【高速道路の「SA」と「PA」の違い】“衝撃の”定義や設置目安を自動車ライターが解説
執筆者: 自動車ジャーナリスト/西川昇吾
高速道路にあるサービスエリアとパーキングエリア。どちらも高速道路走行時のトイレ休憩などに欠かせない施設です。ですが、いまいち違いが分からないという人もいるのではないでしょうか?そこで今回はサービスエリアとパーキングエリアの違いについて解説!これを知っておけば高速道路でのドライブがより楽しく、快適になるはずです。
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サービスエリアとパーキングエリア、それぞれの定義
何となくのイメージとして「設備が充実しているのがサービスエリア、設備が簡素なのがパーキングエリア」と思っている人も多いことでしょう。そのイメージは、ほとんど当たっています。
まず、全てのサービスエリアとパーキングエリアに用意されているのが駐車場とトイレです。言い換えれば、この2つがパーキングエリアとしての最低条件と言えるでしょう。パーキングエリアには自動販売機が設置されていたり、売店がある場所もありますが、こちらは必ずあるわけではありません。パーキングエリアはドライバーが必要としているサービスを提供する施設で、疲れや緊張を取るために提供されている休憩施設となっています。
対して、サービスエリアは人とクルマが必要としているサービスを提供している場所とされています。パーキングエリアはドライバーに対してのサービスとなっていますが、サービスエリアにおけるサービスは「人」と「クルマ」が対象となっています。つまり、ドライバー以外の同乗者に対してもサービスを提供しているのがサービスエリアなのです。売店やレストランが人に対してのサービスと言えます。クルマが必要としているサービスとして具体的な点で言えば、ガソリンスタンドが挙げられます。しかし、これらはケースバイケース、すべてのサービスエリアに用意されているというわけではありません。パーキングエリアと異なり、構成要素の最低条件が曖昧なのがサービスエリアなのです。
明確な違いってあるの?
「えぇっ!サービスエリアとパーキングエリアの違いって曖昧なの?」そんな声が聞こえそうですが、一つ明確な違いがあります。それは距離です。路線によって若干違いがあったりしますが、パーキングエリアは15キロ間隔に一つ、サービスエリアは50キロ間隔に一つ設置されることが目安となっています。
新しく高速道路の路線を建設するときは、サービスエリアとパーキングエリアの立地条件も考慮されていて、どこのポイントにサービスエリアを作るのか?パーキングエリアを作るのか?といった部分も計画に含まれています。
豪華なパーキングエリアもある!
「豪華なサービスエリア、簡素なパーキングエリア」という皆さんが持っているであろう、基本的なイメージは合っています。しかし、立地条件などが良いために賑わいを見せて、その反響を受けて徐々に豪華になっていったパーキングエリアがサービスエリアへと名前を変更することはありません。このあたりがサービスエリアとパーキングエリアの違いを曖昧に感じさせる部分と言えます。
「パーキングエリア」という名前なのにもかかわらず、豪華な設備となっているパーキングエリアはいくつか存在します。その代表例の一つが伊勢湾岸自動車道の刈谷パーキングエリアです。高速道路からアクセスできるのはもちろんですが、一般道からもアクセスできるようになっています。また、高速道路を運営しているNEXCO(ネクスコ)が定義する「高速道路を出ることなく、公園などの潤いスペースを利用できる施設」であるハイウェイオアシスにもなっているんです。
そんな刈谷パーキングエリアにはレストランやガソリンスタンドといったサービスエリアでは定番である施設はもちろんのこと、天然温泉や観覧車、さらには子供が楽しめるアトラクションが用意された岩ヶ池公園なども併設されていて、家族で一日楽しめるようなパーキングエリアとなっているのです。
このように探してみると「豪華なパーキングエリア」があるのも面白いポイント。高速道路を使った旅行時には、「設備が豪華そうだから」という安直な理由でサービスエリアだけに立ち寄るのではなく、事前に下調べをして豪華なパーキングエリアに立ち寄るもの面白いと言えます。
もちろん、平均的なサービスエリアよりも設備が豪華なサービスエリアもあるので、事前に高速道路を走るときは、どんなパーキングエリアorサービスエリアがあるのかをチェックしてから出発するのがオススメです!
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この記事を書いた人
老け顔が目印の若手自動車ジャーナリスト(1997年式)。WEB媒体から老舗自動車雑誌まで、あらゆるメディアで自動車に関する記事を執筆している。新車情報はもちろん、自動車に関するアイテムや文化、イベントの取材記事も手掛けるほか、車両紹介動画でMCを務めることも。自身でレースにも挑戦していて、運転技術の鍛錬も忘れない。「書けて、喋れて、走れる自動車ジャーナリスト」目指して奮闘中。
Instagram:@s.nishikawa_1997
Website:https://smartmag.jp/
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