【ビームス社員のお洒落部屋】古き良きものを取り入れる丁寧な暮らし
執筆者: smart編集部アシスタント/杉野悟史
4月から始まる新生活に向けて家具をそろえたり、衣替えをしたり準備をするこの時期。せっかく新しい暮らしが始まるなら、お洒落で心地の良い部屋に住みたいものです。今回は3回に分けて、日本を代表するお洒落集団であるビームス(BEAMS)スタッフのウェルビーイングな暮らしをご紹介!2回目の今回は、古き良きものを愛用し、日々の生活に取り入れながら暮らす人たちをご紹介します。
※この記事は『BEAMS AT HOME For Wellness In Life』に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。
目次
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流行り廃りのないスタイルに魅了され。
フェニカ バイヤー/渡辺 翼さん(30歳)/神奈川県横浜市
白のメラミン化粧板とパイン材の組み合わせに、チェックのファブリックを配したデザインが新鮮なヴィンテージデイベッド。どんなに忙しくても、そこでくつろぐ時間は欠かせない。
パートナーの先輩が、手放さなくてはいけなくなったBruno MathssonのEVAを譲ってくれた。好きなものを譲るなら、そのよさをわかって大切にしてくれる人に譲りたい。
牛の尿を活用した100%天然成分の消臭液きえ~るは、アンモニアなどの不快な臭いだけを消してくれる優れもの。ペットや赤ちゃんがいても安心して使える。
50年以上前にインドで作られたというランプを古道具屋で発見。もともとウォールランプだったものが、置き型に形を変えて使い続けられている。
引っ越しでサイズの合わなくなったカーテンをビームス工房に持ち込んでお直し。余った生地は友人の手でティッシュカバーに生まれ変わった。
休日は、太陽の日差しを感じながら自転車にまたがり、近所をぶらぶらしてリフレッシュ。最寄りのカフェや駅への移動には、いつも自転車を活用している。
革靴は、一度買ったら手入れをして長く愛用する。なかには10代で購入したものも。茶と白のチロリアンシューズは、雨の日でも履くなど使い込んでいるが、まだまだ状態がいい。
ネジや接着剤を使わず組み立てる、松本民芸家具のロッキングチェア。時間の経過とともに味わいが増すのも楽しみだが、気になる傷などは修理も可能。
10代の頃にDavid Hockneyを思わせる青色が気に入り購入した、イギリス軍のホスピタルジャケット。最近、古書店で目にした本の表紙で思い出し、クローゼットから引っ張り出して改めて愛用中。
天然の素材にこだわるブランドEatable of Many Ordersの、アーカイブアイテムをアップサイクルしたハンドバッグは、手が加えられてさらに独創的な形に。
「いいものを大切に長く着る」
その考えがサステナビリティの原点
憧れだったバイヤー職を昨年から担当することになり、尊敬する先輩たちのそばで、学びと刺激に溢れた日々を送る渡辺さん。地元北海道の洋服屋で働いていた10代の頃から流行り廃りのないスタイルに魅了され、今では家具もワードローブも思い入れのあるアイテムばかり。これからも10年、20年と愛用していけるのは、長年培われてきたもの選びの感性あってこそ。
――サステナビリティを意識し始めたきっかけは?
BEAMSに入社し、fennicaで働き始めてライフスタイル提案や民藝について考えるようになり、サステナブルということも自然に意識するようになりました。
――サステナビリティについて、影響を受けたものごとを教えてください。
学生時代にアルバイトをしていた洋服屋の、いいものを大切に長く着るというコンセプトに、大きな影響を受けたように思います。
――サステナビリティ/環境を配慮して始めた習慣や見直したこと、使い始めたアイテムはありますか?
北海道の北見市で生まれた、きえ~るという消臭剤を愛用中です。酪農業が盛んな北見市では、牛の糞尿の処理に困っていたそうなんですが、牛の尿をきえ~るの原料として活用することで改善できたそうです。自分が北海道出身ということもあり、このアイテムとの出合いがサステナブルを改めて意識するきっかけになりました。
――日常を心地よく過ごすために、どのようにリフレッシュしていますか?
お気に入りの器を使って食事を楽しむことです。お米が好きなので必ずストックしています。
――ファッションや衣服について、サステナブルな行動を心がけていることはありますか?
飽きがこない定番アイテムを選ぶことが多いので、クローゼットの8 割は流行が変わっても着続けられるものだと思います。なので、アイテム選びにはかなり気をつけています。
――家族や友人、先輩など、身近な人から譲り受けたアイテムはありますか?
販売スタッフだった数年前のある日、fennicaのディレクターから「これ似合いそうだからあげるよ」と、さらっといただいたDer SAMMLER soloのレザーフライトジャケットです。これからも大切に着ていきたい一着です。
祖母から母へ、母から自分へ
ビームス 二子玉川/宮本 瑞希さん(23歳)/東京都杉並区
福岡県出身の宮本さん。本人も一緒に暮らしているパートナーの地元も郊外で、畑が多い土地柄なこともあり、家庭菜園をやってみたかったという彼女にとって、部屋選びの決め手となったのがこの庭。オクラ、ミニトマト、キュウリ、ナスなどたくさんの野菜を育てている。
環境問題への意識、関心の高いパートナーの提案で使い始めたという、環境に優しいプラスチックフリーの竹歯ブラシ。留学先のオーストラリアで、歯ブラシのゴミ問題に関するニュースをネットで見て問題意識が高まったという。
お祖母様も、お母様も服が好きだという宮本さんファミリー。このベストは、お祖母様が若い頃に手作りしたもので、宮本さんが大学に入学したタイミングで譲り受けたという。お祖母様は福岡県で服のショップも構えていたほど、服が好きだったという。
このケースにあるほとんどがおさがりだという、母からもらったアクセサリーたち。「私がもらいたいと言うと、母はとっても喜んでくれるんです。今日身に着けているリングは特にお守りで、左手の中指にはめているものは、祖母の結婚指輪を母へ、そして私へと受け継いだものなんです」と笑顔で話す宮本さん。
使い終わった牛乳パックや食品トレイは、近所の西友のリサイクルボックスまで持っていってリサイクルに回す。回収品を入れているBAGGUのエコバッグは丈夫で収納力もあり、コンパクトに畳めるのでとても便利。好きな海外アニメ『The Simpsons』柄で楽しくリサイクル。
祖母から母へ、母から宮本さんへ受け継がれ、着続けられている赤いニット。毎年末に実家に帰っているほど、地元が大好きな宮本さん。昨冬に帰省した際に、母のクローゼットにあるこのニットを指して「これ持っていくね」と言うと、母は快諾してくれたという。
この部屋に引っ越してから、リラックスタイムとしてキャンドルを焚いてテレビモニターで映画を観始めたという宮本さん。「火の温かい光がとても好きで、焚き火の映像を暗闇の中でただ流して、音とともに楽しんでリラックスしていることもあります」
ヴィンテージショップを巡ることが好きな宮本さん。上の写真のフレアジーンズは、渋谷aNiKiで購入。バックのスターマークが好きなポイントで、オーストラリア留学中にも「それどこのパンツ?」とみんなに聞かれたという。この写真のニットは、以前原宿にあったBoudoirで、移転前の最終日にかけこみ購入した。
留学先で起きた森林火災を契機に
「自分にできることを始めよう」
お祖母様の代から、お母親、そして宮本さんまで、家族揃って服が好きだと言う宮本さん一家。その影響もあってBEAMSに入社し、今でも古着屋に行くなどして服を愛する生活を続けている。その中で、服とも密接に関わる「環境問題」に対して関心を持つきっかけとなったのが学生時代のオーストラリア留学。現地滞在中に森林火災を目撃したことに危機感を持ち、生活レベルで取り入れられるサステナブルな行いに、日々取り組んでいる。
――サステナビリティを意識し始めたきっかけは?
学生時代にオーストラリアへ留学したことをきっかけにサステナブルに興味を持つようになりました。また一緒に暮らすパートナーの影響も大きいです。
――サステナビリティについて、影響を受けたものごとを教えてください。
一番影響を受けた出来事は、留学中に起こったオーストラリアでの森林火災です。この森林火災は、地球温暖化の影響で起こった出来事であり、日々のニュースでコアラやカンガルーなど多くの野生動物が犠牲になった映像を目の当たりにしました。これにより自分にできることを少しずつ始めようと思いました。
――サステナビリティ/環境を配慮して始めた新たな習慣や見直したこと、使い始めたアイテムはありますか?
毎日使用する製品を環境に優しいものや環境に配慮し作られた製品にするよう見直しました。特にプラスチック製の歯ブラシが世界中で毎年約50億本消費されているという記事を目にしてからは、竹歯ブラシを使用するようになりました。
――衣服を長く着るためのケアで実践していることはありますか?
日々のケアは怠らずにやっています。手洗い表記のお洋服は洗濯機で洗わずにお風呂に入るときに大切に手洗いしています。
――食生活において、サステナビリティを意識するようになったきっかけがあれば教えてください。
輸送中の排気ガスは地球環境に悪影響を及ぼすことを知り、それからは国産品の食料品を購入することを意識するようになりました。
――料理をする際、環境に配慮して実践していることはありますか?
野菜の皮や卵の殻などの生ゴミが家庭菜園の肥料として利用できることを知り、すべて捨てるのではなく再利用しています。
――自宅で調理して残ったものは、普段どうしていますか?食品ロスを減らすためにしていることがあれば教えてください。
ラップして冷蔵庫に保存したり冷凍したりするなどして別の日に食べます。夕飯の残りは次の日のお弁当に持っていくこともあります。
古民家で過ごす日々の暮らし
デミルクス ビームス 柏 ビーアットトーキョー/木村 寧音さん(27歳)/東京都台東区
地域密着型クラシファイドサービス・ジモティーで揃えたリビングの家具。基本的には新しいものは買わず、誰かが要らなくなったものを集めるようにしている。
定期的に兵庫県在住の祖父母や、自身や同居人の地元の滋賀県から送られてくる野菜や果物。いつも自然の豊かさを思い出させてくれるのは地元。送られてくると、同居人同士でよく分け合うのだとか。
幼少期から続けてきたバレエ。踊るときに使用するトウシューズは、長い間ともに歩んできたアイテムのひとつ。息抜きとして休日に踊ることは、心を豊かにしてくれるもの。
現在の同居人の勧めもあり、谷中にひっそりと建つ古民家に一緒に住み始めることに。自室での備え付けの窓から見える緑は、忙しない日々のなかで心を落ち着かせてくれる。
昔ながらの個人経営の古書店に通い文庫本を集めている。コピーライティング業をしている同居人と本を交換して感想を伝え合うのも、日常の楽しみのひとつ。
LUSHのスキンケアシリーズや固形石鹸は、使用済み容器を回収する取り組みに感銘を受けて日々使用中。環境にも肌にも優しく、すっかりとハマってしまったアイテム。
谷中エリアでは骨董品店が多く存在する。不要になった雑貨や家具を家の前に置いて自由に持っていってもらうことが盛んに行われているのも、この街の魅力的なポイント。
学生時代に通った古着屋で購入。ものに自身のストーリーを重ねていくという気持ちは、自然と大切に扱う行動へとつながる。
裁縫上手な祖母が作ってくれた
ニットやルームシューズを今も大事に
今年の5月から友人 2 人と一緒に古民家に住み始めた木村さん。ここでの生活をはじめ、家具・家電をリサイクル品やヴィンテージもので揃えているのは、一緒に暮らす友人の影響や、なるべく廃棄するものを少なくしたいという思いから。滋賀県の琵琶湖のほとりで、自然に囲まれて過ごした幼少期の経験、また兵庫県在住の祖父母が作ったお米や野菜・果物を食べて育ったことが、サステナブルへの意識に大きくつながっているそう。
――サステナビリティを意識し始めたきっかけは?
大学時代に友人からタンブラーをもらったこと。タンブラーを手元に置きながら授業に出席することが、なんだか大人になったような気持ちでうれしかったのを覚えています(笑)。そこから浄水ボトルも使用するようになりました。
――サステナビリティについて、影響を受けたものごとを教えてください。
サーフィンをしている先輩のヘルシーなライフスタイル。サステナブルブランドをいち早くチェックする姿に影響を受け、その後 stojoのマイカップをプレゼントしてもらったことが大きな出来事でした。
――日常を心地よく過ごすために、どのようにリフレッシュしていますか?
3 歳から20年ほどクラシックバレエを続けていたこともあり、社会人になった現在も踊ることを細々と続けています。レッスンや同期とスタジオを借りての踊る会は、日常にたくさんのインスピレーションを取り込むパワーチャージの時間です。
――ファッションや衣服について、サステナブルな行動を心がけていることはありますか?
洋服を重ねて楽しむことが多いので、数をミニマルに抑えられることもあり、シーズンレスで着用できるシャツや、インナーに使用できるような薄手のアイテムを集めるようにしています。
――家族や友人、先輩など、身近な人から譲り受けたアイテムはありますか?
祖母から代々譲り受けてきた振袖などの着物は、大切な日に着付けてもらう、思いが詰まったひと品です。
――衣服を長く着るためのケアで実践していることはありますか?
洗濯にこだわること。洋服を長く愛用するためにはとても大切だと、この仕事をする中で感じるようになりました。基本のようなことですが、服によって洗剤や洗濯方法を変えることで、まるで違う顔になるので、日々の積み重ねをひしひしと感じます。
――ずっと捨てずに大切にしているアイテムがあれば教えてください。
裁縫上手な祖母が、手編みで作ってくれたニットやルームシューズは、毎シーズンずっと大切に着用しています。
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この記事を書いた人
smart編集部アシスタントの杉野です!好きなものは旅とキャンプとコーヒー!(たまにコーヒー屋さんでも働いてます) 家で文鳥を飼っているので、休日は文鳥と遊ぶか日本橋あたりを自転車でうろうろしています。
Instagram:@omsatoshiva
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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