【TOMORROW X TOGETHER】ファン待望の新曲は 「今までで一番かっこいい振り付け」カムバックショーケースをレポート
執筆者: 編集者・ライター/西野暁代
2024年3月にデビュー5周年を迎えた5人組ボーイズグループTOMORROW X TOGETHERが、6th Mini Album『minisode 3: TOMORROW』で待望のカムバック。約6カ月ぶりとなるカムバックを記念したメディア向けショーケースでは、タイトル曲「Deja Vu」のパフォーマンスを初披露、アルバムに込めた思いやデビュー5周年を迎えた心境を彼ららしい誠実な言葉で語ってくれた。
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2023年は、アメリカ・シカゴで開かれる世界最大級のロックフェスティバル「Lollapalooza」のヘッドライナーを努め、ワールドツアー「ACT : SWEET MIRAGE」を成功させるなど目覚ましい活躍を見せた5人。今回が2024年初のカムバックとあって、MOA(ファンの名称)やメディアからの期待は最高潮。その期待を裏切らない、完成度の高いアルバムとパフォーマンスを届けてくれた。
メンバーごとにデザインを変えた黒のセットアップにレースをあしらった衣装で登場し、フォトセッションからスタート。スモーキーなメイクが儚げなビジュアルを引き立て、MCから「非現実的でファンタジーなカッコよさ」と評されるほど。集合カットでは、タイトル曲「Deja Vu」のダンスポイントとなるポーズで会場を魅了。
冒頭の挨拶では「ファンのみなさんの愛を完全に返したい、その約束を守れるように頑張って挑みます」(SOOBIN)、「作業しながらたくさん悩んで、何度も修正を重ねて完成させたアルバム。MOAのみなさんがどう聞いて、どんな反応を見せてくださるのか楽しみです」(YEONJUN)と語り、活動への期待と自信をのぞかせた。
タイトル曲の「Deja Vu」について、BEOMGYUは「君と僕がまた会う未来が、まるでデジャヴュのように感じられるという曲。ストーリーが洗練されたサウンドと合わさり、切なさと込み上げる感情を同時に感じられる」と曲の魅力を解説。SOOBINの「ここにダンスブレイクが入るんだという部分があり、パフォーマンスが楽しみでした。今までの振り付けの中で一番かっこいいと思います」という言葉どおり、切なさのあるメロディーとダンスブレイクの力強さが対比となったTOMORROW X TOGETHERらしいステージを披露。
また、この曲には「数え切れないほど逃げた、ただ怖かった」、「永遠になって私を呼んで」、「約束の星明かり」、「私たちの王冠」のような、過去曲を思い起こさせる歌詞が散りばめられていて、デビュー以降に彼らが歌ってきたストーリーの終着点のような特別感がある。メンバーたちも「以前の活動を思い出し、胸がじーんとした」と語っており、共感するMOAも多いことだろう。
ステージに続き、アルバム制作のインタビューへ。今作『minisode 3:TOMORROW』は、過去の約束を思い出し、一緒に約束した「あなた」を探しに行くストーリーを描いている。「君という明日が僕にとっての救い」という、救いの物語を表現し、まるで過去5年間の作品の集大成のような印象を受ける。
YEONJUNも「2番トラックはタイトルがモールス信号になっていますが、過去にモールス信号を使ったコンテンツを作ったことがあります。個人的にはデビューのころを思い出してなつかしかったですし、ファンのみなさんもなつかしく思ってくれると思います」と語った。
トレーラー映像の話題になると「僕はYEONJUNさんとのユニット撮影がとても記憶に残っていますが、顔を見るだけで笑ってしまいそうで、視線をどこに置くべきか悩んでいました。でも撮影が始まるとYEONJUNさんは本当に泣いたんです。内心はとても戸惑いましたが、NGを出さないために頑張りました。YEONJUNさんの演技力に感心しました」とBEOMGYUが撮影のエピソードを披露。
「ありがとうございます。僕が、涙の演技ができる人でよかったです。監督さんが雰囲気を上手く作ってくださって、瞬間的にすぐ没頭できたと思います」とYEONJUNも照れた様子で返した。また、「パン・シヒョクプロデューサーが、今回の歌とパフォーマンスは全部いいから、自信を持ってそのままの姿を見せてほしいと言ってくださいました。また、レコーディングのときおやつを差し入れてくださったので、とても感動しました」と、グループの生みの親であるパン・シヒョク氏との温かいエピソードも披露してくれた。
ショーケースは記者たちとの質疑応答へ。会場からは続々と質問が投げかけられたが、ここでは一部を紹介。
Q.アルバムについて、デビュー当時のTOMORROW X TOGETHERの雰囲気をメンバーのみなさんも強調されていました。うまく表現できるビジュアルやコンセプトだと思いますが、そこには何か特別な理由がありますか?
TAEHYUN「今回のアルバムで僕たちは言いたいことは、過去の約束を忘れないで君を探しに行くというストーリーです。過去の約束を思い出すということで、デビュー当初の雰囲気を持ってくるしかありませんでした。デビュー当時の夢の章のことを思い出しながら作業に挑んだので、当時に積み重ねた経験や思い出が資産となって上手く表現できたのではないかと思います」MOAのなかにはデビュー当時のコンセプトのファンも多く、今回のアルバムはまさにファン待望のコンセプトと言えそうだ。
Q.今回のアルバムで自信感や成長という話が出てくるんですけれども、5年間で大変だった瞬間はありましたか? どうやって克服したのかも知りたいです。
HUENINGKAI「いつもカムバックの前が一番大変だったと思います。カムバックの準備をしていて確信がなかったんです。本当にうまくできるのか、みなさん喜んでくださるのか、たくさん心配もしました。それをメンバーと一緒に話し合い、助け合いながら克服してきました」
SOOBIN「デビューして一番苦しかった時期はやはりコロナ禍のときだったと思います。ファンのみなさんとの触れ合いもあまりなかったし、客席に誰もいない中でステージをしていてとても複雑な心境でした。そういった虚しさを詰めてくれるメンバーや会社の方がいたから克服できたと思います」5年の歳月が育んだメンバー同士の絆の深さを伺わせ、BEOMGYUは「5年より長い時間をメンバーと過ごしたい」と語った。
Q.ワールドツアーを控えていますが、ツアーのために準備していること、絶対やり遂げたい成果があったら教えてください。
BEOMGYU「コンサートを準備するとき、前回の残念なところや今度はこういうふうに補っていこうと会社と相談しながらセットリストを作っていますが、今回のコンサートはMOAのみなさんと一緒により楽しめるセットリストができたと思います。コンサートが初めての方でも、また見てみたいと思うほどエネルギー溢れる思い出を作れる、そういうコンサートにしたいと思います」
YEONJUN「MOAのみなさんと今も大きなステージで公演をたくさんしているんですが、今も十分に幸せですし、これより大きな成果があるのか?と思うくらい幸せです。今回のワールドツアーも、MOAのみなさんとより多くの思い出を作りたいと思います」
Q.今回のコンセプトは忘れていた約束とおっしゃいましたが、メンバーのみなさんも今回、過去を振り返って忘れていた目標や自分との約束がありますでしょうか。
SOOBIN「忘れていた約束について本当に深く考えてみたら……ちょっと軽いことですが、デビュー前に新人開発チームの職員のみなさんと、カムバックしたら美味しいものをたくさん持って会社に出かけると約束をしたんですが、デビューして5年目になるんですが、忘れてました(笑)。今回の活動が終わったら美味しいものを持って必ず訪れます!」と、愛らしく〝忘れていた約束〟を披露。
TAEHYUN「いつも目標を言うときは健康と幸せが決まり文句みたいですが、デビュー当時は本当に決まり文句だなと思っていました。でも5年経って考えると、健康と幸せほど難しいことはありません。5人の幸せ、5人の健康は、たくさん努力しないとなかなか守られないことだと思います。なので、常に忘れずに胸に秘めている目標です」グループの年下ラインながら、しっかり者にふさわしいコメントを残した。
最後に「自慢に聞こえるかもしれませんが、僕たちらしい音楽、僕たちらしいビジュアルを持っているグループは僕たちしかいない、とプライドを持っています。いつものようにTOMORROW X TOGETHERらしく頑張っていきたいと思います。たくさんの方に僕たちの音楽の心が伝わるように」とSOOBINが締めくくり、ショーケースは幕を閉じた。〝コンセプト消化の達人〟としてしばしば評価されるTOMORROW X TOGETHERが5年目という節目に届けてくれたのは、「過去の約束を忘れない」「君との明日が希望」というファンとの絆を思わせるアルバム。このアルバムを携えたワールドツアーがどのようなものになるのか、今から期待が高まる。
リリース情報
6th Mini Album『minisode 3: TOMORROW』
(4月1日発売/日本発売4月2日)
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(P)&(C) BIGHIT MUSIC
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この記事を書いた人
女性誌編集部にて8年間勤務後、フリーの編集者・ライターに転身。現在は主にメイク、ヘアアレンジ、ティーンカルチャーなどの記事を担当。得意なジャンルはインタビュー、美容、コスメ、音楽(とくにK-POP)。ジャンルを問わず、足を運ぶライブは年間30本ほど。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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