【深川麻衣×若葉竜也インタビュー】映画『嗤う蟲』 は理想の田舎移住が地獄に変わるヴィレッジスリラー
執筆者: ライター/石野志帆
「怖いだけじゃない“ゾワゾワ感”」 居心地の悪さを楽しんでほしい
―—改めて、映画『嗤う蟲』の魅力と見どころを教えてください。
若葉 ヴィレッジスリラーとありますが、そんなにカテゴライズせずに観てもらえたら嬉しいです。怖いと感じる人もいるかもしれませんが、すごく笑ってしまう方もいるような作品なので、一緒に観に行った人とも「どこでどう感じたか」に差異が出てくると思います。例えば、村の人が自分たちの子供を抱っこし合うことにすごく嫌悪感を示す人もいれば「誕生をこんなにお祝いしてもらえることなんてないよね!」と喜ぶ人もいるかもしれません。いろんな見方ができる作品になっていて、そこが面白いなと思います。
――確かに村での“濃密な”付き合いを「楽しい!」と思えれば見方は変わってきますね。
若葉 子供が産まれたことで、泣き声を「うるさい!」と言われるのと、村の寄合で集まって「おめでとう」「乾杯だね」ってやってもらえるのとでは、どちらがいいかとかは人それぞれでわからないかもしれませんよね。一緒に行った人同士で、面白いところを話しながら見つけてもらえると嬉しいです。
――深川さんはいかがですか?
深川 予告編やビジュアルを見ると「ホラーなのかな?」と思う方が多いみたいで「怖そうだね」と言われるんですが、怖いのが苦手な方でも観られるぐらいのハラハラ感になっていると思います。スリラーではあるんですが、ちょっと刹那的な人間ドラマが含まれている作品になっています。
若葉 恐怖っていうよりも、居心地の悪さや気味の悪さが伝わる作品ですね。
深川 楽しめるゾワゾワ感を味わってもらえたらと思います。ぜひ席を立たずにエンドロールの最後の最後まで観てほしいです!
(了)
Profile/深川麻衣(ふかがわ・まい)
1991年生まれ、静岡県出身。2017年舞台「スキップ」で初主演。2018年には主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』でTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞。主な出演作として、『愛がなんだ』(19)、『水曜日が消えた』(20)、『今はちょっと、ついてないだけ』(22)、『パレード』(24)などがある。『おもいで写眞』(21)、『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(23)では主演を務め、2024年は舞台「他と信頼と」、朗読劇「ハロルドとモード」(24)などでも活躍の幅を広げている。
Profile/若葉竜也(わかば・りゅうや)
1989年生まれ、東京都出身。『葛城事件』(16)での鬼気迫る芝居で注目を集め、第8回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。『愛がなんだ』(19)や『街の上で』(21)、『窓辺にて』(22)など今泉力哉監督作品で欠かせない存在に。作品によって違った表情を見せる幅広い演技力で数多くの作品に出演し、若きバイプレーヤーとして評価を高める。近年の出演作として、『前科者』(22)、『ちひろさん』、『愛にイナズマ』、『市子』(23)、『ペナルティループ』(24)、『ぼくのお日さま』が9月13日より公開中。フジテレビ・関西テレビ「アンメットある脳外科医の日記」(24)では、第120回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞・最優秀助演男優賞、東京ドラマアウォード2024・助演男優賞を受賞。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
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