【衝撃の告白】GG佐藤が明かす北京五輪の裏側…“張り切った代償”ゆえ「実は痛み止めで頭がフラフラだった」
執筆者: ノンフィクションライター/長谷川 晶一
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現役時代には「燃える男」と称され、監督時代には「闘将」と呼ばれた星野仙一が天に召されてすでに8年が経過した。昭和、平成を代表する野球人である一方、優しさと厳しさ、飴と鞭を巧みに使い分けた人心掌握術は、現在の観点から見れば、行きすぎた「根性野球」「精神野球」といった側面がクローズアップされたり、選手たちへの鉄拳制裁が問題視されたりすることもある。
一体、星野仙一とはどんな人物だったのか? 彼が球界に遺したものとは何だったのか? 彼の実像を探るべく、生前の彼をよく知る者たちを訪ね歩くことにした。彼らの口から語られる「星野像」は、パブリックイメージ通りである一方で、それとは異なる意外な一面もあった。「星野仙一」のリアルに迫りたい——。連載第9回は、星野が日本代表監督を務めた2008年北京オリンピックの際に主力として共に戦ったGG佐藤に話を聞いた。【GG佐藤インタビュー全2回の1回目/第2回へ続く】
【日本一失敗を語れる男】GG佐藤の唯一の後悔は落球したことではなかった…星野監督の「不器用な愛」を裏切った決戦前の準備不足

2008年、30歳での大ブレイク
愛知県大府市出身の父の影響で、幼い頃から中日ドラゴンズファンとして育った。テレビの中で見る星野仙一は、すでに「選手」ではなく、「監督」となっていた。少年時代のGG佐藤(以下、GG)にとって、大好きなチームを率いる闘将は、「ベンチを蹴り飛ばす監督」として、強烈なイメージで焼きついている。
「近藤選手がノーヒットノーランを達成した試合。あれは確か星野さんが監督でしたよね。あの試合はすごく印象に残っていますね。高卒ルーキーが初登板で、いきなり大記録を達成した。あの頃は熱心にテレビ中継を見ていたし、強烈にドラゴンズを応援していましたね」
GGが口にしたのは、星野政権1年目となる1987(昭和62)年8月9日、ドラゴンズのドラフト1位ルーキー・近藤真市(真一)が読売ジャイアンツを相手にノーヒットノーランを成し遂げた一戦を指していた。その日は、後の「GG」こと、隆彦少年にとっての9歳の誕生日でもあった。
しかし、桐蔭学園高校から法政大学を経て西武ライオンズ入りした後も、星野との接点は皆無だった。
「接点? まったくないですよ。東京六大学のOB会、記念イベントなどで見かけたことはあったかもしれないけど、会話をしたことなんて一度もない。僕にとって、法政大学の先輩である山本浩二さん、田淵幸一さん、そして明治大学OBの星野さんは、三大武将(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)がそろい踏みしているくらいの感覚なので、大先輩たちには話しかけることもできないし、ちょっとしたコミュニケーションも取りにくかったですから」
そんな彼に星野へ通ずる運命の扉が開かれたのは2008(平成20)年、北京オリンピックのときだった。前年には、ようやくレギュラー定着の兆しを見せていた。当時チームメイトだった和田一浩に「金魚のフンのように」つきまとい、その技術や間合いを必死に吸収していた。そして、その和田が08年にドラゴンズにFA移籍したことによって、レギュラーを奪取。交流戦での大爆発も追い風となり、代表の追加招集メンバー候補として名前が挙がったとき、GGは確信していた。
「正直、あの頃の僕は絶好調だったから、“オレが選ばれなかったら誰が北京に行くのよ”という感覚でしたよ。実際に代表に選ばれたときも、“それはそうだよね”という感じ。当時の日本代表は各チームからの寄せ集めで、今みたいな常設チームとは全然違ったんです。だから、まったくプレッシャーを感じることなく、“よし、やってやるぞ”という気楽な感覚でしたよね」
この年のオールスターファン投票では、両リーグを通じて最多得票数を獲得して初選出された。また、この年から始まった選手間投票でも全選手を通じてのトップとなった。まさに完全無欠。このときのGGに、怖いものなど何もなかった。
この記事を書いた人
1970年生まれ。早稲田大学卒業後に出版社へ入社し、女子高生雑誌『Cawaii!』などのファッション誌の編集に携わる。2003年からフリーに。ノンフィクションライターとして活動しながら、プロ野球12 球団すべてのファンクラブに入会する「12 球団ファンクラブ評論家®」としての顔も持つ。熱狂的な東京ヤクルトスワローズファンとしても知られ、神宮球場でのホームゲームには全試合駆けつける。単行本が7刷となり文庫化もされている『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間』(単行本:インプレス、文庫:双葉社)をはじめ、ヤクルト関連の著書・連載多数。スポーツ総合雑誌『Sports Graphic Number』(文藝春秋)にも定期的に寄稿中。日本文藝家協会会員。
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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