会業とかもずっと続けていきたいです。

西本たけるが推す3選 
『マッチングアプリに実在した男たち』 

シリーズ100本を超える『マッチングアプリに実在した男たち』シリーズ。動画の中から、西本さんご本人が推したい3選を伺いました!

スーパーサイズ・ミー,西本たける,私服のセンスが中2で止まってる男

1.『絶対、蚊に屈しない男』

スーパーサイズ・ミー,西本たける明らかに大量の蚊に苦しめられているのに、「大丈夫、大丈夫」と言い張る男

西本 これは動画のギミック的に、パパパパーンっていうのが面白いく撮れたなっていうのがあるのと、あと「移動しろよ!」みたいな(笑)。明らかに環境悪いのに、移動しないやつっているじゃないですか。めっちゃ寒いのにいつまでも路上で飲んでるやつとか(笑)。「店入れよ」ってめっちゃ思うんですよね。そういうのとか、いいなって。

2.『後日たまたま出くわしたら 
通りの向こうから激しく呼んでくる男』

スーパーサイズ・ミー,西本たける一度だけ会った男と街で偶然出くわした際、「マッチングアプリで会ったタケルだよ!」と通りの向こうから呼んでくる

西本 「こういう無神経なやつ、いそう~」みたいなところが好きです。これもフォロワー(からのDM)だったんですよね。「街中でめっちゃ叫ばれて超嫌だったんです!」みたいな。マッチングアプリとか(声に出して)言わないで、みたいな(笑)。マッチングアプリって最近は結構みんな普通にやるようになってきたから、SNSをやる感覚くらいに浸透していてはいるけど、それにしても(やめてほしい)でしょ!みたいな。

3.『収納場所の常識がバグりまくってる男』

スーパーサイズ・ミー,西本たける「先にシャワー浴びる?」と言いながら、バスタオルをキッチン収納から取り出す男

西本 これは、1人暮らしの男に結構あるあるなんですよね。僕は結構A型強めなんでやらないんですけど、「お前、それどこにしまってるの?」っていう(モノの収納場所が変わっている)やつを今までに結構見てきたんで、これを女子にも出す人は結構いるだろうなって。

Profile/西本たける(にしもと・たける)
1991年1月15日生まれ、神奈川県出身。吉本興業所属。キングオブコント2022にて準々決勝へ進出したお笑いトリオ「スーパーサイズ・ミー」のメンバー。毎週木曜日22:00からインスタライブを放送中。

Instagram:https://www.instagram.com/nishimoto_0115/
TikTok:https://www.tiktok.com/@nishimoto__0115
Twitter: https://twitter.com/nishiiiiii

この記事を書いた人

TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。

X:@heartsilvermist

Website:https://smartmag.jp/

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