【お絵かきボカロP・きさらインタビュー】イラストと音楽が交わり広がるクリエイションの源に迫る！

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かわいいイラストとウェルメイドなポップサウンド！お絵かきボカロP、きさらさんがsmartに登場。そのかわいいサウンドのルーツとボーカロイドたちに注ぐ愛情を語っていただきました。

かわいいイラストとポップなサウンドでボカロの魅力を引き出す

――お絵かきボカロＰとして活動中のきさらさん。活動を始めたきっかけは？

きさら　幼稚園の頃から絵をずっと描き続けてきて、学生の頃にイラストを載せるホームページを作ったことがきっかけでネット活動を始めました。音楽は小さい頃にピアノを習ったり、吹奏楽部に入ったりしてきたんですが、楽曲を作って投稿するようになるのはネット活動を始めたあとで。2017年あたりからSoundCloudやSNSにインスト曲（ボーカルなしの楽曲）を載せてました。

――初音ミクを使ったボカロPデビュー曲「ルナリウム」は2018年の投稿ですね。

きさら　もともとボカロ曲やボーカロイドのキャラクターが好きで。いつかボカロ曲を作ってみたいなって思っていたんです。ただボーカルをのせる曲を作るのは難しいなと思っていたので、最初は短いインスト曲を作って。何曲か作っていくうちに2分を超える曲が作れるようになったので、そこからボカロ曲に挑むことにしました。

――影響を受けたアーティストはいますか？

きさら　イラストレーターでは△○□×（みわしいば）さんとアルセチカさんが好きです。おふたりともかわいらしいイラストを描かれるんですが、ボカロ曲のMVを手がけるときは楽曲に合わせて雰囲気をがらりと変えていらっしゃるのがすごいなと感じています。音楽に関しては『星のカービィ』と『風のクロノ
ア』というゲームのBGMが昔からすっごく好きで。そのBGMのアレンジやメロディラインはすごく影響を受けていると思います。

――吹奏楽部にいらしたときに、作曲の勉強はされていたのでしょうか。

きさら　当時は意識していませんでしたが、吹奏楽部で映画音楽やポップスなどいろいろな曲を演奏する中で、自然と身に付いていきましたね。私は打楽器担当でした。

――いまはどうやって楽曲を作っているのでしょうか？

きさら　普通の人は歌いながらだったり、楽器を弾きながら作ることが多いんだろうと思うのですが、私はメロディが頭の中に浮かんだら、まずiPhoneのメモ帳に「ドレミ〜」とメロディを文章で書き起こすんです。鼻歌で歌うのは苦手だし、楽器で弾くとその音に引っ張られてしまって編曲が考えにくくなっちゃうんですよね。ドレミで書いておけば、あとで編曲を考えやすいし、いつでもメモをしやすい。歩いているときとか、音楽に関係ない作業をしているときとかに、良いメロディが浮かぶことが多いですね。

――ボーカロイドに歌わせる面白さとは？

きさら　私はゲームやアニメがずっと好きだったので、ボーカロイドは2次元のキャラクターとして好きなんですね。かわいいキャラクターに歌ってもらえるというところがまず魅力です。その歌い方も自分なりにかなりカスタマイズすることができて、初音ミクの声もボカロPによってすごく違う声になるので、そういう自分なりの声を作れるところにも楽しさを感じています。今後機会があれば、まだ扱ったことのないキャラにも挑戦してみたいですし、引き続き唯一無二の歌声を追求していけたらと思っています。

――きさらさんはトークロイドとして、ボーカロイドのトーク配信もされていますね。

きさら　普段ボーカロイドたちがどんな会話をしてるんやろ？ っていつも妄想しているんです。それを実際に音声で聞いてみたくなって。トーク動画で喋っていた子が楽曲を歌っている、という風につなげて楽しんでもらいたいです。

――2023年12月に開催された「初音ミク16周年記念1枚絵動画投稿祭」では「起きたら16時/きさらfeat 初音ミクV2」が3位にランクイン。手ごたえはいかがでしたか？

きさら　こんなに順位が上がるとは思っていませんでした。この曲は自分のダメなところを書き出して、いましめのつもりで作った曲だったんです。そんなネガティブな歌詞に対して、楽曲はのんびりしたボサノバ調で始まる明るい雰囲気なので、かわいい・癒やされるという感想を多くいただけて。緩やかな曲でも注目してもらえたのは、これまで自分の積み上げてきたものがつながっているように思えて嬉しかったですね。

『起きたら16時 /きさら feat. 初音ミクV2』1枚絵によるMVを投稿し、その人気をランキングする「初音ミク16周年記念 1枚絵動画投稿祭」できさらさんは注目を集めた！

――きさらさんが今後、お絵かきボカロPとしてやってみたいことを教えてください。

きさら　これからも引き続き音楽にもエンタメ系動画にも力を入れていって、みなさんにボカロをもっと身近に感じてもらえるようにしたいなと思っています。ほかのボカロPさんや演奏者さんとコラボをしたりして広く活動していきたいですね。あと、いつの日か吹奏楽や打楽器など、自分のルーツとなった器楽演奏とがっつりコラボして楽曲を作ることができたらいいなと考えています。