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2022年4月25日(月)発売
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BiSHモモコグミカンパニーが今、“小説家”になって思うこと「書いているときのほうが本当に生きている実感があるし、自分らしいなぁって思います」

昨年末には悲願であった紅白歌合戦に出場するなど、人気絶頂にありながら2023年をもって解散することが決まっているBiSH。その中にあって、エッセイ集を2冊上梓し、グループの作詞も担当するなど、“書くこと”においても才能を発揮してきたのが「あまのじゃく担当」のモモコグミカンパニーだ。今年3月、彼女が待望の長編小説「御伽(おとぎ)の国のみくる」を発表。そんな彼女が、小説について、書くことについて、今BiSHのメンバーについて、今思うこととは――。15000字を超える“小説家”モモコグミカンパニーのインタビューを、前編、後編の2回に分けてお届けする。

モモコグミカンパニー

芽生えはじめた
「書くことに
向き合いたい」
という強い思い。
そのために長編小説を
書くことを決意

――まずは、小説家デビューおめでとうございます。今回『御伽の国のみくる』を読ませていただいて、これは悪い意味に受け取ってほしくないんですけど、正直読んでいて結構“食らう”小説でした。主人公の友美を不憫(ふびん)に思ってしまうシーンが多くて、でも一方でいつも自分の好きな恰好(かっこう)をしていたりとか、ひろやんの反応を必死に受け止めようとする姿とか、友美のいいところをたくさん見つけながら読ませていただきました。

モモコグミカンパニー:ありがとうございます。嬉しいです。

――モモコさんはBiSHのメンバーとして活動されていて、アーティスト、エッセイストなどいろいろな肩書きがある方で、そこに小説家という肩書きも加わったわけですが、今の率直な感想を聞かせてください。

モモコグミカンパニー:いや、小説家とかまだ名乗れるとは全然思っていないんですけど、元々BiSHに入る前からずっと書くことは好きで。BiSHに入ってから、作詞に挑戦したり、エッセイを書くことになったりして、より書くことが好きになったんです。私たちは世間に発表するよりも結構前に、「BiSH解散」ということを渡辺(淳之介)さんから言われて、BiSHとしての活動の終わりを決められたときに「自分はこれから何を頑張ろう?」と思って。BiSHに入ってから7年間、いろんな仕事をさせてもらった中で、書くことにも向き合いたいと思うようになって、それにもっと向き合うために「長編小説を書いてみよう」と。小説を書きたいっていう思いは小学生のときからずっとあって、適当に小説を創作したりはしていたんですけど、やっぱり中途半端なものしかできなかったから、小説を書くことに対してまったく自信がなくて。書く前から諦めていたんです。

――なるほど。

モモコグミカンパニー:でも渡辺さんから宣告された「BiSH 解散」というのが、私の背中をすごく押してくれて。「今、頑張らなくて、いつ頑張るの?」って自分を鼓舞しながら書き進めることができたので、自分的に書き上げたということ、一つの作品という形になったこと自体がすごく自信になったし。それをBiSH解散後じゃなくて、解散前にできたということが、すごく私は嬉しかったです。

――タイミング的にも解散を発表してからそんなに間を置かずに、そして解散前に小説を発表できたことはより意味があることだなと僕も思います。

モモコグミカンパニー:やっぱり 、BiSH解散後より解散前の今、 “BiSHのモモコグミカンパニー”であるときに読んでもらいたい、現役で活動しているからこそ読んでもらいたい、っていう思いがすごくあったので。

――これまでも、小説を書くことに挑戦したことがあるというお話でしたけど、それは友達とかには読んでもらったりしていたんですか?

モモコグミカンパニー:いや~小説とか詩とかを書いてはいたんですけど、それは結構恥ずかしいことだと思っていて。

――確かに、その感覚は少しわかります。

モモコグミカンパニー:そうそうそう(笑)。なんか、“自分の世界に浸ってる”みたいで。だから人に見せることはなかったですし、書いているというのも恥ずかしくて周りに言えなかったし。この『御伽の国のみくる』を書いていた期間は1年くらいだったんですよね。その期間も、メンバーに対して小説を書いていることは一言も言えなかったですね。

――そうなんですね……。

モモコグミカンパニー:なんでかというと、私は書き方をちゃんとわかっていなくて。プロット(物語の筋、しくみ)や構想をはじめから終わりまで全部決めてから書き始めるというのが、多分オーソドックスな小説の書き方なんですけど。でも私の場合は、物語の展開を決めずに最初からバーって書くことしかできなくて、だからこの小説はどこに向かうのかとか、自分が最後まで書き上げられるかとかも、わからなかったし。

――ゴールを決めた上で書いていたわけじゃないんですね。

モモコグミカンパニー:そうですね、本当に。なので、「書いている」と周りに言って、書けなかったらすごくダサいなと思っていて(笑)。書いている間もずっとプレッシャーはありましたね。本当に最後まで書き上げられるのか?っていう。

モモコグミカンパニー

第1章にある
『みくるんは、僕となんか似てるんだよなぁ』というセリフが
真っ先に頭に浮かんだ

――なるほど。以前、とあるWEB媒体のインタビューで読んだんですけど、モモコさんは作詞をするときも冒頭のAメロから順番に書いていくそうですね。

モモコグミカンパニー:そうですね、Aメロからバーッと私は書きますね。確かに作詞の仕方と小説の書き方は、ちょっと似てるかもしれません。今回の小説では、「小説ってこういう風に書くんだ」ということがわかったので、次にもし書くことがあったら、もっとちゃんと書きたいなって思いますね。

――次作はプロットをしっかり構築してから書いていく、みたいな。

モモコグミカンパニー:はい。

――私は書籍の編集者ではないのでよくわからないんですが、プロットや構想って、編集者の方と二人三脚で作っていくというイメージがあります。実際はどういう感じだったんですか?

モモコグミカンパニー:最初にまず中編小説を2本書いて、それを編集者の方に送ったんです。そこから、その2本の中だと『御伽の国のみくる』になる前の原型となる中編小説のほうがいいねって編集者の方が言ってくれて。まだ中編だったので、長編小説にするために「ここのエピソードを膨らませたほうがいい」とか、アドバイスをいただきました。

――なるほど。中編小説が2本あって、そのうちの1本が『御伽の国のみくる』の“原型”だったんですね。もう1本のほうは、まだ日の目を見ていない感じですか?

モモコグミカンパニー:日の目をみてないし、順番としてはそっちを先に書いたんです。

――先に書いたほうが普通は自信作であることが多いと思うんですが、そんなことはなかったですか?

モモコグミカンパニー:うーん、でもそっちは発表するのが今じゃなくてよかったというか。もしかすると、遺作になるかもしれないですが(笑)。『御伽の国のみくる』は、メイドとファンがいて、主人公がアイドルを目指していてっていう、今の自分の状況にも近かったので、こっちをちゃんと書きたいって私は思ったので。

――モモコさんが「アイドルを目指す主人公」を書くというのは合点がいったんですけど、なぜ舞台がメイドカフェで、主人公がメイドさんという設定だったんですか?

モモコグミカンパニー:まず、何か小説を書こうと思って家で考えていたときに、ふと自分の中に芽生えた言葉が、この小説の第1章の最初にある『みくるんは、僕となんか似てるんだよなぁ』というセリフだったんです。登場人物のひろやんがカウンターでそう言っている光景が思い浮かんだんですよ。自分がこういう立場にあるから、メイドとファンの関連性とか、アイドルを目指している主人公を書きたいって、意図して思ったわけじゃなくて、そのセリフがまず最初に降り立ってきて。

――そのセリフが発せられるシーンも、メイドカフェだったんですね。

モモコグミカンパニー:そうです。それで、ここから小説を始めようと思って、そこからバーって書いたのが、たまたまこの小説になったという感じで。なっちゃったんですよね、なぜか。

――ちなみに、そのセリフが思い浮かんだのは、過去にモモコさんがファンの方からそう言われた経験があるからですか?

モモコグミカンパニー:もしかしたらそうかもしれないですけど、具体的な記憶はないんですよ。でも、やっぱり自分の潜在意識のどこかにあったんだと思います。

――なるほど。僕はどちらかというと、アイドルのファンの側の立場なので、好きなアイドルとの共通点をファン心理として見つけたいっていう気持ちはわかるんです。でも、仮に共通点を見つけたとして、「自分とあなたのここが似ています」という言葉を言われる側は、嬉しくないだろうなとも思うんです(笑)。

モモコグミカンパニー:いや、嬉しくもあり、不思議でもあり、あまり私は嫌とは思わないですね。思わないんですけど、それよりもなんて言うんだろう。そう言われたとして、全然似てないのにって仮に私が思ったとしても、相手は何かを自分から感じ取ってくれてそう言ってくれているはずで、その一言ってすごく深いなと思って。だからこそ、物語が膨らんでいったっていうのもあると思うんですよね。

――『御伽の国のみくる』は、ひろやんが本当に最後の最後まで友美の味方でいてくれて、最後のひろやんと友美のやり取りがあったから、物語の読後感もすごくよくなったと僕は思っていて。あの最後のひろやんとのやり取りがなければ、もしかしたら二人(翔也とリリア)を刺したりとか、バッドエンドにもなりえたのかなとも思うんです。

モモコグミカンパニー:登場人物みんなに共通しているのが、自分の居場所をすごく必死に探していて、みんな方向性は違えど一生懸命生きているということで。誰でも“凶器”を振りかざしちゃったりとか、そういう危険性は誰しもが、真剣に生きている人ほどあると思って。

――そうですね。

モモコグミカンパニー:だけど、そこで終わらせたくないなって言うのが自分的にもあったので、友美とひろやんの最後のやり取りとかは、私が最初に編集者の方に送った段階で既にできていて。

――なるほど。物語のクライマックスは初めからできていたんですね。

モモコグミカンパニー:クライマックスはできていて、物語の中ほどを結構膨らませた感じなので、最初とか最後とかはそのままなんです。

――物語の中盤というのは、リリアと友美のやり取りとか、その辺ですか?

モモコグミカンパニー:その辺とか、圭とかが登場する、事件性をはらんでいる感じのパートとか。

――サスペンスっぽい感じのところですよね。

モモコグミカンパニー:そうです。そこら辺は、結構膨らませた部分があると思います。

――なるほど。圭も結構怖い登場人物ですよね。

モモコグミカンパニー:怖いですね(笑)。

――あと不思議だったのが、圭って“ルックスもよくて仕事もできる”みたいな、いわゆる世間的にはハイスペック男子と思われている男性なのに、すごく幼稚なキャラ設定だったことで。すごく印象的だったのが、「人間の不良品みたいなことを誰かが言ってたんだよね」というセリフです。

モモコグミカンパニー:そうですね。それはメイド喫茶店員のハルト君のセリフです。

――結構な表現だなと思って。パンチラインというか。

モモコグミカンパニー:(笑)。それは、私が思ったからそのまま書いただけなんですけど。私はこういう仕事をしているし、私と友美を重ねる読者の方が多いような気がするんですけど。私はむしろ登場人物の誰でもないし、逆に全員でもあると思っていて。私は圭でもあると思うんですよ。

――圭とモモコさんにも重なる部分がある。

モモコグミカンパニー:はい。一番重ならなそうな圭というハイスペ男子の、大人になった後の生きづらさとか、子供の部分を捨てきれないところとか、綺麗なものばっかりに憧れている部分とか。

――確かに、圭が“メイドとしてのリリア”に執着する部分とかは、綺麗なものに憧れている圭ですよね。

モモコグミカンパニー:うん、人間の“本当の部分”を気持ち悪いと思っちゃう姿勢とかも、おそらく自分の中にもあったからこそ生まれたキャラクターで。ひろやんの気持ちも私はすごくわかって、自分と違うとは思わないし、リリアの気持ちもすごくわかるし。

――この登場人物のモデル“だけ”がモモコさんというのはないってことですよね。

モモコグミカンパニー:そうです。

――そういった意味では、“自伝的小説”というわけではない。

モモコグミカンパニー:そうですね、全然違うと思いますね。私だったら絶対にしないことを友美はやっているし、逆に私に経験がないことを友美はやっているし。

モモコグミカンパニー

うまく生きられないもどかしさを
書くことで発散しているのかも(笑)

――小説を書くときって、リサーチも結構されると思うんですけど、メイドさんを実際に取材されたんですか?

モモコグミカンパニー:秋葉原のシーンを描くことがあって、マネージャーさんに「あの~、一緒にメイドカフェに行ってくれませんか?」ってお願いして、ついて来てもらいました(笑)。一緒に何店舗もメイド喫茶に行ってもらって、そのおかげで描けた部分はめっちゃあります。元々行ったことはあったんですけど、もうちょっと詳細に書きたいなと思って取材に行きました。

――そういう取材体験って、これまでもありましたか?

モモコグミカンパニー:あんまりないですね。やっぱりエッセイとかを書いていても、自分のことなので。日常のこととか、自分の内面のこととかなので、外に出向くとかはあまりなかったんですけど。

――“電気街”とか知ってるフレーズはあっても、秋葉原の地理的な部分はあまりピンとこなかったんですけど。

モモコグミカンパニー:だから取材の後もちゃんとGoogleマップで、東口はこの辺、南口ここら辺、とかは調べて整合性がとれるようにしました。

――メイドカフェは一時期かなり流行りましたが、いまでもファンの方が大勢いらっしゃいますよね。

モモコグミカンパニー:取材に行ったある日は、平日の夕方ぐらいだったと思うんですけど、お店が結構どこも満杯で(笑)。

――それこそ、ひろやんのような仕事終わりのサラリーマンがいたりとか。

モモコグミカンパニー:そうですね。あと女の子のお客さんも結構多いのが印象的でした。どこも混んでいたので、一つの店舗に落ち着くまで3店舗くらい回って。

――へぇ、すごい!

モモコグミカンパニー:そこもやっと入れたみたいな感じだったので、今ってこんなに来る人いるんだ!大盛況なんだ!って、すごくびっくりしました。

――なるほど。メイドさんがオムライスを作る描写だったり、わかるな~っていう描写が結構ありました。

モモコグミカンパニー:そうですね。私がファンの方と接した経験も結構反映されていて。モモコグミカンパニーとしてファンの方に接するときって、ドジしたりとか、ちょっと間違えちゃったりしても、すごく喜んでくれるんですよね(笑)。

――ファンの方が、そういう部分をモモコさんに求めているみたいな。

モモコグミカンパニー:モモカンがやったことだから全部許せるみたいな(笑)。甘いというよりは、寛容さがあるというか。

――なるほど。友美も“みくる”っていうメイドネームがあって、友美という本名もあって、いわゆる二つの世界を生きている主人公じゃないですか。モモコさんも、本名とモモコグミカンパニーという二つの名前があって。実際の生活がある一方で、 BiSH としてのモモコグミカンパニーっていう生活もありますけど、その両者は人格的にも全く別人ですか?

モモコグミカンパニー:いやぁ、私は結構一緒なんですよね。本名の自分でいるときも、モモコグミカンパニーとして表に出ているときも、うまく泣けなくて。だから、悲しいって思っても、泣けないから周りに自分をうまくわかってもらえずに、表現できないっていう苦しさはずっとあって。それもあって書くことに逃げているっていうか、書く中でしかうまく泣けないっていうのがあるんです。だから小説を書いているときはすごく開放的になれました。書いているときと、日常を生きているときっていうのは、表と裏というか、結構違うかもしれないですね。書いているときのほうが、本当に生きている実感があるし(笑)、自分らしいなぁって思うので、それが現実でもできたらもっといいんでしょうけどね。

――書くことがリハビリ的に機能して、現実世界でもそういう風にできるようになるっていう、手応えみたいなのはあるんですか? 悲しみをうまく出せるようになったり、表現できるようになったり。

モモコグミカンパニー:生きることにすごく不器用で、本当に大人になってもまだうまく生きられていなくて。それで、そういう自分のもどかしい部分とかを書くことで発散してるんじゃないかなと(笑)。

――モモコさんは、BiSHというグループの中にいても、常に飄々(ひょうひょう)としているというか、割と客観的にご自身を見つめられている印象もあったりするんですけど。メンバーのこともちょっと一歩引いて見ていたりとか。

モモコグミカンパニー:そうなんですよね。そういう部分で「客観的に自分や周りを見ていて偉いね」みたいな感じに思われるかもしれないですけど、現実のぶつかり合いとかが怖いっていうのがあって。それだったら、「飄々として、ちょっと距離を置いているほうが心を守れる」みたいな部分があるんだと思います。でも、昔から人間観察はめちゃくちゃ好きで。気持ち悪いんですけど、小学校のときとかも、登下校している生徒とかを観察したりとかしていて(笑)。

――それは同じ小学校の?

モモコグミカンパニー:同じ小学校の(笑)。いろんな人を見たくて、「この人はどんな人生を送ってるんだろう?」って想像したり、妄想とかもすごく好きで。そういう部分は小説に繋がっているかもしれないです。小さい頃から「趣味:人間観察」って言ってましたね。

――へぇ~。 BiSHの他のメンバーも結構人間観察をしているというか、しっかり人を見ていらっしゃるなっていう印象があるんですけど。

モモコグミカンパニー:えー本当ですか? 私はあまり気を遣ったりできないので、周りをしっかり見て気遣いができるメンバーのことは、すごく感心するし、尊敬していますね。

モモコグミカンパニー

解散が決まってからのほうが
よりメンバーを
応援できるようになった

――「御伽の国のみくる」のキーワードに、“嫉妬”、“妬み”があると思うんですけど、BiSHのメンバーで「このメンバーのこういう部分は自分にはない部分」だとか、嫉妬を覚える部分はありますか? もしあれば、一人ずつ教えていただきたいです。

モモコグミカンパニー:あっ、一人ずつ?全員かぁ(笑)。ハシヤスメ(アツコ)は……なんですかね、自分にない部分っていうと……。グループで一番正反対の人間だと思ってます。

――あっ、そうなんですか?

モモコグミカンパニー:ハシヤスメはやっぱりいい意味で、「自分の意見を貫き通す」ということを昔から言われていますけど、やっぱりそこなのかなと思っていて。「自分は自分」っていうのが一番あるメンバーなので、そこはすごく尊敬していますね。アイナ(・ジ・エンド)さんは、一見すごく目立っているように見えるけど、一歩下がってメンバー全員のことをちゃんと見ていて、観察力がすごいなって思うし。よく人の話を聞いていて、気づいたりしてくれるところは本当に尊敬していますね。

――アイナさんはよく“気づける”方なんですね。

モモコグミカンパニー:はい。表に出つつ、裏もちゃんと見てるっていう。アユニ(・D)さんは、本当に吸収力が半端ないというか。普通、「自分はこうだ!」っていうプライドみたいのがあって、人の話とか、人から教えてもらったアドバイスとかを、聞いているつもりでも聞き入れられないみたいなことがあると思うんですけど、そういうところが全然なくて。本当にいいと思うことを、どんどん取り入れていこうっていう、いい意味であまりそこのプライドがないところがある。だから、まだまだすごく伸びしろがあるなと思って。

――アユニさんには、いろんなことにトライしてみる、チャレンジングな姿勢が特にあるんですね。

モモコグミカンパニー:(セントチヒロ・)チッチは本当に包容力がありますよね。そこにいるだけで安心感があって、ずっしりしている感じ(笑)。そこは、自分にはない部分だなと思うので、すごく助かっていますね。リンリンは、リンリンもちょっとハシヤスメと似ているんですけど、「自分がイヤなことは本当にやらない」とか、自分の中にこだわりがあるので。仕事でも自分の好きなこととか、これはちゃんとやると一度思ったら、ものすごく時間をかけてやったりとか。やらないこととやることの強弱がすごくはっきりしていて。

――そうなんですね。

モモコグミカンパニー:リンリンは、なんか生きるのが楽しそうだなと思います(笑)。

――そういう意味では、BiSHはタレントの集団ですよね。それぞれ違うタイプの才能の持ち主で構成されていて。

モモコグミカンパニー:解散がやっぱり契機だったというか、解散することが決まってから、グループの中で「自分が自分が」ってなっていたのが、周りがもっとちゃんと見えるようになって、純粋にメンバーのソロ活動とかも応援できるようになったし。

――それは解散が決まって、ようやくですか?

モモコグミカンパニー:昔から周りのメンバーが頑張っているから、自分も頑張んなきゃっていうのはあったけど、やっぱり解散することが決まってからのほうが、よりメンバーを応援できるようになったというのはありますね。

――まだ世間に発表する前の段階で、解散することがわかっていながらの活動は苦しくなかったですか?

モモコグミカンパニー:う~ん、私は逆に、終わりがあるんだってわかってからすごく肩の荷が下りたというか。 BiSHって、だんだん世界に知れ渡るようになっていって、でも「この人気っていつまで続くの?」と思う部分もあって。人気がなくなることに対しての怯えとか、そういうのを抱えながら生きていた心がスッと楽になって。あとは、終わりに向かって突っ走ればいいだけなんだって。もちろん解散は悲しいですけど、私は前向きになれましたね。

(後編に続く)

モモコグミカンパニー

レイヤーしたニットのワンピース(上)¥132,000、レイヤーした ジャカードのワンピース(下)¥54,450、エプロン¥63,800、メリージェーン¥49,500/以上すべてrurumu:(rurumu: ✉contact@rurumu.jp)、イヤリング 参考商品、リング 参考商品/以上すべてMalcolm Guerre(Malcolm Guerre  www.malcolmguerre.com) 、その他/スタイリスト私物

Profile/モモコグミカンパニー
“楽器を持たないパンクパンド”BiSHのメンバーで、「あまのじゃく担当」。これまで『目を合わせるということ』『きみが夢にでてきたよ』という2冊のエッセイ集を上梓。今回、長編小説『御伽の国のみくる』で待望の小説家デビューを果たした。グループとしては、2022年12カ月連続リリース発売中で、第5弾シングル「LiE LiE LiE」が5月11日に発売となる。また、BiSH初の主演オムニバス映画『BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK’N’ROLL』も6月10日より全国公開される。
モモコグミカンパニー公式Twitter
モモコグミカンパニー公式Instagram

御伽の国のみくる

『御伽の国のみくる』(河出書房新社)¥1,375/発売中

アイドルの夢破れ、メイド喫茶でバイトの日々。裏切り、妬み、失望の果てに、友美が見つけた答えとは? 大人気グループBiSHのモモコグミカンパニーが贈る、感動の小説デビュー作!

写真_高橋 葉
スタイリング_庄司洋介
インタビュー&文_熊谷洋平

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