「いつか崇拝されるようなダンサーになりたい」avex ROYALBRATS・JUMPEIが今シーズンD.LEAGUEで考えていること変幻自在な作品作りがチームの武器
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
今シーズンも熱戦が続く日本発のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」。このなかでクールなヒップホップから「掃除」や「お正月」などのユニークなテーマまで、幅の広い表現を魅せてくれるチームがavex ROYALBRATS。リーグ発足5年目となる24-25シーズンは、念願のレギュラーシーズンとCS両方の制覇を目指す。そのクリエイションの裏側について、チームをまとめるリーダー・JUMPEIを直撃した。
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D.LEAGUEで磨かれた感覚
――まずは今シーズンいかがでしょう?
JUMPEI:新しいジャッジ項目の「シンクロパフォーマンス」に対しては昨シーズンからずっと得意というか、チームの特色がもはやシンクロだったので心配していませんでした。ただ「エースパフォーマンス」は、これまでソロを入れないショーケースも作っていたのもあって、大変かなと。今はいろいろなものを投げて、自分たちのスタイルと今回のジャッジが合うかどうかを確かめている感じです。まだ掴みきれていないというのが本音ですね。
――ROUND.3でのSWEEP(完封)勝利とMVD獲得は、序盤に掴んだ手応えだったのでは?
JUMPEI:あれはよかったです。まさか自分がエースで会場が沸くとは思っていなかった(笑)。自分が出てきたときにファンの方からの声援をもらうことはありましたが、ソロの途中で盛り上がることは少なかったので、「今日は調子いいな」と感じていました。
――avexのショーケースはユニークなコンセプトが特徴的です。それらが作られる過程について教えてください。
JUMPEI:前シーズンは全員で話し合いながら作っていましたが、今シーズンは分担して作っています。最初にテーマや土台を作る人がひとりかふたりいて、そのまま彼らが振りを付けるときもあるし、別の人が考える場合もありますね。誰かが仕切るパターンは全員の負担を減らせるし、今のところ上手くいっている気がします。
僕とKooDaで担当したのがROUND.2。当初はROUND.1で披露する予定でしたが、ROUND.2のValuence INFINITIES戦でパフォーマンスしました。その日のトップバッターだったのもあり、もともと楽しい質感が合うと思ったんですよ。
――avex ROYALBRATSのチームの持ち味をどう考えていますか?
JUMPEI:いろいろな見せ方ができるチームですね。ダンスのスタイルもヒップホップにがっつり寄るときもあれば、きれいめな感じやエンタメ要素、ハウスの要素もあったりとか。作品によってダンスは変えても、自分たちの色は忘れないチームだと思ってます。
――ディレクター・Yuta Nakamuraさんのディレクションについては?
JUMPEI:シンプルにすごいですね。「明るいのもエンタメだけど、真剣に暗い作品を演じるのもエンタメ」とよく話してくれます。あとは視野が広いんですよ。「次にこの動きを入れるから、それを入れると意味が通らなくなる」とか「こういう見せ方をしないと気持ちいい流れにならない」、「それだと踊りすぎ」などアドバイスが的確。彼のディレクションが入ることで、ショーケースのバランスがよくなるんです。
――今年でD.LEAGUEに参加してから4年目になりますが、チームの成長を感じていますか?
JUMPEI:Yutaさん主導での制作を間近で見てきたのが僕やMATSURI。今はそこで得たものをベースにやりたいことを形にできるようになってきたし、表現の手数も増えた気がします。あと今シーズンは準備期間に余裕を持って作るようになりましたね。昨シーズンは数試合分は制作に余裕を持っていたものの、結局は前日や当日の完成が多かったので。ずっとリーグには月1試合にしてほしいと思ってるんですよ(笑)。でもみんな頑張ってます。
――個人としての成長はいかがでしょう?
JUMPEI:作品作りは上手くなったと思います。もともと僕はバトラーで振りを作るのは得意でしたが、ショーケースの経験がなくて。でも4年の経験と他チームのダンスも観たことで、何がよくて何が悪いかという感覚は磨かれたのかなと。
自分が作ったショーケースだと23-24シーズンのROUND.12「sick」は自信作です。それ以外なら、21-22シーズンのROUND.3「Slow down babe」や「Chop Suey Freestyle」はダンスとエンタメのバランス、オチまでがマッチした素晴らしい作品。今でも心に深く刺さっています。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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