【高橋文哉インタビュー】23歳の今だからわかる“仕事”と”自分”のバランス感
執筆者: smart編集部
後悔することなくできることをやりきるだけ
ブルゾン¥168,300、タンクトップ¥26,400、パンツ¥94,600/以上すべてJW アンダーソン(JW ANDERSON 渋谷店☎03-6277-5277)、帽子¥11,000/カシラ(CA4LA プレスルーム☎03-5773-3161)ネックレス¥44,000/ラムダ(ラムダ☎0800-500-5000)、その他/スタイリスト私物
――今、すごく多忙かと思いますがお芝居は高橋さんにとってどんなものですか?
高橋 今はもうこれしかないなと思っています。もう引き返せないなとも。どんな仕事でも、仕事をする上で責任はつきまとうもの。どの仕事でもどう生きていても責任からは逃れられないので、役者という仕事だからと気負うことはありません。
ただ規模感が少し違うだけというか、主演の映画やドラマもありがたいことに増えていますが、楽しんで取り組めたらいいなと思っています。変にプレッシャーを感じすぎるより、後悔することなくできることをやりきるだけ。責任やプレッシャーに潰れているような役者の作品をみなさんは観たいとは思わないでしょうし、そのくらいタフなマインドになれました。
――少しずつ変化が訪れた感じですか?
高橋 この1、2年くらいですね。自分でも明らかに大人になったなと思います。以前は、もう少しこの世界が怖かったんです。
――取り巻く環境も変化する中で、高橋さんの人生に欠かせないものは?
高橋 そこはすごくシンプルで、仕事、家族、友達です。本当に大切なものさえあれば大丈夫です。一時期は、休みたいし、休みを楽しみたい気持ちもありましたが、かといっていざ休んでいるとほのかに罪悪感があったんです。みんなは働いているのに……と。
でも、そう思える自分は嫌いではなくて、きっと漠然と休んでいることが不安だったんだと思います。今は、休むことが仕事の一部であり、長くこの活動を続けていくうえでは大切だと理解している。もし、旅行がしたいなら、「3日間オフください」と意思を伝えればいいだけのこと。目的もなく休むよりは、自分が休みたいと思ったタイミングで休めるように、自分で舵を切れるような環境づくりが大事だと思うようになりました。
自分の疲れ具合のバロメーターを測れるようになったのも大きいです。僕は少しでも時間があると計画を立ててアレコレやりたいタイプなので、帰ってすぐ寝ようとしはじめたら疲れているサイン。そろそろお休みもらおう!となりますね。
――ダーツ以外だと、自分の時間ができたら何をするんですか?
高橋 友人と電話して、一人でゴハンを食べに行って、そのあとボウリング場に行って、やっぱり締めはダーツ。一人でどこにでも行きますし、なんでも大丈夫なんです。お寿司も焼き肉も行けます(笑)。休みくらいは一人で、何も気にせず過ごしたくて。家族や友人だとしても、人と接することで感情って揺れるじゃないですか。
例えば、誰かに怒ったとすると、怒ったときのオレってこんなテンションなんだなとか、こんな怒り方するんだなとちょっと客観視してしまうんです。いつか役でこの感情が引き出しになるかもしれないなと、どうしても心が仕事に向かってしまうんです。
――現時点で、見据えている課題は?
高橋 知らないこと、新しいことに対しては怖がらずに飛び込んでいく。“大好奇心男” なので、そんな自分でいたい。あとは、自分の言葉に責任を持つこと。僕らの一言で誰かの人生を変えてしまうかもしれない。あくまで可能性の話ではありますが、自分の言葉が軽くならないためにも、その重みを手放さずにいたいですね。
(了)
Profile/高橋文哉(たかはし・ふみや)
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年、『仮面ライダーゼロワン』で主演を務める。出演作に、ドラマ『最愛』『フェルマーの料理』、映画『交換ウソ日記』『からかい上手の高木さん』など。現在、主演ドラマ『伝説の頭 翔』が放送中。8月9日から映画『ブルーピリオド』が公開中。待機作に主演映画『少年と犬』がある。
この記事を書いた人
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