「スピリットがないとダメ」孤高の音楽家・LISACHRISが考える音楽とファッションの接点
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
ラッパーやビートメイカーも楽器を弾いて
――ところで以前は雑誌版「smart」も読んでいたとか。
LISACHRIS:当時は情報源が雑誌しかなかったのもあり、ひと通り読んでいました。「sweet」や「Popteen」、「25ans(ヴァンサンカン)」などなど……。男性誌だと「smart」はカッコいい男の子や美容師さんが読んでいるイメージでイケてましたね。
最近は2010年代の前半のファッションが気になっています。特にドラマ『ゴシップガール』に出てくるスタイリングが凝ってて参考になるんですよ。2024年の今見ても全然オシャレ。過去のSNSにない情報は本で調べることが多いです。
――他にインスピレーションを得るカルチャーなどは?
LISACHRIS:最近は本を読んでいます。下北沢のクラブ・SPREADで開催されているパーティのシーンも好きですね。
――LISAさんがカッコいいと思う男性、オシャレだなと思う男性は?
LISACHRIS:圧倒的にスーツ派です。仲良くなった後、黒Tシャツにデニムみたいな姿が見られたら最高。カッコいいと思うのは、無自覚か計算か分からない絶妙なラインで言葉で殺してくる男性ですね。
――数年前から楽器の演奏にも熱中しているそうですが、今も基礎練習を続けています?
LISACHRIS:もちろん。そうでないとミュージシャンとは言えません。あと楽器に触れると歌の練習にもなるし、3度や5度で動くスケール練習をしないとライブとかでハモリを歌えなくなる(笑)。音楽については今、情報が多いから学びやすいし、発信も簡単なので親しみやすくなりましたね。
だからラッパーやビートメイカーも楽器をやったほうがいい。そういう鍛錬がないからドラッグとかに走っちゃうんじゃないかな。やっぱりドーパミンは音楽で出したほうが健康的だと思うんです。
Profile/LISACHRIS(りさくりす)
2010年にDJとしてキャリアをスタート。NYLON BLOGGERを経て、クラブシーンのなかでも独特な個性として注目された。2012年からはプロデューサーとしての才能も開花させ、数々のアーティストにトラックを提供する。2019年には初ソロアルバム『Akasaka』を発売、同年Fred Perryのワールドキャンペーンにも起用された。2024年より、シンガポールで撮影されたFWD生命のアジアキャンペーンに起用中。現在に至るまでアルバムとシングルをリリースし続け、自身のオリジナルな世界観を拡げ続けている。
Instagram:@__waterme_
X:@lichnisanshi
衣装協力/Awesome Boy(おうさむ・ぼーい)
ヒップホップをベースにしたブランド。リメイクを中心としたアイテムを展開している。
住所:東京都渋谷区神宮前4丁目26−28 ヘームル 原宿 2F
Instagram:@awesomeboyflagshipstore
Instagram:@tatsuki.yoneyama
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撮影=西村 満
インタビュー&文=小池直也
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この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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