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23歳で強豪KADOKAWA DREAMSの指揮官に。悩めるHINATA.Mを救ったKELOの「ただ近くにいる」姿勢と言葉

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

「超絶デンジャラス」だったラウンド

D.LEAGUE 25-26のCS開幕でパフォーマンス予定のKADOKAWA DREAMS・KELO&HINATA.M

──今シーズンはメンバーが入れ替わって、チームの雰囲気も変わりましたか?

HINATA.M:初期メンバーのほうが負けず嫌いな人が多かったですね。ラウンドに出られないときは悔し涙を流して、リハに行くのも嫌になるみたいな(笑)。それくらい強気なダンサーが集まっていました。逆に今のメンバーは優しい人が多くて、自分が出れなくてもサポートに回ってくれますね。和みやすい部分もあれば、競争心が薄れる瞬間もあったり。極端ですけど、6年間やってると違いは感じます。

KELO:自分はみんなと違う「D1兼AVANCE契約」で参加しているので、毎回メンバー選定に立ち会うのですが、いつも胸が苦しいですね。D.LEAGUEの場合、一概に「上手いからこのメンバー子を選ぶ」というわけにもいかないんです。

――単純な実力主義でもないのですね。

KELO:先のラウンドを見越して決める必要があるんですよ。だから技術以外の理由で出場させて、特定のメンバーのモチベーションを上げるという選択もある。「こいつがいいけど、今回はこの人を入れたほうがいいよね」みたいな。本当に深い。あれはリアリティ番組にできますよ。

──ブロック制についてはいかがでしょう。スケジュール的に余裕ができましたか?

HINATA.M:前がヤバすぎたので、これくらいは期間がほしいです。でも作って壊しての作業が増えてました。今はCSのショーケースを作ってますけど、1曲に対して何十種類の振り付けを考えて、最初の候補は全部なくなって、また次もなくなって……をずっと繰り返してます。結局は毎回、切羽詰まってますね。

KELO:ジャッジでいえば、オーディエンス投票が本当に大事なのかとROUND.8で痛感しましたね。あそこまで差が付いた試合も他にないのかなと思うんですけど、新ルールの厳しさを最後の最後で理解した感じです。厳しいですよね。

──では、今シーズンで印象に残っている作品は?

HINATA.M:ショーケースではないのですが、今回のCYPHER ROUNDでアメリカのKIDA THE GREATと一緒に踊らせてもらったことは、自分のダンス人生のなかで宝物のような瞬間でした。メンバーを決めるときにKELOさんから「誰と踊りたい?」と聞かれて、半分冗談で「KIDAと踊りたい」って答えたんですね。そうしたら「行けるよ」と。

KELO:つながりのある人を知っていたので、その場で電話しました。

HINATA.M:海外から呼ぶってなるとビザなどの手続きも必要になるので、本番の1週間前まで出られるか不明でした。でも本番3日前に正式に出場が決定したんです。それで前々日に1分間の踊りを一緒に作って、3時間くらいリハして、体育館で練習して本番、みたいなスケジュール。

自分のなかでは世界でトップクラスのダンサーだと思っていて。小学校の頃からSNSで観ていたし、憧れだったんですよ。その人とKDの一員として一緒にパフォーマンスできたっていうのがすごくよかった。結果も1位で「ダンスをやっていてよかった!」と感じる出来事でした。

──KELOさんはいかがでしょう?

KELO:僕はROUND.4『オ・モ・テ・ナ・シ』。ベトナムのMTPOPをSPダンサーに迎えたんですけど、あのラウンドがチームとしては初めて外国人ダンサーを招聘(しょうへい)する機会でした。もともと僕が中国へ行ったときに出会って、親友みたいに仲良くなったんですよ。2年前にKDでベトナムへ行ったときも一緒にセッションしてました。これを機会にSPとして呼びたいなと提案したら、みんなも「ぜひ」と。

HINATA.M:「Red Bull Dance Your Style」とか「Summer Dance Forever 2024」もチェックしていたので、まさか一緒にショーをできるとは思いませんでした。拙い英語でコミュニケーションを取るリハの時間が、パフォーマンスのときよりも濃かったですね。

KELO:でも本番はボロボロだったんですよ(笑)。バク宙して落ちてきたTSY君が、僕に当たって帽子が取れて、最後の机のシーンで俺とHINATAで終わるんですけど、その机も浮いちゃって……。

HINATA.M:めっちゃバランス崩してて。

KELO:俺も「ヤバいヤバいヤバい」って感じだった(笑)。絶対に負けたと思いましたね。でもシンクロパフォーマンスがほぼ満点で助かりました、それ以外は全部負けてましたから。

 

──個人的には、ROUND.5『RECLAIME THE CROWN』の約11秒に及ぶ、長尺シンクロが印象的でした。

KELO:あれは会場も沸いてましたね。

HINATA.M:ルールは2×8(ツーエイト)なんですけど、楽曲のBPMをどう取るかで変わる。テンポによっては遅いカウントで設定することもできるので、それを逆手に取って長尺になるように設定しました。あえて長く聞こえるように音も変えて、徐々に音数を少なくしていったのも効果的だったのかもしれません。

──メンバーで考えたんですか?

HINATA.M:シンクロパフォーマンスって大事なんですけど、それに入る前の演出も大事なんですよ。曲作りの段階から「どうシンクロに持っていくか?」と話し合いながら、エディットしてたどり着いた内容でした。

KELO:今シーズンはどのチームも盛り上がる感じになってきているなとは感じますよね。

──CSが目前に迫っています。しかもKDは1st Trial Matchで先攻。準備はいかがですか?

HINATA.M:3作品を平行して作るのは久しぶりですよ。本番直前まで、どの作品を初戦に使うかわかりません。観る側からすると、お腹いっぱいになりそうなところですが、全部が違う印象を持った作品で、かつ「これがKADOKAWA DREAMSです」というハイクオリティなショーを見せられれば絶対勝てると思ってます。

KELO:どの作品もたぶんよくなるはず。あとは相手との相性ですかね。全部先攻だし。CSの1発目って結構大事じゃないですか。その日の基準になるパフォーマンスですから。

──自信のほどは?

HINATA.M:当然、優勝します。

KELO:もちろん。

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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