【ブレイキンの“レジェンド”AMI&Shigekixインタビュー】Red Bull BC One、パリオリンピックを経験した彼らが語るブレイキンの未来とは?
執筆者: ライター/黒川すい
B-Girl・Amiに聞くブレイキンの魅力とは?
──Amiさんにとって『Red Bull BC One』を一言で表すと何ですか?
Ami “夢のステージ”です。あのステージで自分の踊りをすることに意味があると思っています。憧れているB-Boy、B-Girlも多いですし、自分のもちろんそのうちの一人なので、Red Bull BC Oneは特別です。
──今回はブラジルでの開催となりましたが、大会の雰囲気はいかがですか?
Ami キャンプの会場がすごく好きです!Red Bull BC Oneらしいかっこよさもキープしつつ、南国っぽい木があったりとリオっぽい雰囲気も感じられますね。お客さんを取り込んでみんなで盛り上がれるようなステージの作り方も、さすがBC Oneだな!と思いました。私は今回観客側ですが、すごく楽しんでいます。
──ワークショップに参加した感想を教えてください。
Ami 昨日12/6、フットワーカーズというバトルに出ていたんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです!空調の効いていない部屋で、汗だくになりながらみんなと踊って、勝ち負けじゃないブレイキンの楽しさを体感できました。
Ami ほかにもビーチサンダルを履きながら戦うワークショップなどいろいろありましたが、ブラジルらしい文化が随所に織り交ぜられていて。フェスティバル感にワクワクしました。
──今回の参加ダンサーの方たちの印象はいかがですか?
Ami 毎年ではありますが、やっぱりギュギュッと実力のあるメンバーが集まっている印象です。Red Bull BC Oneはいろんな人が目指しているものなので、レベルが本当に高いです。World Finalもすごく楽しみですし、みんなここまですごく練習してきていると思うので、ベストなムーブをステージで出し切れたらいいなと思っています!
──ちなみに2024年はパリ五輪でもブレイキンが取り上げられ、大きな話題となりました。競技化されたブレイキンとは異なり、Red Bull BC Oneはカルチャー的な側面も大きいかと思いますが、その違いや魅力はどのように考えていますか?
Ami 自分のスタイルをしっかり表現するという意味で、正直、踊る本人たちがやることは何も変わらないのかなと思います。一方で、ジャッジの仕方はやっぱり違いますね。Red Bull BC Oneは点数制ではなく、審査員たちのハンズアップで勝敗が決まるので、ある種の曖昧さがあって。でもその曖昧さのおかげで、ブレイキンのアートな部分がより際立っている印象です。あとRed Bull BC Oneは毎年ブラケットの組み方が変わるのが面白いポイント。一発目から最終決戦のようなバトルが観れることがあるので、“この組み合わせのバトルが観たかった!”という観戦者側の気持ちを満たしてくれるのが、面白いところです。
──Red Bull BC One World Finalで注目しているポイントがあれば、教えてください!
Ami ここまでで会場の温かさをすごく感じたので、World Finalになっても会場を味方につけることが重要になってくると思います。観客を味方につけて楽しく踊ることができている人たちが、いつも以上の力が発揮できるんじゃないでしょうか。一人一人のパフォーマンスはもちろん、会場とのマッチも楽しみにしています。
──最後に、今後のブレイキンの未来、ご自身のダンサーとしての今後の目標などについて伺いたいです。
Ami オリンピックの種目になってもならなくても、ブレイキンが好きな気持ち自体は変わりませんが、私自身パリ五輪を通して学んだことも多いです。カルチャーだけのブレイキンでは見られなかった景色がたくさん見られたので、自分の次の世代の子たちにそういうチャンスがなくなってしまったことは残念だなと感じています。だけど、ブレイキンはオリンピックがすべてではありません。Red Bull BC Oneをはじめ、カルチャー職の強いかっこいい大会がたくさんあるので、これからも今まで通り、楽しくブレイキンのシーンを盛り上げていきたいです。
この記事を書いた人
アパレル業界に勤めた後、フリーライターに。ファッションはもちろん、グルメ、エンタメ、お出かけ情報など幅広いジャンルの執筆経験あり。ウェブを中心に活動中。趣味はアートトイの収集や喫茶店巡り、読書。
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