【imaseインタビュー】1st Albumタイトル『凡才』が“盆栽”とWミーニングな理由全19曲がフルボリュームで収録
執筆者: コンテンツディレクター/田島 諒
自己紹介を兼ねたベスト的内容のアルバム
――そういった楽曲が詰め込まれたアルバム『凡才』ですが、19曲とボリュームたっぷりな大作です。作品の全体像についてはいつ頃から考え始めたんですか?
imase アルバムを作ることを考え始めたのは1年前くらいですね。去年の2月に「僕らだ」というシングルをリリースして、その頃から具体的に作品を意識するようになっていきました。
――その頃から19曲という大作にしようと考えられていたんですか?
imase いえ、最初は13曲くらいにしようと思っていたんです。でも、制作途中でたくさん考えた結果、もっとアッパーな曲があったほうがいい、こういう曲も入れたい、といった感じでどんどん曲が増えていって。そこに既存曲を加えて、大ボリュームの19曲になりました。
――すごいですね! CDがパンパンになるまでimaseさんの音楽を詰め込んだわけです。いろんな意味で現状のベストアルバムだといえる作品ではないでしょうか?
imase はい、3年間の集大成でありベストアルバム的な作品ですね。ジャンル的にもバラエティ豊かな内容になっていると思います。ロック路線の曲もあれば、バラードもあるし、「Happy Order?」のようなとびっきりポップな楽曲もあるし。その賑やかなバランス感は意識して作った点です。
――おっしゃる通り、実にバラエティ豊かなアルバムですよね。1曲目「BONSAI」はアルバムタイトルにも繋がる曲名ですが、歌詞もimaseさんが自らを省みるような内容に感じました。
imase 「BONSAI」と4曲目の「Rainy Driver」は並行して制作を進めていた2曲で、アルバム制作の最後のほうにできた曲です。今作は名刺代わりとなるアルバムでもあるので、1曲目は「Have a nice day」(2021年に発表した)のサウンド感を意識しつつ、歌詞も自分のことを語っています。これまで自分語りはしてこなかったんですが、自己紹介をする気持ちでこの曲を先頭に持ってきています。
――ここでも<凡才なのさ>と歌われていますが、imaseさんのキャリアを見ると天才ではないのかな、と思ってしまうんですが(笑)。
imase いえいえ! そもそも楽器もろくに弾けない自分が3年前に音楽を始めて、「どうやったらたくさんの方に聴いていただけるんだろう? どうしたらキャッチーにできるんだろう?」ということを意識しながら試行錯誤して音楽をやってきたんです。また、同じ読みの「盆栽」もダブルミーニングになるようにしています。盆栽は日本を代表するもので、海外でも人気があります。このアルバムも、国内外問わず多くの人に愛されたいという思いをタイトルに込めています。
――今作『凡才』はまさしく現代のポップアルバムであり、聴いていて実に心地よく世界中のリスナーが注目すると思います。imaseさんが考えるポップスというのは、どういうものだと思いますか?
imase 僕の中ではいろんなジャンルの中間地点に立てる音楽がポップスだという感覚があります。曲の中にロックやヒップホップ、レゲエなどの要素を少しずつミックスさせてポップスとして昇華させることができますし、普通であれば混ぜ合わせない要素をミックスできる音楽がポップスだと思っています。
――ミクスチャーな音楽でもありますよね。imaseさんの楽曲にも多様な音楽性が落とし込まれているので、リスナーはそこから新しい音楽を知ることもできるかもしれませんね。
imase そうかもしれないですね。でも、僕の楽曲についてはそこまで深掘りせずに楽しく聴いて心地よくなってくれたら嬉しいなと思っています。もし僕が、そんな風に新たな音楽を知る窓口になることができれば、それは嬉しいですね。
――世界で聴いてほしいという思いがタイトル『凡才』にも込められているわけですが、今後は世界でも積極的に活動していきたいと考えていますか?
imase はい、まずはアジアでしっかりと活動していきたいです。特に、以前韓国でおこなったライブがすごく盛り上がったのですが、地理的に近い分、ちゃんと自分の音楽が届いているということを感じられました。6月からは初めてのアジアツアー『imase 1st Asia Tour “Shiki”』もスタートするので、しっかりとライブを届けたいと思います。そこからアジア以外の国も視野に入れて、世界に日本語の面白さや日本のポップスが持っているメロディの魅力を届けていきたいです。同時に、国内でのライブも増やして、もっと多くの方に自分の音楽を聴いていただきたいです。
(了)
Profile/imase(イマセ)
岐阜県出身、23歳の新世代アーティスト。音楽活動開始からわずか1年でメジャーデビューを果たす。1st Album『凡才』には、韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP20入りを果たした「NIGHT DANCER」をはじめ、 初期からの代表曲「Have a nice day」「逃避行」、JT『ひといき習慣シリーズ』CMソングの「でもね、たまには」、映画『SAND LAND』主題歌「ユートピア」、 マクドナルドタイアップソングの最新曲「Happy Order?」を含む全19曲がフルボリュームで収録。初回限定盤には、2022~2023年に行われた人生初ライブの映像も含む全16曲の映像を imaseとライブサポートメンバーによる副音声付きで収録。さらに、ショーケースを行った韓国/タイへ訪問した際のメイキング映像と、 初のライブツアー『imase 1st Live Tour 2023 “Utopia”』のメイキング映像も収録し、 合計90分を超えるボリュームの特典映像が収録されたBlu-ray / DVDが付属となる。なお、UMストア盤では全40ページの撮り下ろしフォトブックとオリジナルステッカー、 タワーレコード限定盤では書き下ろしデザインの限定グッズ “オリジナルBONSAIラバーキーホルダー”が付属されている。
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写真=成田英敏
ヘアメイク=向井大輔
インタビュー&文=田島諒
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この記事を書いた人
DMRT inc.所属。数々のインディペンデントカルチャーメディアを経て2016年に独立。ロック全般をベースとする音楽コンテンツの制作、メディアディレクション、地域振興系メディアのエディットなどを行う。日夜チャリで渋谷を爆走する漆黒のCITY BOYとして、365日スコッチを手放さない。
Instagram:@ryotajima_dmrt
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お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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