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連載VAZによるVAZらせ講座

チャンネル登録者数209万人の人気YouTuberぷろたんの人生観。人との関わりの中で見出した“自分だけにできること”とは?【VAZによるVAZらせ講座 第1回】

大手YouYuber事務所であるVAZ(バズ)との連載インタビュー企画が誕生!ひとりのクリエイターの人となりから、動画作成のノウハウやYouTubeをはじめとするSNSの運用方法などを赤裸々に語っていただきます。初回は10年以上をこの業界で過ごし、“筋肉系YouTuber”の走りと言っても過言ではない“ぷろたん”さん。ぷろたんさんのインタビュー前編となる今回は、YouTuberとしての基礎を作った人生観や考え方について伺いました。

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人気者から初めての挫折……
ぷろたんを形成した学生時代に迫る

――明るいキャラクターで視聴者だけでなく、コラボする相手にも親近感を与えるぷろたんさん。その性格は学生時代からずっと変わらないのでしょうか?

ぷろたん「小学生の頃はクラスで一番の陽キャではなかったですが、影で『アイツ、面白いよな』って言われているようなキャラクターでした。周りの同級生が喜ぶことを進んで自分からしていました。ケツを出したりとか、本当にクレヨンしんちゃんみたいな(笑)。人気者だった……と自分では思っています(笑)。今思うと注目されることが嬉しくて、みんなを笑わせたかったのかなと。この感覚や思いは今でもずっとあるので、僕の原点だと思います。ただ、運動は苦手でしかも少し太っていたんですよね。だから、ヒエラルキーのトップではなかったんです。それが中学生ではソフトテニス部に入部して、それによって体もだいぶ絞れて。しかも全国大会に行ったんです。それもあってまさに人生の全盛期を迎えた感じでした。」

――中学で全国大会クラスとなればそのまま高校生活も順風満帆のように思えますが、全盛期ということは実際には違ったんですか?

ぷろたん「ですね。高校では正直挫折を経験しました。高校ではソフトテニス部ではなくて硬式テニス部に入学したんですが、一度全国の景色を見てましたから……尖(とが)っていた部分もありました。地元(静岡県下田市)では全国大会に行くなんてことが30年ぶりとかだったので、周囲の注目もすごくて。しかも周囲からの期待をさらに自分の中でプレッシャーに感じてしまって。フォアハンド(利き手側のショット)も打てなくなるくらいのスランプに陥りました。ソフトテニスから硬式テニスへの違いもありましたが、精神的なものが大きかったように思います。多分イップスだったのかな。しかも、追い討ちをかけるように、中学時代に一緒にダブルスを組んでいたペアの子が他の高校ですごいっていうのを風の噂で耳にして。自分の状況と比較してしまって、ご飯も食べることができなくなってしまいました。まさに“栄光からの挫折”ってこのことだなって思いましたね」

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――その辛い経験で味わった挫折は人によっては性格すらも変えそうなものです。ぷろたんさんの性格や環境に影響はあったのでしょうか。

ぷろたん「そのあたりは全然(笑)。落ち込みはしたけど、部活は部活って割り切っていましたから。しかも、部活を中学・高校と続けてきたこともよかったと思っています。挫折を経験しましたが、部活を通じて好きなことを続けることができるのは周りの人のおかげだって思うことができましたし、続けさせてもらえた環境に感謝しかなかったかな。あとは本当に今感じている部分ですけど、“上には上がいる、だからこそ自分ができることは背伸びせずにやる”っていう僕のYouTuberとしてのスタイルに通ずる経験が、若いときにできたことが大きな財産になっているのかなと思います」

――その後、大学へと進学していくわけですが、どのような学生時代を過ごしましたか?

ぷろたん「大学ではテニスサークルに所属しました。あんな挫折を味わってもまたテニスをしたかったんですから、僕も相当テニス好きですよね(笑)。ただ、部活を本気で取り組んできた人ならわかってもらえると思うんですが、部活からサークルに変わると空気感がどうしても変わってしまう。どうしてもみんなで楽しもうという意識が強くて、闘争心みたいなものが薄くて。僕のいたサークルがそうだっただけかもしれないし、良し悪しでもなくて、ただそれが僕には合わなかった。だから一瞬で辞めちゃいましたね。辞めてから、太りやすかったのと運動不足の解消も兼ねて、スポーツジムでのアルバイトを始めました。これは大学時代の4年間フルで続けましたね。そこでかなりの知識と鍛え方のノウハウを身につけました。ジムでのバイトの経験が、YouTuberとしての活動のルーツにもなったわけです」

今でも鮮明に覚えている
“身震い”を感じた
VAZ前社長との出会い

――そこで筋トレにハマるわけですね。いよいよ動画配信者への道のりがスタートしていきますが、動画配信を始めた頃のお話をお聞かせください。

ぷろたん「大学在学中にそのスポーツクラブの社員さんにおすすめされてニコ生(ニコニコ生放送)で配信を始めたんです。と言っても、顔も出さずにただただ静止画で話すだけ。しかも内容は深夜帯のアニメのことで。深夜帯のアニメのようなニッチなアニメって、当時だとあまりリアルな場で共有しにくかったんですよね。しかも周りに話してわからなかったら変な空気になるし(笑)。でも、感想は言いたい、誰かに聞いてほしいって気持ちがあったので、ラジオ感覚でただただ喋っていたんです。その後、大学を卒業して会社員になったんですが、大学生の自由さからのギャップでストレスを感じるようになって、それが承認欲求へと繋がっていきました。顔出しも始めたんですが、それでももっと見られたい、知ってもらいたい、そんな物足りなさを感じるようになっていったんです。そこで当時のニコ生の有名配信者の方が女装でランキング上位になっていたのを見て、僕もやってみようと。そしたら一気にバズって。ニコ生だけでなく、Twitter、Facebook、YouTubeなどあらゆる媒体へアプローチしていきましたね。もう会社での出世どうこうよりも、死ぬまでに一人でも多くの人に自分のことを知ってもらうことしか考えていませんでした」

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――その後、会社員を辞めてYouTuber専業になるために今の所属事務所であるVAZへと入ることになるわけですが、どういった経緯だったのでしょうか。

ぷろたん「ちょうど女装がバズってからちょっと経った頃だったかな。森くん(VAZ前社長の森泰輝さん)から、“動画が面白い”ってメッセージをもらって。事務所を作るから入ってくれないかとオファーをいただきました。今でも鮮明に覚えているんですが、新宿にあるバーで二人っきりで飲んで。初対面の僕に熱い思いを語ってくれて、かなり盛り上がりました。借金してまで自分がしたいことを貫こうとしていた彼に感化されて、その場で約束を交わしました。あまりに衝撃的な出会いと、飲みながら熱く話したその日の夜があまりにエキサイティングで、電車内で震えながら帰ったんですよね。そんな出会いは後にも先にもないでしょうし、僕の人生のターニングポイントだったと思います。」

――それは刺激的なエピソードですね。当時だとまだまだYouTuberとして生きることが認知されていなかったと思いますが、最初は難しかったのではないでしょうか。

ぷろたん「そうですね。本当に“今月生きるのに必死”って感じでした。会社員と同じ感覚で暮らしていくには最低でも20万は必要なところ、リアルに10万とかしか稼ぎがなくて。それでもVAZに所属したことで案件もいただけるようになって。その当時だとアドウェイズさん。モンスト(スマホゲームアプリ『モンスターストライク』)の配信案件をいただけたんですよね。その契約は1年間で、その間は安定した収入を確保できたんですが、実際には不安のほうが大きくて。同時に会社を辞めたことで他クリエイターと交流する機会も増えて、どうしても再生数などの話になる。そこですごく悔しい思いをしましたね。当時同じくらいの登録者数だった、おるたなChannelや水溜りボンド、フィッシャーズとかに数字の差をつけられていたんで。挫折とまではいかなかったけど本当に悔しかったのを覚えていますね」

(インタビュー後編に続く)

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Profile/ぷろたん
1989年生まれ、静岡県出身。VAZ所属クリエイター。YouTubeチャンネル『ぷろたん日記』はチャンネル登録者数200万人を超える。筋トレ動画や大食い動画、コラボ動画などが人気で、動画内で見せる明るく等身大のキャラクターが視聴者の心を掴む。昨年はフィジーク大会「2021 IFBB PRO League x FWJ WORLD LEGENDS CLASSIC」で優勝し話題に。その他、自身が監修するチーズケーキ専門店「QUESO」やアパレルブランド「PROISM」など、活動の場を広げている。

YouTuber事務所・VAZとは?
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2015年設立の老舗インフルエンサープロダクション。
SNSで活躍するインフルエンサーのマネジメントとして、SNS活動のサポートや、テレビ・映画・誌面等へのプロモートを行う。インフルエンサー希望、モデル・俳優・タレントへの展開を見据えた育成など、新人開発もおこなっている。
所属タレント:星乃夢奈(ゆな)、ぷろたん、コスメヲタちゃんねるサラ ほか

写真=大村聡志
インタビュー&文=小林大甫

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