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【ポケトークを英会話で活用】イケメン英会話講師・ジュリアーノ熊代がもくろむ“日本人の英語への苦手意識”の払拭

――ジュリアーノさんのポケトーク×英会話のメソッドを生徒さんが英会話の授業で習得したら、英会話以外、ポケトークに入っている他の言語を自分でそのメソッドを使って覚えていくことも可能になったりするわけですか?

ジュリアーノ:それももちろん可能です。僕自身、母がブラジル出身で父が日本人のハーフなんです。ですが、日本で育ったので僕は英語も(ブラジルの公用語である)ポルトガル語もどちらも話せなかったんです。それで、学生時代から英会話を独学で勉強してなんとなく会話ができるようになってきたのが18歳の頃。それで、今から4年くらい前の28歳の頃にポルトガル語もやってみようかなと思って、勉強を始めたんですね。

ポルトガル語は今でもオンラインレッスンを受けているんですが、最近ようやくポルトガル語で(新世紀)エヴァンゲリオンの説明ができるくらいまでにはなりました(笑)。自分でポルトガル語の勉強を始めてわかったことなのですが、英語ができるとその文法の知識を生かすことができるんです。

やはりヨーロッパの言語で同じラテン系の言葉なので、文法のようなベースが基本同じなんです。違う部分はもちろんありますが、英語の基礎ができていれば、ポルトガル語を学ぶのは圧倒的に簡単なんです。何なら、英単語をちょっとポルトガル語っぽい発音で言うと伝わってしまったりして(笑)。語彙(ごい)も共通している部分があるので、英語ができればその次の第3カ国語を学ぶハードルはかなり下がってくると思うんです。

――我々は英語すら話せないのに、第3カ国語なんて夢のようです。

ジュリアーノ:日本人のそういう思い込みを、もっと手軽に話せるようになるよというのを伝えていけたらいいなと思いますね。まずはポケトークを使った英会話でコミュニケーションをとる楽しさを感じられたら、さらに他の言語も話してみたいっていう気持ちになっていくんじゃないかな。

『憧れのフランス語も話せちゃうんじゃないか?』って、ユーザーの興味が広がっていったらこちらとしてはすごく嬉しいですね。ただね、いきなり日本語からフランス語となるとすごく難しい。そこに英語が入ることで、難しさという課題が一個クリアになるんです:

――ジュリアーノさん自身が元々英語を話せなかったことが意外です。ご自身はどのように英語を勉強していったんですか?

ジュリアーノ:僕は和歌山県で育ったのですが、父が元ECCの講師でして、僕が10歳くらいの頃に独立して自分の英会話教室を作ったんです。父の英会話のレッスンも受けていたのですが、その頃の僕は不真面目でまともに授業に行かなかったんですね。それで業を煮やした父から、僕が17歳のときに『アメリカに留学してこい』って言われて。

僕はその頃好きだった漫画の影響で、どうせ留学するなら中国がいいなと思いつつ(笑)、父の言いつけ通りアメリカに渡ったんです。当時、全然勉強をしていなかったくせに根拠のない自信と無駄なプライドだけは持っていたんです。

それでアメリカの学校でクラスメイトと話したときに、全然言葉が通じなくていきなり心を折られまして。これはちゃんとしなくちゃいけないなということで、トライアンドエラーの繰り返しでなんとか英語を習得しました。

つまり、僕はネイティブではないおかげで、日本人の方がどうやって頭の中で日本語から英語に組み替えていくかということがよく理解できるんです。そのおかげで、今も自分なりの英会話のメソッドがあって、さらにポケトークを使えばさらに英会話が学びやすくなると思ったことがポケトークの導入につながっていくんです。

――英語の勉強でポケトークを使うって、ちょっとだけズルしている気分にもなります。

ジュリアーノ:子供に算数のドリルの問題を解かせるときに電卓を使ったらそれはズルだし、その子の身にならないですよね。でもポケトークって単なる電卓ではないんです。僕の英会話メソッドの話でもあるのですが、日本人って、最初に思いついた文章を頭の中で英語に変換しようとするんですね。これが、日本人が英語をうまく話せない理由でもあるんです。

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4.英語に訳しやすい
日本語の文章の変換が
英会話力を向上させる
カギを握る!

――日本語から英語に変換するのに時間がかかってしまうことが、会話をスムーズに成立できない原因となるということですね。

ジュリアーノ:例えば【買い物はいつも銀座です】という日本語の文章があって、【I go to ginza-for shopping often】のような英語に置き換えるのに時間がかかるんですね。なので、そもそも言いたい日本語から英語に変換する前に1度、“日本語から英語にしやすい日本語”に置き換えるんです。これは私の出版した本にも書いてあるメソッドです。

――さりげなく本の宣伝を(笑)。

ジュリアーノ:コレに慣れてくると(訳すのが)難しい日本語を(訳すのが)簡単な日本語の文章に組み替えれば英語が口からスラスラ出てくるようになるんです。例えば【二児の母です】という文章の場合、【二児】という言葉で詰まってしまいますよね。なので、まずは【私には子供が二人います】という日本語に置き換えるんです。そうすれば【I have two children】と簡単な英語で表現できるようになるんです。

――なるほど。二児という英単語がわからなくても、日本語の文章を変えるだけで言いたいことを簡単な英語で伝えることができるんですね。

ジュリアーノ:つまり日本語から日本語への変換が英会話においてものすごく重要になるんです。そういう僕のメソッドがありつつ、ポケトークも時折(ときおり)、誤訳が起こります。

日本語って会話の文脈に合わせて情報を削いでいく言語なので、わかりきっていることは言わない日本語となると、ポケトークでも訳し切れない部分が生じるわけです。すみません、ポケトークをリリースされている方の目の前で(笑)。

渡辺:それは、今後うちとしても改善していくべき部分なので意見を言っていただけるとありがたいです(笑)。

ジュリアーノ:例えば【牡蠣に当たった】という文章。ポケトークに訳してもらうと【Hit a oyster】となります。当たったがHitになってしまうわけです。だから、これも一度訳しやすい日本語に変換するんです。【私は牡蠣を食べました。そして病気になりました】という文章だと、【I ate oyster. And I got sick】とポケトークも変換してくれるので、外国人にも伝わる英語になるわけです。

なので、ポケトークを使って訳してもらうことで、意味の伝わる英語になるのかを自分で確かめることができるんですよね。つまり、英語に訳しやすい日本語の文章に変換するという作業がものすごく大切で、英会話にとってもポケトークを使いこなすことにとっても、どちらにも役に立つんです。

だから、単なる『ポケトークがあれば英語力はいらないね』という議論ではなく、このスキルを身につけることが重要ということなんですね。英語に訳しやすい日本語の文章に変換した上で、単語がわかれば自分の言葉で話せるし、単語がわからなければポケトークを使えばいいという違いなので、これは両立していくものだと思うんです。

――出版業界でもポケトークを持って海外出張に行く人は多いのですが、つい先日も知人が「自分の日本語を正しく訳してくれているのかという部分は、相手の(外国人の)顔色を伺うしかわからない」と言ってたんです。「正しく伝わっていればいいけど、怪訝(けげん)な顔をされたら、何か間違って訳されているんじゃないかって思うけど、そこから先、どうしたらいいかわからなかった」ということを言っていて。ジュリアーノさんのメソッドに従えば、そのズレを最小限に減らしていくことができるということですね。

渡辺:翻訳の世界って体験と体感でしか精度を測れないので、我々としても、教育や海外旅行などいろんなところで、とにかく使っていただくっていうことが大切なんです。

最初はポケトークとの両立で会話を成立させていって、ポケトークなしでも話せる領域が広がっていって相手と会話ができている実感が湧いてくると、ますます楽しくなるという部分が教育ツールとして役立つことになるんじゃないかと。外国人と接する機会が少ない日本では、英会話スクールといった実際に英語を使う場所でポケトークを活用していただくことがまさに体験・体感につながるのではないかと思っています。

5.ポケトーク×英会話スクールを
広めるためのトライアル期間

――ズバリ、英語ができるジュリアーノさんのような方にとって、ポケトークは必要な存在なんでしょうか?

ジュリアーノ:僕自身は“英語を話す機会のある人”全員にポケトークを持っていて欲しいという思いがあるんです。僕自身、英語は第二言語なので、普段の日常生活で使わなかったり、専門分野でしか使われない英単語を知らないことっていっぱいあるんです。英語のプロとして教えている立場でも、得意分野と苦手分野がある。

僕の場合は医療の分野が苦手。ちょっとした病気の名前などもすぐには出てこないんです。ただ、その言葉を使うのって、海外旅行に行って具合が悪くなって病院に行ったときというシーンに限られてくるので、そのときはポケトークに頼ればいいかって思うわけです。

建築用語や医療用語、歴史などすべての分野を自力で網羅(もうら)できるほど大人は暇ではないので、難しい単語はポケトークに頼って、すべてのベースとなる英会話というコミュニケーションというスキルだけ伸ばせたらいいんじゃないかって思っています。

渡辺:僕自身、アメリカに住んでいた時期もあったのですが、仕事上の英会話ってある程度その分野に対しての知識もあるし、共通認識もあるので、使う単語って少なくて済むんですね。ただ、パーティだったり、病院だったりといった特殊な場合も、自力で英語で話す必要があるのかなと感じていたことはあります。

――そうなると、英会話スクールでポケトークを学習教材として使いたいと思う企業は増えてくると思います。

ジュリアーノ:僕のメソッドは、僕だけが独占するつもりは全然ないんです。こういったメソッドがもっと広まって大手の英会話スクールに採用されたら、日本人の英語の苦手意識が劇的に払拭(ふっしょく)されるんじゃないかと思っているんです。

今だと大手の英会話スクールはポケトークを競合他社だと認識しているところが多いんですね。ポケトークがあると英会話スクールの需要が減ってしまうのではないかという危機感を持っているんです。そうではなく、相互にサポートしあえる存在だし、ポケトークがあるおかげでみんなの英会話力が向上するという意識へと改革できたらいいなと思っています。

渡辺:実際に、ポケトークを使って英語を勉強したいという方も増えているわけですからね。日常的に使う部分はしっかり学びつつ、それ以外はポケトークで補佐ができたらいいなと我々としても感じています。

ジュリアーノ:現在100万台近く売れているのに、ポケトークを上手に活用した英会話スクールがまったくないというのが現状なんですよね。現在は僕の英会話スクールでポケトークを使用したコースをスタートしましたが、いずれは英会話でポケトークを使うことが当たり前になり、わざわざコースを分けなくても良くなれば、と考えています。

渡辺:ポケトークを使った英会話スクールで習得した生徒が、会話のレベルテスト『CEFR(セファール)』で本来ならこのレベルに到達するのに2年かかるものが1年に短縮できた、といった目に見える実績がないと人は納得しないと思っているので、ここは2〜3年程度、ジュリアーノさんの英会話スクールで実績を積み上げていくことが必要だなと思っています。

――ジュリアーノさんの英会話スクールでは、すべての授業をポケトークありきに切り替えているのですか?

ジュリアーノ:僕のところでもトライアル期間が必要なので、現在通っている生徒さんとは別に、ポケトークありの2カ月間の授業をモニターの生徒さんを募集して行いました。その中でも改善すべき部分はいろいろと見つかっています。

例えばオンライン英会話だと、みなさんがイヤホンをつけて行うことが多いのですが、先生の声をポケトークに吹き込むときにイヤホンを直接ポケトークのマイクに当てていた人がいたんですが、それだと全く聞き取りができなかったりするんですね。

渡辺:PCなどのスピーカーからの声だと、集音エラーになってしまってなかなかうまくいかないと行ったこともあるんですよね。

ジュリアーノ:なので、メソッドはあるものの、実践において想定していなかったことがいろいろと起こってくるので、今はモニターの生徒さんへの授業を通して、トライアルを繰り返していろいろ改善していく作業が必要だと思っています。

――実際にポケトークを使った授業を受けた生徒さんの反応はいかがでしたか?

ジュリアーノ:自分が話した日本語が瞬時に英語に訳されていくというポケトーク本来の機能に対しても反応はいいです。また、英会話スクールではご法度的存在の、ポケトークを持ち込んで授業を受けるという背徳感というかズルをしている気分が楽しかったりもするみたいです(笑)。

また、スクール以外の場所で予習や復習をする率も高まっています。先生が目の前にいなくても正しい発音が繰り返し聞けたりするだけで、自分で勉強する際の効率もよくなりますよね。さらにポケトークって何を訳したかという履歴が残るんです。なので、先生の英語で聞き取れなかったものや、自分ではこう言いたかったのに、きちんと英語に変換できなかったというデータがすべて残るので、あとから見返すのに最適なんですよ。

――自分でノートを取るという手間が省けると。

ジュリアーノ:従来は生徒さん、もしくは先生がノートを取っていましたが、それも先生のスキルによって大きく変わってくるので、人によってブレが出てしまうんですね。それを全部データとして残してくれるので、すごくいいデータベースとして蓄積していけるところがめちゃくちゃいいんです。

――どのくらいの保存容量があるんですか?

渡辺:個人情報なのでセキュリティーが必要で削除するかどうかの選択権はご利用者様に委(ゆだ)ねていますが、データ自体は制限なく保管可能で、ポケトークセンター経由でパソコン端末で確認することもできます。

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6.ポケトークを使って
言葉の壁をなくしていきたい

――目指しているのは英会話スクールでポケトークを活用するということだけでなく、ポケトークを使って英語のスキルをアップさせることができるという考え方を広めていくということですね。

渡辺:そうですね。当社のミッションとしては、“言葉の壁をなくす”ということを掲げているので、言葉をしっかり学ぶのをサポートすることも言葉の壁をなくす一つの方法だと思っているので、効率的な英語の学び方を広めるという形で貢献できればと思っています。

また、日本で働く外国人の労働者の方々も日本で働くために日本語の検定を受けてからとなっていますが、いざ日本に来るとなかなか言葉が通じないという現状もあるんです。なので、派遣先の国に対しても、ポケトークを使って効率的に学ぶことができるノウハウを提案していきたいと思っています。

英会話スクールなども同じなのですが、段階的に学習しつつ最後はポケトークに頼る分野を狭めていって、最終的にはポケトークなしで話せるというスキームを作ることがベストだと思っているので、それを理想に掲げて訴求していきたいと思っています。

ジュリアーノ:今おっしゃった“言葉の壁をなくす”という言葉は私を含め、多くの英会話スクールが抱いているビジョンなはずなんですね。そして、どの分野においても、新しいものは次々と現れてくる。例えばテレビにおいてはネット番組であったり、書籍だったら書店とオンライン通販など。

新しいものが出てくるのは止められないからこそ、元々ある既存の勢力が、それまでのノウハウを生かしてどんな新しいことを提案できるのかを考えることが大切だと思うんです。せっかく便利なものがあるのに、それをないものにしてしまうのはもったいない。だから、ポケトークと英会話教室も手を取り合って、言葉の壁をなくすために尽力していけたらいいなと思っています。

ヤマトイングリッシュ
「ポケトーク活用コース」のご紹介

形式:対面、もしくはオンラインレッスン
料金:¥44,000/月 60分×4回
内容:本コースに入会された方には、学習ツールとして「ポケトーク」を付与。既に「ポケトーク」をお持ちの場合は、入会金(5,500円)が免除されます。

Information
ジュリア―ノ熊代著書
『have do getで
英語は9割伝わります! 
とっさの英語に強くなる! 
魔法の万能3動詞』
好評発売中

【ポケトークを英会話で活用】イケメン英会話講師・ジュリアーノ熊代がもくろむ“日本人の英語への苦手意識”の払拭

¥1,650(世界文化社)

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PROFILE/ジュリアーノ熊代
じゅりあーのくましろ●英会話講師/ヤマトイングリッシュ代表。日本人の父とブラジル人の母を持つハーフ。見た目は完全に外国人だが、東京都日野市生まれ、和歌山県育ち。そのため、もともと英語は全く話せなかった。赤点レベルの英語力で、17歳で単身10カ月の米留学へ。絶望的に通じない日々に挫折を味わうが、あの手この手で伝わる英会話を模索。帰国後、英検1級、TESOL(英語教授法)の課程を修了し、1000人以上の生徒に英会話を直接教える中で独自のメソッド「ヤマトイングリッシュ」を確立。特技は空手(三段)と居合道(三段)。趣味はプラモデル製作。2020セミナーコンテスト東京大会優勝、全国大会3位。NHKや日本テレビなど、様々なメディアで翻訳や通訳、出演などで活躍中。

インタビュー&文=佐藤玲美
写真=smart編集部

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06

20:00

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