DJ KOOはBIG BOSS新庄剛志監督をリスペクト!“KOOなりたい自分になるため”のファッション&スタイル
国民的ダンス&ボーカルグループTRFのDJ、リーダーとして日本のダンスミュージック界をリードし続けてきた男、その名はDJ KOO。近年では、その独自すぎる派手なファッションと親しみやすいキャラクターが老若男女から幅広く支持を集め、還暦を迎えてもなお、現役で大ブレイク中! そんなDJ KOOさんが、8月末に著書『あと10歳若くなる! DJ KOO流 心・体・脳(シンタイノウ)の整え方』をリリース。しかもなんと、自身初となるビジネス実用書なのだ。
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気になるのは、その本の中身。同書では、彼自身が病気をきっかけに取り入れるようになった、日々の生活の中で誰でもすぐに実践できる54の“小さな習慣(ルーティーン)”を紹介。要は心身ともに健康でいるための秘訣が詰まっているというわけです。今回は同書の発売を記念し、DJ KOO さんに“なりたい自分、周囲から見られたい自分”になるためのセルフプロデュースについて、KOOさん自身のパーソナルな部分、さらには“生き方”ついて語っていただきました。
音楽と同時に視覚的にも
テンションが上がるような格好をしよう!
そして行き着いた答えが“立体感”
――まずは著書『あと10歳若くなる! DJ KOO流 心・体・脳(シンタイノウ)の整え方』の発売、おめでとうございます!
DJ KOO:ありがとうございます!
――smartは20代男性がメインターゲットの雑誌になりますので、今回のインタビューのテーマは、著書にも記述のあった“ファッションとセルフプロデュースについて”に設定しました。まずはKOOさんのファッション遍歴を振り返ってみたいと思います。
DJ KOO:20代の頃、第1次サーファーブーム真っ只中でTシャツ&短パンにサーファーカットみたいな。とにかくサーファーファッション一色。それで、その格好でディスコでもDJをやっていました。1980年代後半になってくると、バブリーに肩パッド入りでパワーショルダーのスーツとか。そんな時代でしたね。ずっとディスコで働いていたんですが、当時は、ファッションや音楽といったカルチャーの発信地が夜の街にはたくさんあって。
――時代の中で、カルチャーとともに変移(へんい)していったと。
DJ KOO:そうですね。その後の1990年代に入ると、今度は〈ポールスミス〉などのカジュアルハイブランドを愛用するようになりました。あと流行っていたところだと〈キャタピラー〉とかも着ていましたね。それをTRFでレコーディングをしに行ったロンドンで買ってきたりして。レザーライダースやテーラードジャケットも着ましたね。当時は色も黒が基本。シックなアイテムを、自分なりに格好良くアレンジしつつファッションを楽しんでいました。
――KOOさんといえば、髪型の変遷(へんせん)も気になります。
DJ KOO:90年代のTRF初期はドレッドヘアで、ファッションも音楽も色々と新たなジャンルが誕生してきた時代なので、そういった“ミクスチャー感覚”を自分の中に取り入れるように意識していたと思います。例えば、パンキッシュなアイテムを取り入れながら、ハイブランドのジャケットを合わせるとか。そういう時代でしたね、90年代は。
――それはDJとしてのスタンスとも共通する部分はあるんですか?
DJ KOO:90年代中頃にThe Prodigy(ザ・プロディジー)に代表されるようなデジタルロックが出てきたりして、そういった音に自分を合わせていく感覚はあったかもしれません。同じように、ボビー・ブラウンやMCハマーなどニュージャックスウィングというジャンルが一世を風靡(ふうび)した80年代後半には、スクエアカットの頭にサルエルパンツを穿いたりしていましたし。音楽から影響を受けるというのはすごくありました。
――いまや数十メートル先からでも分かるほど、派手で個性的なファッション=DJ KOOというスタイルを確立していますが、そういうスタイルになったのはいつ頃からでしょうか?
DJ KOO:TRFが20周年を迎えたタイミングで、「それぞれソロ活動を活発にしていこう」という話になり、「DJをやるなら派手に盛り上げていけたらいいな」という思いもあって、段々と色数を増やしたり、装飾物を付けていくようになって。要はソロアーティストとしての“DJ KOOアピール”ですね。DJはDJブースの中から、フロア全体を盛り上げつつ音楽を発信していかなきゃいけない。そこで“グループとしてのDJ KOOとは違う存在感”を主張していきたいという考えから、「音楽と同時に視覚的にもテンションが上がるような格好をしよう!」と思うようになりました。
――音楽以外のビジュアルも含めてのDJというスタンスのDJと、あくまでかけている音楽が主役というスタンスのDJ。DJには両方のタイプがいると思いますが、KOOさんの場合はいかがでしょうか。
DJ KOO:例えば、ハウスDJだったら“照明とミラーボールが煌(きら)めくコンクリート打ちっぱなしのフロアで、あえてTシャツ&キャップ姿で淡々とレコードを回しているのがシブい”みたいな美学はありましたが、僕の場合は“オーディエンスにも盛り上がってもらいたい、勢いのあるDJスタイル”。なので、自(おの)ずとファッションにも勢いを求めるようになっていって。そこで行き着いた答えが、最近だと“立体感”です。キャップやサングラス、腕回りのアイテムなど立体的な要素を身に着ける面白さですよね。それによってコーデがパキっと際立つというか。ある意味コスプレにも近い感覚で、インパクトがあるなと思いましたね。
文末に「!」を2つ付けて、
最後は「DO DANCE」で締める
――なるほど。たしかに髪、服、小物による複合的な色の組み合わせが、立体感を生み出しているような印象を受けます。ちなみに、衣装はスタイリストさんがご用意されているんですか?
DJ KOO:そうです、そこに私物もミックスしつつ。なので、私服で現場入りして衣装に着替えて、仕事が終わってまた私服に着替えて帰っていく際に、いつ衣装から私服に戻ったのか分からないなんてこともあります(笑)。スタイリストさんはトータル的な“映え”を意識しつつ、雑誌取材・ジャケット撮影・TV収録とメディアに合わせたスタイリングを考えてくださるので、いつも助けられています。
――「娘さんからシャーペン(シャープペンシル)についてアドバイスをもらって、実際にそのおすすめのシャーペンを自分でも使った」というエピソードが著書でも語られていましたが、同様にスタイリストさんから、おすすめやトレンドを学ぶというのはよくあるんですか?
DJ KOO:そうですね。僕も多彩なジャンルの方々とコラボさせていただく機会が多いんですが、相手のことや、何をどうしたいかも知らなかったら、セッションなんてできないじゃないですか。そんなときは、その相手自身やその道のプロにご意見を伺っちゃうのが1番手っ取り早いんですよね。すると自分がミックスしたときに、「あ〜、こうなるんだなぁ」っていうのも分かりやすい。ファッションも一緒ですよね。なのでスタイリストさんだけでなく、娘にも色んなことを聞いて、教えてもらっています。
――例えばそれはどんなことですか?
DJ KOO:つい先日も、TikTokでDJをやる機会をいただいたんですが、TikTok“ならでは”の選曲って難しいんですよ、やっぱり。そこで娘に聞いたら、「ダンス系だったらこの曲とこの曲とこの曲が人気だよ」とか「この曲だと2番のサビしか使わないから」などのアドバイスをもらえたので、その声を参考にセットリストを作りました。
――まさに“家族のサポート”ってやつですね。
DJ KOO:“家族ぐるみで”っていうのは、ウチの場合すごく多いです。衣装に関しても、DJ KOOらしいスタイルとなると、自ずと派手なモノを探してくることになるんですが、やっぱりブランドやお店選びの選択肢にも限りがあって。さすがに同じモノを着回しすぎて被るわけにもいきませんし……。そこで娘や妻が、「どこどこに派手なお店があったよ!」ってリサーチしてくれたり、めちゃめちゃピンクの柄物パーカを見つけてきて、「これを着たら可愛いんじゃない?」ってアドバイスしてくれたり。その気持ちが嬉しいし、本当にありがたいですよね。
――またそこで“相手の言葉に耳を傾けて、トライしてみる”っていうのが、大人になればなるほどできなくなっていくじゃないですか。そう考えると、とても素晴らしい姿勢だと思います。ちなみにモノ選びのこだわりってありますか?
DJ KOO:そうですね。服で言えば“そのモノ自体が可愛いかどうか”よりも、“僕が着て可愛いかどうか”という感覚は意識しています。あと、これだけ派手な格好ばかりしていると、シンプルなキラキラ系が新鮮に感じられたりもします。先日も家族からの誕生日プレゼントとして、すごくシンプルな黒地にキラキラした柄がデザインされた服をもらいました。「これは大人っぽいね」と言ったら、家族からも「いいじゃん、いいじゃん♪」って。もうとっくに大人なんですけどね(笑)。
――著書の中には、「服装からの視覚情報が話の糸口になったりする」という一文もありました。「見た目でパーソナリティを伝えることは、相手のためにもなるし、自分のためにもなる」とも書かれていましたが、噛み砕くとどういう意味合いでしょうか?
DJ KOO:僕の場合はちょっと特別かもしれませんが、“とにかくDJ KOOを見ると元気が出る!”というのをフックにして、会話が盛り上がったらいいなぁとか。そういう感じですね。逆に相手から「今日もすごい格好ですね!」とか「いつもどこで服を買っているんですか?」など、格好やスタイルについて質問してもらったり喋ってもらうことが、イコールDJ KOOの自己紹介に繋がるんじゃないかなって思うんです。要は、“自分の服装やスタイルが、語らずとも自分自身を体現したものになっているといいよね”という意味合いです。
――自然な会話のキャッチボールを生む秘訣(ひけつ)ですね。相手だって、こんなに派手でハッピーなヴァイブスの人を目の当たりにしたら、思わず笑顔になっちゃいますし(笑)。また、“自分なりの言語や表現を持つ”というくだりもありましたが、代名詞である“DO DANCE”以外に、LINEやメールでのKOOさん流のテクニックがあれば教えてください。
DJ KOO:あとは“文末に「!」を2つ付ける”もそうですね。例えば「了解しました」って、よく上司や先輩に送るじゃないですか。その「了解しました」の後に「!」を2つ付けて「了解しました!!」にする。普通に送るよりも感情が伝わりますよね。それで最後は「DO DANCE」で締める。これだけで、なんとなく僕がこうして喋っているのと同じ雰囲気になると思いませんか? これをルーティーンにすることで、受け取る側との感情のズレが生まれることなく、前向きな会話もできるんじゃないかなと。そう考えて、実践しています。
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