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“肉体派舞踏集団”FULLCAST RAISERZ・KID TWIGGZが今思うこと「クランプが人生を支えてくれた」ボディメイクはゴールドジムで

執筆者: 音楽家・記者/小池直也

D.LEAGUEを戦うFULLCAST RAISERZのKID TWIGGZ

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いよいよ佳境を迎えた日本発のプロダンスリーグ「D.LEAGUE 24-25」。全14チームのなかでも、力強い「クランプ」というジャンルを武器に「肉体派舞踏集団」と恐れられてきたのがFULLCAST RAISERZだ。リーグ立ち上げ時からの強豪チームでありながら、今季は苦戦を強いられているグループの中から、今回RAG POUNDの一員としてアーティスト活動も行うKID TWIGGZに話を聞いた。クランプに人生を変えられた彼は今何を思う?

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メンバー同士がぶつかり挑んだエース試合

D.LEAGUEを戦うFULLCAST RAISERZのKID TWIGGZ

――立ち上げから約5年、Dリーグの始まりから今まで参加されてきて、盛り上がりをどのように感じていますか。

KID TWIGGZ:簡単にまとめるのは難しいんですが、個人としてもリーグのレベルとしても進化してますね。今でも過去の作品を見返すんですけど、どのチームもダンスのクオリティや会社のサポートもレベルアップしてるなと。ダンサーだけでなく、会社同士の勝負みたいなものも年々感じてます。

――どのくらいの頻度で練習されています?

KID TWIGGZ:週5か6日ですね。全体のスケジュールを見て、たまに週2日休みがあると嬉しいです(笑)。でもオフでも結局は体を休めながら、次のことを考えたりするので「ゆっくり休む」という感覚はないかも。常にみんなと何かしら連絡を取って動いてますよ。

――毎回のショーケースはどうやって考えているのか教えてください。ディレクターが中心?

KID TWIGGZ:メンバー同士で基盤を作った上で、ディレクター兼選手のKTRが自分たちの意見を吸い上げつつ、最終的にまとめてくれる感じです。

D.LEAGUEを戦うFULLCAST RAISERZのKID TWIGGZ

――RAISERZの武器とするジャンル「クランプ」について、ご自身はどのように理解しているのでしょう?

KID TWIGGZ:難しい……。「パワフルで自分のエナジーを解放するダンス」と言えばわかりやすいですかね。人の気持ちを出すからこそ、観た人の心に刺さる踊りになるのかなと思っています。コンテンポラリーみたいに自分自身の想いや考えを表現するのも特徴。十人十色のクランプがあるから国ごとにカラーが違うんです。

日本は繊細でクリエイティブな印象ですね。たぶん僕がチームで一番、あちこちの国に行っていると思います。学生のときに春休みの2カ月くらいを使って本場のLAに行って、レジェンドであるタイト・アイズ氏に直接教わったのも刺激になりました。

――なるほど。RAISERZは重めの曲調なだけでなく、しっとりした音楽で表現するショーケースでもエモーショナルな表現をされますね。

KID TWIGGZ:重いトラックでパワーを表現するだけではなく、悲しみや葛藤だったりを、静けさのある音楽で踊ることによって伝えやすくなるんですよ。そこはいろいろとトライしてきた結果ですね。

――ROUND.7とROUND.11で担当したエースパフォーマンスについても教えてください。

KID TWIGGZ:1回目は直球のクランプ作品でエースを任せてもらったんです。相手チームKADOKAWA DREAMSのエースはMVDを2連続で獲っていて、僕らの作品も一緒に作ってもらったことのあるKELOさん。このときは「自分のベストを出して、どう評価してもらえるか?」という気持ちで楽しめました。

一方、ROUND.11のほうは自分がディレクションまで担当して、全部を任せてもらったショーケースだったんです。さらに勝てない状況が続き、チーム内で想いをぶつけあった上で臨んだ変化球な作品でもあって。さすがに緊張しましたね。やっぱり個人が1票を背負うというのはデカい。

この記事を書いた人

音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。

X:@naoyakoike

Website:https://smartmag.jp/

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