山本彩が最新アルバム『&』で描いた“劣等感”と“無敵感”。30代を前にした食生活の変化も吐露
執筆者: ライター/東海林その子
――アルバムリリース発表の際のコメントでは「自分自身も、自分の多面性によるギャップに葛藤することがある」とありましたが、具体的にどういう葛藤があったでしょうか。
山本 本当にこの新曲2曲で表現したこと、そのまんまなんですけど、「なんでこうなんだろう」とめちゃくちゃ自分を否定するときもあれば、「これから何をしても生きていけそう」みたいな根拠のない自信が溢れてくるときもあったりして、すごく対照的なんですけど、どっちの感情も抱くときがあって。あとはすごい人を見たあとって、私はちょっと落ち込むんですよ。「ああなりたい」というよりは、「あーすごいな、あの人は。なんで自分は……」とか。
――そういうときはどうやって気持ちを戻すんですか?
山本 その人はその人だし、私は私だし、そもそも比べること自体が違うというか。なので、劣等感ばかりに目を向けるんじゃなくて、自分が自分のいいところだと思っているところとか、誰かが「ここがいいところだよ」と思ってくれるところを素直に受け止めて、自分らしい部分や長所に目を向けることによって、という感じですかね。
――ファンのみなさんからのお悩み相談(山本彩が親身になって説く「人見知りを克服する方法」と「乙女心を理解する方法」)でも「自己肯定感を高める方法」を聞かれたときに、「自分が頑張っていることを、自分で気づいて褒めてあげる」と話していましたよね。今回のアルバムに関して自分を褒めるとしたら、どういうところでしょうか。
山本 そうですね……。(熟考して)…… 特に後半に収録された「ラメント」や「Don’t hold me back」、「劣等感」「Bring it on」もそうなんですけど、デモの段階から思っていた通りのものができたり、思っていた以上の形にできたと個人的には思っていて。みんなはデモを聞いてないから「知らんがな」という感じだと思うんですけど(笑)、自分的にはすごく自己満足度が高いので、描いているものをしっかり形にできたところを褒めたいですかね。
――思っていた以上の形にできたというのは、どのタイミングで感じるんですか?
山本 一番感じるのはアレンジが上がってきたときですね。デモを聞いているとそれに慣れてしまうので、一番フラットに変化を感じられるのがまだ歌が入ってない、アレンジ段階のときで。そこで「あ、来た」と思った曲はライブでやってもいつまでも楽しいです。「TRUE BLUE」「Are you ready?」とか、これまでにもそういう曲はたくさんありますね。
――いよいよ6月からは、久しぶりのツアー「SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR 2023 -&-」が開催されますが、楽しみなことはありますか?
山本 ビルボードでのライブは結構おしとやかな感じだったので、私もみんなも行儀よくという感じでしたけど(笑)、ライブハウスではそこを気にせずできるのと、ああいう空間だと何をやってもOKみたいな、ちょっとリミッターが外れる感じがあるので、それがどういうふうにライブに繋がるかなという楽しみがありますね。あとはシンプルに全国に行くのも久しぶりなので、会いに来てもらう側じゃなくて会いに行ける側になれるのもすごく嬉しいです。
――ビルボードでもファンのみなさんの声出しはOKでしたが、ライブハウスだとさらに盛り上がりそうですね。
山本 そうですね。ようやく本当のライブが戻ってくるという感じがするんですけど、まだちょっとどんな感じになるか想像がつかなくて。でも今までの雰囲気を取り戻したいですね。
この記事を書いた人
出版社を経てフリーライターに。ファッション誌、エンタメ誌、web媒体などでインタビュー・執筆。smart本誌では田中みな実さん、山本彩さんの連載などを担当。アイドル、アニメ、食、ドラマなど幅広く興味あり。最近は韓国語を勉強中。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ