dip BATTLESを再構築する二人の本音。健世&Jillie Jayが明かす“チームの柱”としての自覚と、意外な私服のこだわり
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
チームひとりひとりが柱になる自覚が芽生えた

――今季のショーケースを振り返って、印象に残った作品について教えてください。
健世:ROUND.1でKOSÉ 8ROCKS・Shigekixとのエース対決に1.2ポイント差で負けたんですよ。昔も負けたのですが、また負けた。D.LEAGUEで一番強いのが彼だと思いますが、どういう練習をしているか聞いたら「KOSÉの練習に昼から夜まで参加して、それから自分のスタジオで朝5時まで練習して、寝てからまたKOSÉの練習に行く」と言うんですよ。
たった1ポイントに途方もない差があると痛感しました。ここを見落としてたから負けていたのか、とようやく気付いた感じです。初めて誰かに対して本気で「次は勝つぞ」と思いました。
JJ:僕はTravis Japanの宮近海斗君にSPダンサーで参加してもらったROUND.7『彩-sai-』が印象に残ってます。もともとテレビ番組「R4 STREET DANCE」での共演がきっかけで、僕から「また共演するなら、D.LEAGUEでどうですか?」と声をかけていたんですよ。
本番の3週間ほど前に参加が決まって初リハでしたが、ようやく肩の荷が下りました。やっぱり面識のないメンバーもいるし、誘ったのも僕ですから……(笑)。試合後に宮近君からも「刺激をいただきました、これからもBATTLESを応援します」とメッセージがあり、改めて挑戦してよかったなと。
――他のラウンドはいかがです?
健世:あとはやっぱり、ROUND.2『融』です。
JJ:そうだね。健世とチームの波が合わなくなったタイミングで、もともとメンバーに入っていた彼を外すという苦しい判断をメンバーとSuthoomさんとでしました。今までは健世という柱があり、それを支えながらdip BATTLESの色を作ってきましたが、あの決断は「お前らが柱になれ!」というディレクターからのメッセージもあったと思います。
当時はメンバー変更や体調を崩す人がいたり、作品ごと変更しなきゃいけないとか、いろいろなトラブルが重なって、ROUND.2前後は踏ん張りどころでした。
健世:僕とJJが分裂した瞬間だったなと思います。お互いに何を考えているか、何を成したいかは理解しているんです。今思えばシンプルな問題だったかもしれないけど、いろいろな感情が混ざって整理できなかった。複雑。
JJ:複雑。僕らふたりだけのユニットだったら、バチバチで噛み合ってない、2色ある状態のほうがむしろクリエイティブだと思うんです。でもチームが大きくなり、ジャンルもたくさん、メンバーも個性的、ボスは大先輩という要因が絡むからこそ難しかったなと。
健世:だから一旦、距離を取るという手段が最善だったのでしょうね。
――今はそんな距離があったようには見えませんが?
健世:ROUND.5が終わってから、下北(下北沢)で一緒に飲んだのが雪解けでした。ちょうどROUND.1と4に出て、あとの出場はCYPHER ROUND(全チーム総出でソロ、デュオ、トリオと小編成で競う回)だけの個人的に落ち着いたタイミングで。ROUND.7くらいでやっと以前のような関係に戻った気がします。
JJ:ROUND.7はそういった辛い時期を経て、メンバーひとりひとりが柱となる自覚が芽生えた結果かもしれません。
――たかが立場。でもそこが変わるだけで楽になったり、難しくなったりする。組織とは侮れませんね……。
健世:いろいろな視点からチームを再構築する上で重要なシーズンだったと思います。自分がディレクターで、大先輩のSuthoomさんが補佐をしている状態は特殊でしたから。今のほうが健全な状態。尖った部分は消えたかもしれませんが、逆に安定させるべき土台を固めているところですね。内側が脆かったら意味がないので。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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