「やる気が出ない大学生」に納言・薄幸が将来のアドバイス。「仕事をめんどくさいと思わない唯一の方法は……」

歯に衣着せぬ物言いが魅力のお笑い芸人、納言・薄幸（すすき・みゆき）さんのお悩み相談連載をお届け。幸さんと言えば、お酒とたばこ。というわけで、スナックのママさんに扮した幸さんに、自らの体験を踏まえた上で、読者のリアルなお悩みに答える形でコラムを書いていただきます。連載タイトルは「お悩み相談処 スナックみゆき」。カウンター越しに語りかけてくれる幸さんのアドバイス、読み終わる頃には、きっとあなたの心もラクになるはず。

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恥ずかしいけど、32歳になるまで気づけなかったことがある

出ませんね！

やる気なんて、ほんっとに出ません！

朝早くから夜近くまでの長時間の仕事のときに

同じ楽屋の芸人が合間合間でパソコンを開いて

カタカタ作業しているのを見て

“すっげー！！　えっらー！！”

と感心しながら、私は体を横にします。

横ってさ、楽なんだもん。

縦より、横って、楽なんだもん！

まあとにかく、ゆっくりしたい。

やる気なんて、出ませんね。

頭ではやらないといけないと分かってるのに、どうも動かない。

私はしないといけない作業があるとき、ルームシェアしていたときは作業部屋を借りて作業をしてた。

作業部屋でしか、やる気スイッチが入らないと思っていたから。

ルームシェアを抜けて一人暮らしを始めてからは、決まった満喫に行った。

満喫でしか、やる気スイッチが入らないと思っていたから。

でも、横になっちゃう！！

作業部屋でも満喫でも、横になっちゃう！！

楽なんだもん！

無理だね、“ここに行けばやる気出るだろう”だなんて。

そんなわけない。

最近になって1つ分かったのは、やる気なんて勝手に湧いてくるものじゃないってこと。

そんな当たり前なことに32歳になるまで気づかなかったなんて、非常に恥ずかしいけどマジでそう思う。

無理矢理自分を鼓舞し、“やるしかねえ”にしないとやる気は出ない。

例えばネタ作成だったら、イスに座りiPadを開き、キーボードを打つ体勢に整え、スマホを集中モードにする。

やる気が出ないな、、、と思ってたときはこれをしていなかった。

例えば「勉強しないといけないのに、やる気が出ないな、、、」そう思ってる人って、そのときペンを握っていないと思うんだ。

掃除のやる気が出ない人は、まず掃除機を手にしていない。

夕飯の買い出しのやる気が出ない人は、まず外にも出ていない。

無理矢理やらないといけない環境にすると、意外と出来たりするものだ。

思ったほど、めんどくさくないことの方が多い気がする。

ただ、バイトは違うかもしれない。

私もバイトをしていたとき、本当にダルかったし、大っ嫌いだった。

金を稼ぐ、生きていく手段としてバイトしているだけで、好きな仕事ではないから。

でも、1度託児所でバイトをしたことがある。

そんなわけねぇだろと思われるかもしれないが、私は子供が大好きで、芸人になっていなかったら保育士になりたかった。

託児所のバイトは楽しいのなんのでさ。

残業も全く苦ではなく、もっとシフト入れてくれと頻繁に交渉していた。

理由は簡単。

好きな仕事だから。

今私は芸人をやっているけど、凄く楽しい。

そりゃあもちろん、大変なことや、めんどくさいこともあるけど、昔見ていたTVの収録なんかは今でもワクワクする。

毎日が夢のような生活だ。

でも芸人になりたくもない人だったら、この生活はダルくて、最悪だと思う。

仕事がめんどくさいと思いたくないなら、好きな仕事に就く。

それ一択しかないんじゃないかな。

興味も無い仕事だったら、誰でもやる気なんて出ないよ。

それでも生きる為に働いている人は沢山いるし、それもそれで立派だと思う。

人間は、基本的にやる気のない生き物だと思うから、心配ないよ。

（第9回に続く）