「スピリットがないとダメ」孤高の音楽家・LISACHRISが考える音楽とファッションの接点
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
歌うきっかけをくれたのは5lack
――不思議かつキャッチーなリリックの世界観についても教えてください。
LISACHRIS:3回反復する「返すよ」という部分のテンションが徐々にマジになっていくのがこだわりです。リリックをスマホでメモしてレコーディングしながら、その場のひらめきを入れて作りました。
――マライア・キャリーの名曲「We Belong Together」がサンプリングされたフックも印象的でしたが。
LISACHRIS:いい曲なのでオマージュしました。BIGBANGのデビューシングルでG-DRAGONがサンプリングしていたり、昔から好きなんですよ。
――さらに5月にリリースした「MAGIC」のミュージックビデオもリリースされました。
LISACHRIS:コンセプトは「不思議の国のアリス」。この衣装もAwesome Boyです。アリスや女王、双子などの登場人物をダンサーの仲間10人くらいに演じてもらいました。私はウサギ役で踊っています。ダンスは音楽にも直結しているなと改めて思いましたね。ぜひ「smart」な視線で楽しんでもらいたいです(笑)。
――これまで[Alexandros]やANARCHY、5lack、Yentown、般若、ZORN、鎮座DOPENESS、Maika Loubté、FEMMなど錚々(そうそう)たる面々と共作をしてこられましたが、共作の意義とは何ですか?
LISACHRIS:私はギャップが感動を生むと思っています。コラボ作品は強烈なギャップが心を震わす存在感に繋がるので楽しいですね。特に印象に残っているのはアルバム『Akasaka』に収録されている「サワゴゼ」。5lackくんにラップしてもらおうと思ってトラックを渡したら、「LISAさんもラップして」と歌詞とフロウが送られてきたんです。これが自分でラップしたり、歌ったりするきっかけになりました。
――2024年後半もリリースが期待できますか?
LISACHRIS:曲のストックは死ぬほどありますね。昨年からシングルリリースが多いのですが、そろそろEPを作りたいなと思っています。やっぱり自分のバイブレーションを味わってもらうには、まとまった曲数で20分くらい聴いてもらったほうがいい気がしていて。
リリースパーティもやりたいのですが、ワンマンだと不安なので対バンを募集しようかな……。あと10月17日はNo Busesのイベント「I’m With You4」にも出る予定です。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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