「AIがマレーシア旅行でのピンチを救ってくれた」AIと歩くクアラルンプール街歩き【後編】
執筆者: モバイル・ITライター /石井 徹
### 時間との戦い、そしてAIの的確なアドバイス
想定以上の広さと見どころの多さに、すっかり時間を忘れて探索していました。気がつけば、予定の出発時刻を大幅にオーバーしていました。これはマズイ。当初の予定では9:30にはバトゥ洞窟を出発し、余裕を持ってプトラジャヤモスクへ向かうはずでした。でも実際には12時前。このままプトラジャヤに行って、17時までにホテルに戻れるのだろうか?
Geminiと建てたもとの旅行プラン
3時間遅れで駅を出発することに
心配になって、より高性能なOpenAI o1モデルを搭載したChatGPTに詳しい分析を依頼。すると驚くほど緻密な分析が返ってきました。12:02バトゥ洞窟駅発→14:15頃プトラジャヤモスク到着というルートで、電車とGrabを駆使すれば「不可能ではないが、かなりタイト」な状況だと分析してくれたんです。しかも、夕方の渋滞リスクまで考慮した上で、「16時以降は徐々に渋滞が始まる」「金曜は特に混雑する」といった現地事情まで。
さらに「プトラジャヤは外観だけサッと見て写真を撮る程度にするか、思い切って市内観光に切り替える」という代替案まで示してくれました。
「不可能ではないが、かなりタイト」な旅程を渡して、ChatGPTに練ってもらったリカバリープラン
でも、ここで新たな問題が発生。GrabでiPhoneの本人認証ができず、一時はどうなることかと。幸い予備のAndroidスマホで何とか解決できましたが、海外での配車アプリ利用って意外とトラブルが多いものですね。
ここで思い切った決断。プトラジャヤ駅からモスクまではGrabで行き、帰りはそのままクアラルンプール中心街までGrabで戻ることにしました。電車の時刻を気にせず見学に集中できるのが決め手です。
紆余曲折ありつつ、目的のプトラジャヤ・モスクに到着
モスクに着くと、観光客向けの入場口まで案内してくれるスタッフさんや、モスクの歴史を分かりやすく説明してくれる英語ガイドさんが温かく迎えてくれました。マレーシアの議事堂に隣接する巨大なモスクは、見学料無料とは思えないほどの壮大さで、大勢の人が一度に礼拝できる広大な空間に圧倒されます。特に印象的だったのは、建物全体を統一する淡いピンクの色使い。神聖な雰囲気の中にも柔らかな美しさが感じられました。
Grabのドライバーさんたちも、この旅の大切な案内人です。車内で流れるマレーシアの演歌のような懐メロを聴きながらのドライブは、思いがけない異文化体験。時間との戦いの中でも、ちょっとした旅の余韻を味わえる贅沢な時間でした。
この記事を書いた人
最新ガジェットの動向を追い求めるモバイル・ITライター。携帯電話専門媒体の記者を経てフリーランスに転身し、スマートフォン、AI、自動運転などの最前線を取材。趣味はマンホール巡りとカワウソ観察。
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