「いつから私、お姉さんになったんだろう?」dip BATTLES・MARINが語る個人とチームの成長【D.LEAGUE 24-25は後半戦に突入】
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
ROUND.7を終えてレギュラーシーズンの折り返し点を迎えた、日本発のプロダンスリーグ 「D.LEAGUE 24-25」。そのなかでdip BATTLESが昨シーズン最下位から5位と転じて健闘を見せている。リーグ最年少ディレクター・KENSEIを中心に集まった本チームのなかで、創設時から変わらず輝き続けているのがMARINだ。Dリーガーとして4年目となる今季、彼女はどんな想いで戦いに挑んでいるのだろうか。
「エイベックス所属の“知っておくべき”女優3名」古田愛理、上坂樹里、松尾そのまが語る2025年の決意
エースパフォーマンスの裏側
――今シーズンはROUND.4まで1位、折り返し地点で今5位で好成績ですが、前半戦を振り返っていかがでしたか。
MARIN:昨シーズンの最下位を踏まえ、「下を見たからにはトップへ行かないといけない」というメンバーの覚悟のもと、オフシーズンはストイックに練習しました。それを考えると今の順位では満足できません。最下位でも応援し続けてくれたファンの方々には、まだまだ応えきれていないなと思ってます。
――オフシーズンはどんな取り組みを?
MARIN:「とにかくやるべきことをやろう」とそれぞれの体作りから見直しました。朝に集まって、まず筋トレからハウスの基礎練習を1時間、休憩を挟んでポッピンの基礎練習をしてからROUNDの練習。月曜日から金曜日までそんな感じです。体力も筋力もメンタルも鍛えられる時間でした。
――ショーケースの作り方に関しての変化は?
MARIN:ショーケースに関しては基本的にディレクター・KENSEIがベースを考えて、実際にメンバーで踊りながら調整していきます。
昨年、負け続けた分だけ「こういう作品は勝ちづらい」とか「このチームにはこういう雰囲気の作品がいい」と気づいたことがあったんですよ。だから勝ちの方程式が明確にあるわけではありませんが、何となくわかってきてはいます。でもダンスは正解がなさすぎて……(笑)。
――そもそもダンスは勝敗をつけるものではありませんからね。ただ探り探りとはいえ、新ルールに対応できているようにも見えますが。
MARIN:dipは対応力があるのかもしれません。シンクロパフォーマンスやエースパフォーマンスが新設されたら、そこに合わせつつ自分たちなりのクリエイティブな内容を考える感じ。作品の流れに即した踊り応えのある振りを入れてカマしつつ、ちゃんと点を入れていくような。
――ROUND.5「Beauteous Animation」のMARINさんによるエースパフォーマンスも素晴らしかったです。
MARIN:あのソロはKENSEIから「MARINはヒップホップが得意だけど、アニメーションやポッピンで踊ってほしい」と言われて考えたんです。普段ヒップホップを踊る時にも体のアイソレーションを意識した滑らかな動きが好きなんですけど、この作品の音楽はピアノが効いた「Animarhythm」という楽曲で、「この曲でMARINが美しく踊ることに意味がある」と考えてくれていたみたいです。
ただポッピンは若干やってましたが、アニメーションは全然やったことがなくて、「どうやって踊ればいいんだ?」というところから始まりましたね。かなり頭を悩ませつつ、自分なりにアニメーションの振りを作ってみて、メンバーから意見をもらいながら練っていきました。
――他に今季で気に入っている作品は?
MARIN:自分が出たものだと開幕戦が印象深いです。旧メンバー4人はどこまでチームを引き上げられるか、新メンバー4人はどこまで食らいつけるかの勝負だったので、全員でダンスのバイブスを高められた作品かなと。
映像を観てみると、どのROUNDもめっちゃ気合いが入っていて本気なのですが、特にROUND.1は別格。みんなの目線とか目力など、内から出るパワーが伝わってきますね。オフシーズンの鍛錬がにじみ出ていて「怖……」と思いました(笑)。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ