【弱冠16歳の人気ボカロP】作曲家も兼ねる「晴いちばん」に注目！

執筆者：編集者・ライター/志田英邦

現役高校生ボカロPとして飛躍中の晴いちばんさん。同世代のクリエイターと切磋琢磨しながら、自身の表現の幅を広げていく！

「Dリーグ最注目女性ダンサー」DYM MESSENGERS・HANAは“ロックに限らず幅広いダンスが好き”ダンスへの情熱も激白

この記事の画像一覧を見る（4枚）

※この記事は2023年smart2月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。

作りたい音のために技術を身につけ、
幅広い楽曲に挑戦していきたい。

――晴いちばんさんがボカロPとして活動を始めた経緯をお聞かせください。

晴いちばん（以下：晴）　最初にニコニコ動画で楽曲を始めて投稿したのは2019年、中学1年生の冬くらいです。小学校6年生のころにゲームセンターで『太鼓の達人』にハマったときにボーカロイドというジャンルがあることに気づいて。バルーンさんの「シャルル」を最初に聴いて、そこから初音ミクやv flowerというボーカロイドがあることを知りました。ボーカロイドの音楽はアマチュアの人がパソコンで作っていることが多いことを知って、誰でも簡単に作っているし、作り方もネットの動画でわかる。じゃあ、自分もやってみようかなと。それでお年玉でソフトを試しに買ってみて。『アンダーテール』などのゲームの楽曲を、耳でコピーして打ち込んでみたんです。

――楽器はお得意だったんですか？

晴　親の影響で小さいころからピアノ教室に通っていて、一時期はピアノの先生になりたいと思っていたんです。めちゃめちゃ上手というわけでもなかったのですが、ソフトを使って音楽を作るようになって独学で練習をするようになりました。

――最初にお作りになった曲「スレイベラー」をニコニコ動画に投稿してみて、反響はいかがでしたか。

晴　最初の曲は「クリスマス」というテーマを決めて作ってみたんです。そのころは数えきれないくらいたくさんのボカロ曲を聴いていたので、たくさんのボカロPさんから影響を受けていました。ただ、この曲はみんなに再生してもらうというよりも、自分が好きで作った曲という感じが強かったんです。だから、再生数はそれほど気にしていなかったんですが、思っている以上の多くの方に聴いていただいて。自分の周りのイラストレーターやボカロPからも気に入ってもらえたので、次に繋がるようなものになってよかったなと思います。

――晴いちばんさんにとって、新曲の投稿先でもあるニコニコ動画はどんな場所でしょう。

晴　小学6年生ぐらいからボカロ曲や歌い手さんの歌にハマっていた時期があって、それでニコニコ動画の存在を知ったんです。自分がボカロＰを始めるときはニコニコ動画に上げるものだと思っていたので、曲を作ったときにはニコニコ動画とYouTubeに上げていま
した。ボカロＰにとってニコニコ動画は実家みたいなイメージがありますね。

――晴いちばんさんがこれまで発表した曲で手ごたえを感じた曲は？

晴　僕は2010年代のJ-POPをたくさん聴いてきたので、その影響で明るい曲を作ることが多かったんです。でも7曲目になる「アブセンティー」ではこれまでとはガラッと曲調を変えて、カッコいい曲に挑戦してみました。告知の時点でいつもの数十倍の反響があって、ニコ動でも殿堂入り（再生数10万以上）になったし、ボカコレ2021秋でも総合8位をいただくことができたんです。この曲の前後からDTMの技術を覚えはじめて、エレクトロっぽい曲を作ったり、ギターを練習したりして、自分のやりたいことができるようになってきた感じもあって。幅広いジャンルの楽曲を作ることができるボカロPになりたいなと思うようになりました。

――最近は楽曲のマスタリングをプロの方に依頼されるなど、音へのこだわりも感じますね。

晴　そうですね。最近は自分にできないことは、プロの方に頼みたいという考えも持つようになりました。やっぱりプロのエンジニアさんがプロのスタジオで曲をミックスすると、音の太さや響きが全然違うんです。そういった一流のエンジニアさんの力を借りて、ボカロ曲という枠から飛び出して、よりたくさんの方に聴いていただける曲を作っていきたいなと思います。

――晴いちばんさんは現役高校生ボカロPとして注目を集めていますが、ライバルの方はいますか？

晴　同年代にSAKURAmotiというボカロPがいるんです。2〜3年前に知り合って、毎日通話して音楽の話やプライベートの話をいろいろしているんですが、彼はいまアニメ『うる星やつら』に楽曲を提供したりして活躍をしているんですね。あと、僕の活動初期から応援してくれた小宮かふぃーさんも世代が同じで、すごく刺激を受けています。

――今後の目標は？
晴　ボカロPとしての活動も続けていきたいですし、アニメに楽曲提供もしてみたいなって思っています。まずは、たくさんの人に好きと言ってもらえる作品を作っていくことが目標ですね。