ブレイキンの祭典“Red Bull BC One”史上初の快挙!日本勢4名がワールドファイナルに出場…パリ五輪出場HIRO10がこの大会を愛する理由
執筆者: ライター/黒川すい
HIRO10は開催国・ブラジルのダンサーと激突!
正体枠だったB-Boy・HIRO10は、開催国ブラジル出身のB-Boy・SAMUKAを相手に初戦を迎えた……!パリ五輪などでも度々名前を耳にした話題のHIRO10さんにも、もちろんワールドファイナル前に取材を実施していました。
──HIRO10さんにとって『Red Bull BC One』を一言で表すと何ですか?
HIRO10 “夢の舞台”です。僕がBC Oneを知ったのは小学生のときなんですけど、ずっと憧れていたんですよ。特に小学6年生のとき、将来の夢を絵に描く機会があって。BC One World Finalのステージを描いていました。その絵をこの前見つけて、うわ!となりましたね。今回、ワイルドカードでWorld Finalに出場できるという事実が嬉しくて、夢がまた一つ叶ったなぁと思っています。
──ワールドファイナルではどんなスタイルで魅せたいと考えていますか?
HIRO10 1週間くらい前までは勝ちたすぎて、勝利のための構成をいろいろと考えていたんですけど……。
昨日ブラケット(対戦表)が発表され、ブラジルのダンサー・SAMUKAと当たることになり、「これはやばいな」と。最初の3ラウンドで全て出します。勝ち負け関係なしに楽しめたらと思いますし、新技も用意しています!オリンピックのときはまだなかった技で、どこにも出していないので、成功するといいなと思います。
──今、オリンピックの話題も少し出ましたが、次回は競技種目ではなくなってしまいましたね……。これも踏まえ、今後ブレイキンはどうなっていくと考えていますか?
HIRO10 オリンピックがすべてではないなと感じています。BC Oneも毎年ありますし、ブレイキンの価値が下がったわけではありません。オリンピックは競技性がやはり強いですが、ブレイキン自体はもともとカルチャー。カルチャーとしてのブレイキンをもっとみなさんに知っていただけたら嬉しいなと思います。今年のオリンピックを入り口にしてもらって、どんどんカルチャーに触れてほしいです。
──競技性の高いオリンピック、カルチャーの側面が強いRed Bull BC One、改めてそれぞれの違いや魅力について教えてください。
HIRO10 僕としては、カルチャーとしてのブレイキンのほうが面白いなと感じています。Red Bull BC Oneは、採点基準がない。だからこそ、何をしてもいいと思っていて。僕はパワームーブが大好きなので、それを今回のBC Oneの3ラウンドでもやりまくろうと思っています。一方でスポーツとしてのブレイキンは、とにかく“勝つため”という感じがしますね。それはそれでもちろん面白いんですけど、カルチャーの視点で見たほうが、個人の面白さがより伝わるんじゃないかなと思います!
──今回のRed Bull BC Oneはブラジルでの開催。雰囲気などいかがですか?
HIRO10 ブラジルはすごく自分に合っている気がします。去年、初めてブラジルを訪れたんですけど、ビーチにあったステージで踊って。そのときも観客の方々がすごく叫んでくれたのが印象的でした。今回はもっと大きなステージでのパフォーマンスになると思うと、すごくワクワクします。
──今回参加されるダンサーさんたちへの印象を教えてください。
HIRO10 オリンピックではいなかったタイプのダンサーさんも多いですね。BC Oneならではのブレイキンのヤバさがたくさん見られると思います。
──普段の練習で意識されていることは何かありますか?
HIRO10 楽しむこと。勝つことだけを考えていたときの練習は全然上手くいかなくて、メンタルがぼろぼろでした。どうしてブレイキンをやっているのか初心に帰って考えてみると、結局楽しいからって気づくんですよね。それを忘れずに、いつも練習に取り組んでいます!
気になるバトルの結果は……
SAMUKAへの地元の観客の大歓声に対し、HIRO10 は、上着を脱ぎブラジルのサッカー代表のユニフォームに着替え会場を沸かせた。その後、数々のパワームーブを披露。一方のSAMUKAはパワフルかつ印象的なムーブで終始観客を魅了しジャッジをうならせ、4-1でSAMUKAが勝利を収めた。
この記事を書いた人
アパレル業界に勤めた後、フリーライターに。ファッションはもちろん、グルメ、エンタメ、お出かけ情報など幅広いジャンルの執筆経験あり。ウェブを中心に活動中。趣味はアートトイの収集や喫茶店巡り、読書。
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