「オアシス新バンドロゴ制作後に届いた“再結成”という吉報」河村康輔が語るラッキーな人生“熱量を持って思い描けば夢は形になる”11月1日から「リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展」開催
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
ギャラガー兄弟の和解を願った
――Oasisのロゴ、通称「デッカロゴ」は微妙に質感の違うパターンが何種類もあるということに驚きました。
河村:僕も知らなかったんですよ。データを受け取ったときに、「デッカロゴ」というフォルダにロゴのファイルがいっぱい入っていて、不思議に思ったのを覚えてます。たまに同じデータだけどカラーバリエーションやJPEG、TIF、PDF、AIの形式が違うものが複数ある場合があるので、そのパターンかと思ったら違って。
その数に思わず「今まで見ていたデッカロゴは何だったんだ」と(笑)。結局どのバージョンを自分が見ていたのかも理解できませんでしたが、それはそれで新鮮でしたね。
――結果的に最初期のもの、アルバム『Don’t Believe the Truth』(2005年)の頃に作られた最後のものを組み合わせたそうですね。この采配についてもぜひ教えてください。
河村:自分の手法としては他の写真とコラージュするか、1枚の絵をシュレッダーにかけて再構築するかになってきます。そこで最初は単体のデッカロゴをシュレッダーにかけてズラしたり、別の写真を組み合わせるパターンも試してみたんです。
でも“Oasisの素材をいじってます感”が出てしまって、何か違う(笑)。だから結局は自分の中で一番しっくりくる形がいいなと考えていました。
――なるほど。
河村:それから他のロゴを見たり、過去作品を聴き直していたら「今、活動されていないバンドのロゴを触らせてもらっている」という少し複雑な現実に改めて気づいたんです。そのときに「もしかしたら……」と思い浮かんだのが、ふたつのデッカロゴを重ねるアイデア。このほうがシャープにまとまるなと。
そこでせっかくなら最初と最後のデザインを使って、「主要メンバーのギャラガー兄弟の仲が戻ったらいいな」という想いを込めました。候補パターンは普段2、3個しか作らないのですが、今回は相当な数を作ったので時間は結構かかりましたね。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
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お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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