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小籔千豊はなぜ4000時間も『FORTNITE』をプレイしたのか?“フォートナイト下手くそおじさん”の切なる野望を聞いた

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小籔千豊はなぜ4000時間も『FORTNITE』をプレイしたのか?“フォートナイト下手くそおじさん”の切なる野望を聞いた

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初の著書『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』を執筆した小籔さん。彼が今夢中になってプレイしている『FORTNITE』に懸けた思いを語ってくれた。

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この記事は2023年smart2月号に掲載した記事を再編集したもので、記載した情報もその時点のものです。

4000時間を経た先の
夢は世界ランカー

小籔千豊,フォートナイト,ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理

毎日毎夜、YouTubeでシューティングゲーム『FORTNITE』のプレイを配信し続けている“フォートナイト下手くそおじさん”をご存じだろうか。ある日は5時間、ある週末は8時間、実況するわけでもない、ひねったコメントを言うわけでもない。ただひたすらにゲームを続ける。ときには練習マップでずっと練習をしている姿を見せていることもある。この人物の正体は、お笑い芸人の小籔千豊さん。子どもの影響で『FORTNITE』を始め、今や総プレイ時間は4000時間を突破したという。芸人らしからぬストイックさでゲームに打ち込み続ける。彼をそこまでに突き動かすものは何なのだろう。

小籔千豊(以下、小籔) 『FORTNITE』が面白いとか楽しいというのはもちろんあるんですけど、2年も続けているのは、多くの方に小籔がゲームの世界に来たことは無駄ではなかったなと思ってもらいたいからです。ゲーム配信者の先輩や『FORTNITE』をプレイしている人たちに認めてほしいし、もっと盛り上がってほしい。そして『FORTNITE』をもっと多くの人に知ってほしい。そのためにも僕がもっと上達しないといけない。そしてゆくゆくはFNCSという世界大会に出たり、アジアのランカーになりたいなと。それが大きな目標です。

FNCS(Fortnite ChaChampion Series)はEpic Gamesが主催する『FORTNITE』の公式大会。随時実施されており、各地区でチャンピオンになると数百万円の賞金を手にすることができる。日本のプレイヤーはアジア地区に属しており、数多くのプレイヤーがその頂点を目指している。

小籔 まあ、FNCSに出るという目標は、子どもがプロ野球選手になりたいと言っているくらいの叶わぬ夢なんですけど(笑)。現実的な夢としては親子大会(フォートナイト下手くそおじさん主催『第3回 親子大会featuring Fortnite』)ですね、これを大きくしていきたい。たくさんの子どもたちに参加してほしいし、大会の様子を見てもらったり、『FORTNITE』を知ってほしい。親子大会をやっていく以上、大会の出場者の中で僕がドベじゃダメなので。それで毎日練習しているんです。

「親子大会」はプレ大会を経て2021年から実施。どんどん規模が大きくなっており、2023年4月に本選が実施される第3回では、予選から1000組以上の親子が参加する予定だ。

小籔 親子でゲームをやっていると仲よくなるし、親も子どもも意外な一面を見つけることができる。ゲームもいいものだなと、ゲーム反対派の親御さんに思ってもらえたらいいなと思っているんです。ゲームに興味のないおじさまおばさまが『FORTNITE』に興味を持つための窓口になれたらいいなと思っています。

エンジョイを優先しない
ストイックな人生が得られるもの

小籔千豊,フォートナイト,ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由

毎日毎夜『FORTNITE』をプレイし続ける。4000時間を超えるプレイ時間を経て、小籔さんが手に入れたものとは。

小籔 ここ2日くらいいい感じで一皮むけたなと思っていると、3日目にはもとに戻って下手になってる。2年間やってきて、めっちゃ強くなったやん!と感じたのは2、3回しかないんですよ。こういうのって山登りと一緒で、一歩一歩あがっていくしかない。苦しい苦しいって言うてたら、気がついたら頂上に着いていたみたいな。でも、苦しいことを嫌がるようでは上手くなれない。僕はスポーツ番組をやっていたときに、いろいろなオリンピック選手や野球選手、サッカー選手にお話を伺いましたが、みんなそう言うんです。柔道の髙藤(直寿)さんも『FORTNITE』仲間なんですけど、強くなるには地味な繰り返しの基礎練習を欠かさないことだとおっしゃっていて。誰もがそうなんだなと。目標を立ててコツコツすること。それができるかできないかという話だと思います。僕はジェニーハイというバンドでドラムを叩くことになったときもそれを感じていましたし、『FORTNITE』でもコツコツの重要さを今感じています。

上を目指す者の苦しさを受け入れて小籔さんはストイックに今日もプレイを続ける。小籔さんは著書『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』でも「父親、旦那、座長は人生エンジョイする必要なし」と自らの座右の銘を語っている。エンジョイを切り捨てて、小籔さんはストイックを選んだ。

小籔 基本的に僕、人生を楽しむ必要はないと思っているんです。エンジョイということは、自分の人生では優先度が低いんですよ。エンジョイすることを優先するだけなら、仕事なんてしないで、嫁はんに働いてもらって、家でゴロゴロしていればいい。ゲームも上手くならんでもいい。でも、それじゃ自分が目指しているものにはたどり着かない。たぶん、自分はすべてをやり抜いた先のものを求めているんだと思うんです。そこにきっと、満足感があるんでしょうね。僕が『FORTNITE』をこれから何千時間もやり続けて、その先にFNCSに出たとしたら、すごい満足感があるんだと思います。きっと泣くくらい嬉しいんでしょうね。僕はFNCSで泣くために、『FORTNITE』をしているんです。 

最後に、小籔さんがそこまで身を削る、マイ・ベストゲーム『FORTNITE』の魅力を語っていただいた。

小籔 やっぱり勝つと楽しいんですよ。新しい技を覚えても、なかなか試合では出せないんですよ。だから、試合中に新しい技を覚えて一本取れると嬉しい。今までの努力が報われた感じ。そういう感覚が味わえるのもスポーツって感じですよね。あとは芸人仲間としゃべりながら、ワイワイやったりとか。そういう部分での楽しみもあります。僕は苦しいとか、つらいとかそういう話ばかりしちゃいましたけど、みんなでいっしょにワイワイするのが一番楽しい。好きな者同士が集まって草野球をするのが一番楽しいじゃないですか。ぜひ、軽い気持ちで楽しんでほしいですね。

INFORMATION
小籔さんの最新刊
『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間も
ゲームをするようになった理由』
好評発売中!

小籔千豊,フォートナイト,ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由

『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』
著者:小籔千豊
定価:¥1,540
発行:辰巳出版

Profile/小籔千豊(こやぶ・かずとよ)
吉本興業所属のお笑い芸人。1973年生まれ。吉本新喜劇の座長を15年以上にわたり務め、ジェニーハイのドラマーや俳優としての活動も多彩。2020年から、フォートナイト下手くそおじさんとしてYouTubeチャンネルを開設。配信中は「姫」と呼ばれる。

Photography_SATOSHI OMURA
Interview&Text_HIDEKUNI SHIDA

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  • 子どもの影響で『FORTNITE』を始め、今や総プレイ時間は4000時間を突破したという小籔千豊
  • 子どもの影響で『FORTNITE』を始め、今や総プレイ時間は4000時間を突破したという小籔千豊
  • 小籔千豊の著書『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』

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この記事を書いた人

志田英邦

志田英邦

ライター、編集者。ゲームを作ったり、小説を書いたり、本を作るお手伝いなどいろいろ。日々さまざまな制作現場にお邪魔して面白いことを探しております。美味しいカレーと極上のうどんを探し求めつつ。

Twitter:@shidaill

Instagram:@hidekunishida

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