「愛すべきパーティグルーヴァーたち」躍進を遂げたDYM MESSENGERSのKeitric&Takuyaが語る“孤高のストリート精神”【D.LEAGUE】

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

自分たちのままで勝ちたかった

――おふたりの思い出に残っているショーケースをひとつずつ挙げてください。

Keitric:エースも担当したROUND.3「TRIBE」がやっぱり思い出深いです。FKDさんがプロデュースしたタイトなビートの楽曲「the future」にヒップホップとHOUSEのコレオという構成。イントロのメロディーが壮大で、気持ちが上がるんですよね。

スターティングメンバーもTakuya君とYUUSHIN君以外は自分より年下の若手中心で、ハードなこともしやすかったです。チームのこれからを担うメンバーでもあるような気がして、より一層気持ちが入ったラウンドでした。

Takuya:俺のお気に入りは、自分は出てないんですけど、YUUSHINがエースを務めたROUND.4「Melting Pot」。側から見ていたからかもしれませんが、単純に好きですね。最初の始まりからの流れ、最後の展開まで好みです。

――出場するメンバーはどう決めているんですか?

Takuya:曲ありきで音楽の雰囲気にハマる人ですね。だからオーディションもチーム内コンペもないんですよ。ジャンルが定まっていて各自のテイストが近いチームだと、同じベクトルの強さで測るオーディションが効果的なのかもしれませんが、自分たちはやってることが全然違うから、自然と出場メンバーが限られてきてしまうんですよね。

Keitric:やっぱり、まず楽曲がカッコいいのは大前提。でも僕たちが踊っている姿もちゃんと想像できるというか、D.LEAGUEの舞台のこともイメージしなきゃいけなくて。いつも制作してくれるBudaMunkさんやROOT SOULさん、FKDさんはよく理解してくれているなと思います。

――ROUND.3といえば、KeitricさんがMVD(最優秀選手賞)を獲ったじゃないですか。そのときのMCで「自分たちのままで勝ちたかった」と発言されたのが印象に残っています。それについて詳しく聞きたいのですが、「自分たちである」ための軸とは?

Keitric:ソロを見ただけで誰かわかること。何を踊ってもその人だということですね。だからこそ、MVDで名前を挙げてもらったことは、ありがたかったですね。例えば、Takuya君のエースはリハも本番も毎回違う内容で面白い。その瞬間のインスピレーションで踊っている感じなんですよ。自分たちも楽しませてもらってます。チームで一番のエンターテイナー。

Takuya:でも今季のROUND.2は負けたんですよ。あまり気にしてないつもりでしたが、エースは審査項目のひとつなので、やっぱりデカい。「うわぁ」みたいな気持ちにはなりました。今は「いつか仕返しします」くらいのモチベーションです。

Keitric:やっぱりMESSENGERSにいる人たちは、いい意味で他のチームに馴染めない人たちだと思います。みんな違う要素を持っているじゃないですか。だから「もうこのチームしかない」という気持ちだし、最大公約数的なところで全員が納得しているんですよね。全員の好きなものが高いレベルで一致しているというか。

Takuya:最初は「俺らのままで、いい感じのショーを見せられれば勝てるっしょ」みたいな感じもあったんですよね。でもリアルな結果も見せられて(笑)、「どうせやるなら上を目指したくね?」という気持ちでした。

Keitric:バトルやコンテストで勝ってきた猛者揃いだから、シンプルにみんな負けず嫌いなんですよ。勝ち負けがつくなら勝ちたい。でも、自分たちのスタイルは曲げない。今季は見せ方さえ上手くやれば、自分たちのままで勝てると証明できました。それがMVDのときのスピーチだったんです。

D.LEAGUE 25-26、チャンピオンシップに臨むDYM MESSENGERS・Keitrick

D.LEAGUE 25-26、チャンピオンシップに臨むDYM MESSENGERS・Takuya

――他のチームで注目してるところはありますか?

Takuya:俺はLDH SCREAMですね。ちょっとお調子もので男が固まっている、あのバイブスが好き(笑)。応援したいとかではなく、普通に同じダンサーとして楽しそうなのがいいなと。

Keitric:自分はLIFULL ALT-RHYTHM。めちゃくちゃ個性的でMESSENGERSにいそうな人たちの集まりですよね。でも作品第一なスタンスだし、心打たれる瞬間もある。自分たちと対極のような「作品のため」のチームだなと思います。裏返しに似たものを感じます。言葉にしづらいけど、素敵ですね。

――Dリーガー個人だといかがでしょう。

Keitric:List::XRuna Miuraですね。一緒にショーもしたり、前から親交はあるんです。コメントや踊りで自分をさらけ出しつつ、ちゃんとお客さんをついてこさせてるのがすごいですよね。アブストラクト(抽象的)だけど、きちんと人に伝えられるダンサー。そこを尊敬してます。

Takuya:FULLCAST RAISERZKILLA TWIGGZが好きです。超おしゃれだし、人もいいし、いつでもグッドバイブス。踊りもだけど単純に人が好きです。それからM&A SOUKEN QUANTSJUMAですかね。踊りも異次元だし、ルックスも仕上がりすぎ(笑)。少ししか話したことはないですが、気になってます。

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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