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“元祖筋肉系YouTuber”ぷろたんからの金言「知らない人に見てもらうためには主観と客観の2者視点で動画を作ることが大切」【VAZによるVAZらせ講座 第2回】

“元祖筋肉系YouTuber”ぷろたんからの金言「知らない人に見てもらうためには主観と客観の2者視点で動画を作ることが大切」【VAZによるVAZらせ講座 第2回】


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連載VAZによるVAZらせ講座

“元祖筋肉系YouTuber”ぷろたんからの金言「知らない人に見てもらうためには主観と客観の2者視点で動画を作ることが大切」【VAZによるVAZらせ講座 第2回】

大手YouYuber事務所であるVAZとの連載インタビュー企画。第二回は前回学生時代の栄光と挫折、そしてターニングポイントとなったVAZ前社長とのセンセーショナルな出会いを語ってくれたぷろたんさんのインタビュー後編(前編はこちらから)。実践編である今回は、実際に動画作りの詳細について語ってくれました。これから動画クリエイターを志す人にとって、ベテランYouTuberの視点は目から鱗(うろこ)のはず。また、クリエイターとしての心持ちも多く学べるはずなので、ぜひご一読を!

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【企画構想】独りよがりな面白さではなく
傾向と経験則から面白さを研究

――さて、それでは実際に動画を作る際のポイントについてお伺いしていきたいのですが、まずは企画についてはどのように考えられているんですか?

ぷろたん「企画は基本的に僕一人で考えているんですが、考えているのは至ってシンプルです。“面白いかどうか”ですね。それも自分が観たいかどうかではなくて、あくまで世間から需要があるかを見極めること。とは言ってもコメント欄から採用するわけでもないんです。これまで1000本くらいは動画を出してきたのでその経験則だったり、実際に回転している(再生回数の多い)動画を定期的にチェックしてその傾向を探ったり。あくまで客観的に多く観られている、もしくは観られるであろうという視点で“面白さ”を測っています」

――自分主体のクリエイターが多いように思う中、ぷろたんさんはマーケットインな発想ですが、そうなっていったきっかけはあるのでしょうか。

ぷろたん「正直に言えば惨(みじ)めになった体験があったからでしょうね。良くも悪くもYouTuberって数字で測れちゃうんです。登録者だったり、再生数だったりで。たぶんそれでプライドがなくなったんだと思います。自分はできる人間だって見栄なんか張っちゃえば、結局アラが出ちゃうんですよね、僕の場合。自己肯定感も強いタイプではないし、“どうせ”的な感覚がずーっと心のどこかに住み着いているんです。でも、たまにその“どうせ”が隠れちゃって、大きく見せたり無理しちゃったりしていたんですけど、結局はどうもアラが出てしまう(笑)。要はそういう生き方が向いていないんです。それもあってか『自分が作るものが一番面白い』なんて思えたらいいんですけど、そう思うのもおこがましいかなって。今の生き方が楽しければよくて、目立ちたい、有名になりたいって承認欲求はあるんですけど、自分自身でコントロールできるメンタルの落としどころが掴め始めたのは30代になってからかな」

――つまり、YouTubeを始めた頃と現在とではかなり心境に違いがあると。

ぷろたん「そうですね。思えば10年以上もこの業界にいられたので。昔は、恥じらいとかはなかったですね。だから女装とかできていたんだと思います(笑)。ただ30代を迎えて年齢や立場、あとは視聴者さんもだんだん大人になってきたんですよね。今は僕と同じ世代の方々が多く観てくださっているみたいで。そうなると、無鉄砲なことを心の底から楽しんでいるかと言われると疑問に思うことが増えてきて。どこか線引きというか、良くも悪くも落ち着いたように思います。それも昔に比べれば、ですが。だからこそ、今がちょうど過渡期というか、色々と自分を見つめ直すタイミングに来ているのかなと」

――視聴者層としては同世代の男性からの支持が多いんですね。そのへんはどのように捉えているのでしょうか。

ぷろたん「単純に嬉しいですね。それこそ、学生時代に同級生をむふふって笑かしていたイメージが、今もできているのであればいいなって思います。実際にデータを見ると、女性が15〜20%ほどいるんですが、トレーニングや大食い動画が多いようです。男性はそこにプラスしてセクシーな女性とのコラボ企画などの反応がいいですね(笑)。やっぱりリアルな感じで飾らないほうが皆さんにもよく観てもらえる印象です」

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――ぷろたんさんのコラボ動画は単発的というよりも、準レギュラー的に数度に渡って出演されるケースが多いですが、これにも狙いがあるのですか?

ぷろたん「狙い……というとかなり計算高い感じがしますが(笑)、僕自身人を生かすことが好きなんですよね。もちろん承認欲求があるから動画を作るというのが根底があるので、今までタッチしなかった層にアプローチできるという点でコラボは自分のためにもなっているんですが、どちらかといえばこの人の本性をもっと知ってもらおう!みたいな感覚のほうが強いですね。そうなると、一回の企画だけじゃわからないじゃないですか。僕と親密になっていくことで、新しい一面が見られるかもしれない。だったらその過程を全部観てもらったほうが面白いのかなって。ただ、コラボは基本的にこちらからお願いするというよりは受け手(お願いされる)側なので、お願いされた人の中で僕が面白いからぜひ光らせたい!って感じた人だけ、今のところはコラボをお受けしていますね」

【動画編集】動画を視聴するか
どうかの分かれ目は
“タイトル&サムネ”にあり!

――実際に対談されるシーンなどは結構長く会話されることも多いかと思うんですが、台本だったり編集はどのようにされているんでしょうか。

ぷろたん「編集は完全に独学なので正直下手だと思いますね(笑)。だから、動画はシンプルだし、切ってつなげていく作業です。ただ、特に会話のシーンなんかは長回しすると編集が大変だから、Q&Aごとに録画をしています。そのほうが後々編集するときに楽なので。台本はないんですが、その場で“こういう言い方がいいかも”とか“この路線でいきましょう”みたいに相手にお願いさせてもらうことはありますね。話しながらその人が動画に映ったときにどう映えるかみたいなことを常に考えて、なるべくいいと思った方向でお伝えさせていただいています」

――動画コンテンツにおいてはタイトルやサムネイルも重要な役割だと思いますが、ぷろたんさんはどういった意識で作られていますか?

ぷろたん「実際に動画を観ようとするきっかけってタイトルとサムネイルになると思うんです。僕のチャンネルを登録してくれている視聴者さんなら、アップしたらとりあえず目を通してくれると思っているんですが、登録していなかったり初見の人にアプローチするには、タイトルとサムネはとても重要。なので、僕はサムネは2つ必要だと思っています。主観と客観の2つの種類の画を用意して、動的なタイトルと「~したらこうなった」のような結果的なタイトルで構成します。ただ、用意はするんですが、結局的にタイトルもサムネも変えないものがほとんどですね。なぜかというと、まずタイトル&サムネから考えて(作って)動画を撮っていくから。ある程度、主観のケースがいいと思って動画を撮っていたら、そっちのタイトルが一番フィットするので。今後も知らない人にも観てもらえることを大前提にした動画作りは忘れずに意識していきたいですね」

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自身が描くYouTuber
ぷろたんの今後とは……?

――先ほどのお話の中で「年齢」というワードがありましたが、今後の展望についてお聞かせください。

ぷろたん「基本的にこの業界ってまだまだ若者のコンテンツだと思っています。もちろん、僕が始めた頃に比べたらクリエイターも視聴者も年齢の幅は一気に広がっているのは感じます。ただ、個人的にはあんまり年齢のことは言いたくはないけど、おじさんがキャピキャピしているよりも、若い人のフレッシュ感のほうが僕はいいと思っていて。“後進を育てていく”なんて大層なことではありませんが、僕の会社のメンバーに若手もいますし、コラボ相手にも若い方をもっともっと採用していってチームにしていけたらなと思っています。僕自身がYouTubeや動画配信で人生が変わった人間なので、その影響の輪を次の世代にもつなげていけたらなと、漠然とですが思っています」

――活動はYouTubeだけでなく、ご自身で監修されているチーズケーキ店やアパレルブランドもありますが、そういった場は今後も広げていくのでしょうか。

ぷろたん「そうですね、それはタイミングかな。チーズケーキ屋やアパレルブランドは、僕が作った会社のほうの業務でYouTubeとは別軸の業態なので少し感覚は違うかも。ただ、人の人生観に興味があるし、出会った誰かの強い思いがあってそこに僕が力を出せる場面ならやっていくかと思います。チーズケーキもアパレルもそういった人との出会いで生まれたものだったので。そう考えると僕のYouTubeも森くん(VAZ前社長の森泰輝さん)との出会いみたいなものですね。そういった一期一会を大事にはしていきたいと思っています」

――ここまでYouTubeを続けてこられたことで、よかったことや嬉しかったことは何でしょうか?

ぷろたん「常に目立ちたいという精神があったことで、ここまでやってこれたのかなと思います。最近では街に出たらいろいろな方々に声もかけられるようになりました。プライベートだと塩対応になっちゃうんですが、お会いした方、すみません……(笑)。でも、ありがたいなと感じています。その中でも僕の動画を観たことで人生が救われたなんておっしゃってくださる方もいて。そういう声が聞けると本当にやってきてよかったな、今までの苦労が救われるなって思います。普通の働き方をしていたら、そんなことはなかなか言ってもらえないでしょうからね。そう考えると、これからも動画は質にもこだわらなきゃなって思いますね」

――最後に、このインタビューを読んでくださった読者の方で、まだぷろたんさんの動画を観たことのない方に向けておすすめの動画を教えてください。

ぷろたん「リアルなところでいくと“減量後の大食い”とかですかね。あれは大変だったし、動画自体も見応えのあるものになっています。あとは個人的に好きなのが“やました君との動画。”ですかね。くだらない感じが好きでしたら、結構おすすめです(笑)」

(了)

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Profile/ぷろたん
1989年生まれ、静岡県出身。VAZ所属クリエイター。YouTubeチャンネル『ぷろたん日記』はチャンネル登録者数200万人を超える。筋トレ動画や大食い動画、コラボ動画などが人気で、動画内で見せる明るく等身大のキャラクターが視聴者の心を掴む。昨年はフィジーク大会「2021 IFBB PRO League x FWJ WORLD LEGENDS CLASSIC」で優勝し話題に。その他、自身が監修するチーズケーキ専門店「QUESO」やアパレルブランド「PROISM」など、活動の場を広げている。

YouTuber事務所・VAZとは?
“元祖筋肉系YouTuber”ぷろたんからの金言「知らない人に見てもらうためには主観と客観の2者視点で動画を作ることが大切」【VAZによるVAZらせ講座 第2回】
2015年設立の老舗インフルエンサープロダクション。
SNSで活躍するインフルエンサーのマネジメントとして、SNS活動のサポートや、テレビ・映画・誌面等へのプロモートを行う。インフルエンサー希望、モデル・俳優・タレントへの展開を見据えた育成など、新人開発もおこなっている。
所属タレント:星乃夢奈(ゆな)、ぷろたん、コスメヲタちゃんねるサラ ほか

写真=大村聡志
インタビュー&文=小林大甫

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