「ユーモアとシリアスの二枚看板で勝つ」CyberAgent LegitのリーダーTAKUMIが語る、チームの強さと知られざるプライベートについてレギュラーシーズンは残り1戦
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
レギュラーシーズン終了間近のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」。ランキング上位を堅持し続けてきたのがCyberAgent Legitだ。ディレクターは昨季に2年連続「MOST CREATIVE DIRECTOR」を受賞したFISHBOYが務める。22-23 SEASONから今季のROUND13まで、レギュラーシーズンにおける黒星は4つのみ。この強さの裏側にあるものとは――。こちらも2年連続で「MVD OF THE YEAR」を獲得しているリーダー・TAKUMIに話を聞いた。
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白と黒で戦うと決めたのが転機
――今シーズンは残り2試合で黒星ふたつとは強いですね。
TAKUMI:新ルールが入ってきたので調整しながらの戦いではありましたが、上位をキープできています。チームの安定感が結果に結びついてきたと感じています。
――どんなところに安定感を?
TAKUMI:シーズン全体を通して良い作品をコンスタントに作るのに必要なのはダンスの上手さだけではありません。組織的なまとまりがないといけないし、ちょっとした不満でもチームワークって崩れていきますから。
――リーグ立ち上げから2シーズンまでは苦労が多かった印象でしたが、やはり組織力という観点で発見があったと。
TAKUMI:初年度はメンバーが集まり、右も左もわからないままのスタートでしたからね(笑)。誰が主導権を持って作るか、どういう役割分担にするのかも不明確で大変でした。
でも3年目に入り、僕なら振り付けや作品をディレクションするとか、アイデアを出す人は誰で、衣装や音源の担当の人は誰、という感じで分業されて。そのほうが各メンバーが得意なところで輝けるし、「チームとして滑らかに進んでるな」という実感があったのを覚えています。
――その実感があったのは、やはり22-23シーズン?
TAKUMI:そうですね。特にFISHBOYさんの提案で「ユーモアがある『白Legit』、シリアスな『黒Legit』の二枚看板で戦っていこう」と決めたのは大きかったです。戦い方を決めたら自分たちの強みがハッキリして、「あとは何をしても勝てる」みたいな感じになっていきました。
――今季からの新ルールである「エースパフォーマンス」と「シンクロパフォーマンス」についてはいかがですか?
TAKUMI:エースに関しては、個人の直接的な貢献で1票が決まるので残酷ですが、観る側からすれば1 on 1な感じで面白いと思います。ただ2-8(4小節)という短い時間にブレイキンとかで大技をやられたら、立ち踊り側からしたら結構厳しいんですよね。
――今季、エースを3回担当されていますが、プレッシャーは?
TAKUMI:もちろんあります。一番嫌なのが結果発表の項目の最後なところ。そこが取れればSWEEPかもしれないときに落としたら「ごめん!」という感じになりますし。
ただ自分はリーダーなので、指名されたらプレッシャーよりも「俺が勝たないと」という責任感しかないですね。結果的に1回目は落としましたが、2回目で感覚を掴んでからは勝てています。
――賛否の分かれる「シンクロパフォーマンス」についてはどうでしょう?
TAKUMI:これは正直やめてほしい項目です(笑)。システムが嫌という意味ではなくて、誰かがズレたらダメなので息ができないという意味合いですけど。ただ僕らはプレイヤーですから。「そのルールのなかでどう戦うか」だけ。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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