【ドラマ『生理のおじさんとその娘』】U25注目の若手女優・上坂樹里が演じる“その娘”のハナシ
執筆者: ライター/TOMMY
これまでデリケートな部分として、タブー視する風潮もあった女性の生理。だが近年、メディアやSNSを通じてこのテーマに向き合う芸能人やインフルエンサーが増加したことで、性別や年齢を問わず“誰もがきちんと知って、理解しておくべきもの”となり、同テーマを取り挙げたエンタメ作品も増えている。2023年3月24日に放送されるドラマ『生理のおじさんとその娘』(NHK総合)もそんな1作だ。世の中の生理の現状を通して、生理に詳しすぎる“生理のおじさん”としてSNSで有名人になってしまった男と“生理を語りたくないその娘”の、とある炎上事件をきっかけとした親子げんかと仲直りの記録を描く。
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今回は“生理のおじさん”光橋幸男(原田泰造)の“その娘”光橋花役を演じる上坂樹里が、「シゼンタイのU25」以来、smart Webに2度目の登場! 同作を通じて得た“学び”について語った。
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この作品を通じて、
これまでよりもお互いが理解し、
尊重し合える環境に
少しでも近づけば嬉しいです
――smart Webへの登場は「シゼンタイのU25」以来なので約1年ぶりです。その後の調子はいかがでしたか?
上坂樹里(以下、上坂) この1年間で学んだことはすごく多くって……特にお芝居に対しての意識はかなり変わったなと自分では感じています。特に大きかったのが、NHKで放送された『ヒロイン誕生!ドラマチックなオンナたち』に出演させてもらったことです。番組を通して“演じるとは?”というお芝居のスタートにあたる部分から考え始め、役作りに着目して演じました。そこで吸収したことや得た経験を今回のドラマ『生理のおじさんとその娘』では活かすことができたので、学ぶ→次に活かすというステップを、少しずつではありますが踏めるようになったのかなって思っています。
――この1年でかなり成長されたんですね。以前のインタビューでは「食べることが好き」なんて話をしていたのに(笑)。ちなみに今日の朝食は?
上坂 バナナとヨーグルトです!(笑)。
――変わってなくて安心しました(笑)。NHKのドラマはこれまでも結構観ていましたか?
上坂 はい、観てました! なので今回のお話をいただいたときは本当に嬉しかったです。
――そんな上坂さんが『生理のおじさんとその娘』で演じているのが、主演の原田泰造さん演じる“生理のおじさん”こと光橋幸男の娘・光橋花役。「最初はどれだけ変わった家族で、どんな子なんだろうと想像もつきませんでした」とコメントされていますが、実際に演じてみていかがでしたか?
上坂 台本を読んだ際の第一印象も「こういったテーマで、こんなに明るくコミカルなお話になるんだ」というものでした。このドラマでは生理について学べるシーンも沢山ありますが、それ以前に光橋家という家族があって、その周りには学校の友達や会社の同僚がいる。そんなどこにでもある“普通の日常”がベースにあるので、共感できる部分も多いしすごく気軽に観られるドラマになったんじゃないかなって。なので最初の“生理のおじさんの娘”という役柄しか知らない状態と、実際に演じた後の今とでは思うところがかなり変わりました。
――確かに“生理に詳しいおじさんとその娘の話”ではなく“二人の子供を育てるシングルファーザーの父とその家族の話”というホームドラマ的目線で見ると、印象は変わりますね。
上坂 そうですね。花と私は同い年で思春期まっただ中。私も受験シーズンでちょっとピリピリしちゃった経験もありますし、普段から母とは結構お互いの意見を言い合っているので、そこでぶつかってしまうこともあります。そういうちょっと頑固な部分は花にもあるので自分とも重なりますし、同世代の皆さんにもリアルに共感してもらえるところが沢山あるんじゃないかなと思います。
――では役柄としては演じやすかったですか?
上坂 演じていて難しいシーンもありましたが、自分自身と重なる部分も多かったので、楽しみながら演じることができました。光橋花になるために特別な役作りをするのではなく、自分と重なり合う部分は自然体で演じ、花と私でちょっと違うなという部分はその上からどんどん追加しながら、光橋花という役に挑みました。
写真提供:NHK
――原田さん演じる父親(光橋幸男)は、いかがでしたか?
上坂 読者の皆さんもご存知のように、原田さんのお芝居が本当に素敵で。劇中では愛情もあってしつこいくらいに絡んできて、それを花はずっとウザがっているんですが、そういったシーンも原田さんに引っ張っていただいて、とても助けていただきました。
――原田さんはエネルギッシュに周囲を巻き込んでいくイメージがありますし、納得ですね。他の共演者さんはいかがでしたか? 三山凌輝(RYOKI)さんはBE:FIRSTのメンバーとしてsmartの表紙を飾っていただいたこともあります。
上坂 凌輝さんはお父さんの部下・橘正樹役を演じていらっしゃるんですが、とにかくキャラが濃くて、なんだったらお父さんよりもグイグイくるくらい(笑)。あるとき、「職場でのお父さんはどんな感じなのかな?」と気になったので、職場シーンを見学させてもらったんですが……。
――普通にお父さんの職場見学(笑)。
上坂 お二人ともキャラが濃いからこそ、すごく絶妙なバランスが保たれていて「すごいなぁ」って。特に凌輝さんの演技が面白くて、笑わないように我慢して見学していました(笑)。
写真提供:NHK
――劇中ではどういう掛け合いがあるのか期待しちゃいますね。他に撮影の中で思い出に残っているシーンってありますか?
上坂 全体を通して、コミカルな演出が多いんですが、特に光橋家の家族団欒(だんらん)のシーンは演じていてとにかく楽しかったです。“お父さんと弟の嵐(演:齋藤潤)の掛け合いを花が冷たい目で見ている”というシーンがあったんですが、2人のアドリブが本当に面白くって(笑)。表情を変えないように笑いを堪(こら)えていたんですが、テストのときとかは我慢できずに笑っちゃいました。なので、そういった部分にも注目してもらいたいです!
――それは必見! 本作に対して、原田さんは「僕はこれまで、生理についてそこまで深く考えたことがなかったのですが、今回この作品を通して、なぜもっと早く向き合ってこなかったのか色々と反省することだらけでした。ぜひ、沢山の男性にも観てもらいたいドラマです!」とコメントされています。
上坂 タイトルからちょっと敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、全然そんなことはなく“とある家族の日常”として気軽に楽しんでいただきつつ、本作のテーマである生理についてもすごく分かりやすく学べるドラマとして、性別や年齢・世代問わず、沢山の方々に観ていただきたいと思っています。生理というテーマに関しては、みんなそれぞれの考え方や受け止め方があると思います。私自身もこの作品を通して知ったことや学んだことが沢山ありますし、自分の考えを持ちつつ周りの意見も聞いて、その上でそれぞれの意見を尊重し合えることが大事だなって思いました。女性同士だけでなく、男性とも共有し合えるテーマの1つとして、この『生理のおじさんとその娘』を観終わった際に思ったことや感想を、家族や友人と話し合っていただくことで、これまでよりもお互いが理解し、尊重し合える環境に少しでも近づけば嬉しいです。ぜひご覧ください!
Profile/上坂樹里
こうさか・じゅり●2005年7月14日生まれ、神奈川県出身。2020年に全国消防協会「2021年春の火災予防運動用ポスター」、「駿台予備校」のイメージキャラクターに抜擢。翌2021年、eo光NetflixキャンペーンやセブンイレブンのTVCM、LINE NEWS VISION ショートドラマ『そらぞら』に出演するなど、徐々に注目を集めるように。同年、女性ファッション誌『Seventeen』が主催する「ミスセンブンティーン2021」において、応募総数3553名の中から5名のファイナリストに選出され、『Seventeen』専属モデルに。現在は、同誌を中心にモデル活動をする一方で俳優としても活動中。
上坂樹里公式Instagram
上坂樹里公式Twitter
Information
特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』
3月24日(金)22時から放送!
写真提供:NHK
<NHK総合> 2023年3月24日(金)22:00~23:13放送
2023年の「生理」の現状を通して、生理に詳しすぎる“生理のおじさん”としてSNSで有名人になってしまった男と“生理を語りたくないその娘”の、ある炎上事件をきっかけとした親子げんかと仲直りの記録。「違う人同士が分かり合うこと」を描く。
<STORY>
主人公は、生理用品メーカーの情熱的な広報マン、光橋幸男(ひかりばし・ゆきお)。高校生の娘と中学生の息子を育てるシングルファーザーだ。半年前、「生理についてよく知ろう!」と幸男が呼びかける動画が「バズ」ったことをきっかけに、「生理のおじさん」として活動している。一躍SNSとお茶の間の人気者となった父親に、思春期の娘・花は、複雑な思いを抱いていた。生放送の情報バラエティで幸男と共演するコメンテーターの北城うららもまた、幸男の言動が気に食わない。ある日、うららの「あなたは女性のことを全然分かってない」という挑発に興奮した幸男は思わず「僕は娘の生理周期も把握している!」と発言。幸男の会社にはクレームが殺到する。学校でもうわさになった花は家出してしまう。激しく落ち込む幸男。彼は炎上を乗り切り、愛娘と仲直りできるのか。生理を巡る親子のスレ違いを、二人はどう乗り越えるのか。
<CAST>
原田泰造 上坂樹里 三山凌輝/堀部圭亮 山本未來/菊地凛子ほか
<STAFF>
脚本:吉田恵里香『恋せぬふたり』
音楽:macaroom
ナレーション:麻生久美子
制作統括:清水拓哉
演出:橋本万葉
プロデューサー:大越大士、石澤かおる
写真=大村聡志
インタビュー&文=TOMMY
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この記事を書いた人
メンズファッション誌やモノ系のWEBメディアを中心に、ファッション、モノ、アイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。
Instagram:@tommythetiger13
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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