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今話題の「卵子凍結」とは?費用、メリット・デメリット、妊娠率は?【産婦人科医が徹底解説】指原莉乃、3時のヒロイン・福田麻貴など有名芸能人も実践

執筆者: ライター・エディター/鈴木恵理子

「卵子凍結」のメリット・デメリットは?

《メリット》

卵子の老化を防げる
若い年齢の卵子を凍結保存することで、卵子の老化を止め、妊娠しやすい状態を維持できます。

精神的な安心材料になる
卵子凍結により妊娠の選択肢が増え、仕事やパートナー探しに焦ることなく取り組めます。

病気に備えられる
年齢とともに増える子宮や卵巣の病気のリスクに備え、卵子を凍結保存することで将来の妊娠に備えられます。 

《デメリット》

体への負担
排卵誘発剤による副作用として、腹痛や腹部の膨満感を伴う卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があります。また、採卵時に下腹部の痛みや出血などの症状が出ることもあります。

妊娠の保証はない
卵子凍結は100%の妊娠を保証できるものではありません。

妊娠年齢の高齢化によるリスク
妊娠年齢が高齢になることで、妊娠時の高血圧や糖尿病の合併症が増加するリスクがあります。

経済的負担
卵子凍結には経済的な負担が伴います。長期保存にも継続的な費用が必要です。

「卵子凍結」にかかる費用は?

クリニックによって費用は異なりますが、グレイス杉山クリニックの例をご紹介。

卵子凍結パッケージプラン:¥380,000(税込 ¥418,000)
プランに含まれる内容
・排卵誘発剤
・局部麻酔
・採卵費用
・凍結費用
・初年度保管費用

 追加費用
・初診料・スクリーニング代:¥20,000(税込 ¥22,000)
・全身麻酔を行う場合:¥50,000(税込 ¥55,000)

 2回目以降の採卵費用
・卵子5個以下:¥250,000(税込 ¥275,000)
・卵子6個以上:¥300,000(税込 ¥330,000)

 当院での保管プラン(2年目以降)
・1~3個:¥33,000(税込)/年
・4~6個:¥66,000(税込)/年
・7~9個:¥99,000(税込)/年
以降、3個ごとに¥11,000(税込)/年

※凍結した卵子の保管費用は2年目以降に発生します。1年目の保管費用はパッケージプランに含まれています。

Grace Bankでの保管プラン
グレイス杉山クリニックは凍結卵子の保管専門サービス「Grace Bank」と提携しています。

「Grace Bank」は、提携先である株式会社ステムセル研究所の23年無事故の保管施設にて、最新のモニタリング機器と厳重なセキュリティ設備で大切な卵子をお預かりします。料金は卵子15個までの保管が1ヶ月あたり3,208円~。「年払い」と「月払い」の2つのプランからお選びいただけます。
https://gracebank.jp/price/

 男性にも知ってほしい「卵子凍結」の世界

Q.1 男性が知っておくべきポイントは?

A.1  卵子は精子と違って、新しく作られることがありません。女性は生まれ持った卵子を持ち、年齢とともにその数がどんどん減り、質も低下します。そのため、出産に関しては女性の年齢を考慮する必要があります。卵子凍結は、将来の妊娠・出産を考えたいけれども、今すぐには難しいという女性が、将来的に子どもを持つ可能性を高める技術です。40歳以上になると、たとえ不妊治療をしても妊娠が難しい場合が多く、男性もその現実を理解することが重要です。男性も年齢が上がると精子の質が低下するため、ライフプランを考える際には自分の年齢も考慮に入れる必要があります。

Q.2 パートナーから「卵子凍結しようかな?」と言われたら、どうすべき?

A.2 パートナーから卵子凍結の話が出たら、しっかり耳を傾けましょう。女性がその考えを持った背景を理解し、たとえ答えにくい内容でも率直に向き合うことが大切です。妊娠・出産は女性にしかできないことであり、WHOが提唱する「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR)」に基づき、男性は女性をサポートする役割があります。卵子凍結を考えている理由をしっかり聞き、自分の立場や考えを共有しましょう。もしかしたら、彼女は具体的なサポートを求めているわけではなく、将来についての話し合いを望んでいるだけかもしれません。コミュニケーションは結婚前でも後でも重要。結婚はゴールではなく、お互いのライフプランや家族計画について20代から話し合っても良いのです。プレッシャーに感じる必要はないので、彼女の考えや背景を理解し、自分の考えと照らし合わせて話し合うことが、良い関係を築くための第一歩です。

Q.3 ありがちな勘違いは?

A.3 将来的に子どもを望んでいて、パートナーが明確な場合は、卵子凍結ではなく「受精卵凍結」が適切です。受精卵は女性の卵子と男性の精子を合わせたものであり、これを凍結することが可能です。受精卵の方が妊娠率が高く、確実性があります。また、手順に関しても、女性はほぼ卵子凍結と同じ負担を負います。

岡田院長が在籍する「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」

今話題の「卵子凍結」とは?費用、メリット・デメリット、妊娠率は?【産婦人科医が徹底解説】

明るく開放的なカフェのような空間が広がり、吹き抜けから日の光が差し込むクリニック。若い世代の女性の健康管理や必要な知識を提供し、女性やカップルが気軽に立ち寄れる場所を目指している。

住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti SHIBUYA 5F
電話:03-6427-5670
診療時間:月・水 8:30-12:30/15:00-19:00
火・木・土 8:30-12:30/14:00-16:00
金 8:30-12:30/14:00-17:00
※祝日のみ9:30-12:30
休診日:日曜
URL:https://grace-sugiyama.jp/

いかがでしたか? 卵子も精子と同じく、新たに生成されると思っていた人もいたのではないでしょうか? 卵子は生まれたときから増えることはなく、むしろ月経によって減少していくことを覚えておきましょう。次回は、「精子凍結」について紹介したいと思います。

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  • 産婦人科専門医 岡田有香先生
  • 女性の年齢の変化による卵子の数の変化
  • グレイス杉山クリニックSHIBUYA

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この記事を書いた人

11年間の編集プロダクション勤務を経て、2011年よりフリーランスに。雑誌やムック、ウェブなどで、ヘアやビューティページを中心に活動中。暮らしに役立つ実用系やメンズのビューティ記事の経験も豊富。好物は古物や古道具。

Website:https://smartmag.jp/

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