「ネトフリ&アマプラで観られる年末年始おすすめドラマ3選」『アンナチュラル』と『MIU404』の世界線が交わる野木作品の真骨頂!Z世代ドラマオタクが熱く解説【ネタバレ注意】
執筆者: ライター/稲田朱里
ともに“最旬情報・トレンド”を日々発信する、メンズファッション誌「smart」とNo.1 PR会社ベクトルグループの「アンティル」がタッグを組んで、今知っておきたいトレンド情報をお届けする連載「Z世代PRパーソンのキニナルTrendope」。今回は、ドラマ好きの筆者が大好きな最強タッグ「野木亜紀子×塚原あゆ子×新井順子」の代表作をご紹介します。
目次
「かわいすぎる…“奇跡の30歳”」小川史記がこっそり明かすマネできる(?)かわいさの秘訣
“間に合わなかった”を描く『アンナチュラル』(2018年)
「アンナチュラル」Blu-ray&DVD 好評販売中
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©TBSスパークル/TBS
不自然な死と向き合う法医解剖医に焦点を当てた本作。石原さとみ演じる三澄ミコトはUDIラボ(=不自然死究明研究所)に勤め、「法医学は未来のための仕事」という強い信念を持って仕事をしています。
本作では、既に人が亡くなった状態から始まり、誰も助けられなかった“間に合わなかった”状態を描いています。無理心中、殺人、過労による交通事故、いじめ……様々な要因で亡くなった方と向き合い、その体が示すヒントを基にミコト率いるUDIラボのメンバーが事件を解決していく法医学ミステリーです。
野木作品らしい社会問題の表現方法
今回紹介する3作は、社会問題が題材となっているのですが、それを表面的に、ただ単純に、問題を取り上げるのではない独特な取り上げ方が野木作品の特徴だと思います。
『アンナチュラル』第7話では、いじめによる自殺が描かれました。望月歩演じる高校1年生の白井くんが「殺人者S」としてネットの生中継を行い、自分が殺したというYの遺体を見せ、ミコト宛に「Yの死因は何か」と挑戦状を突き付けます。結果的に、ミコトは中継最中の遠隔診断とSが朗読していた小説『ソア橋』に出てくる凶器を隠すトリックに気づき、Yの死因は「法医学としての見解は“刃物による自殺”、個人としての見解は“いじめという名の殺人”」と答えました。
白井くん自身は、自分をかばっていじめの対象になってしまった“Y”=横山くんを助けられなかった罪悪感から、事実を公表することでいじめ加害者への復讐を行おうと生中継を始めました。そして、それだけではなく、横山くんが冗談で始めたと思っていた『ソア橋』の凶器を隠すトリックの計画が、実は本当に実行するためのもので、横山くんがそこまで追い詰められているとは知らずに何もできなかった自分への復讐でもあったのです。
『ソア橋』内のトリックは、横山くんの背中に刃物3本が一瞬にして刺さり、凶器は用水路に隠されることで殺されたかのように見せるものでした……。それを1人で実行するまで追い詰められるいじめの実態を、核心を突くようなストレートで残酷に表現する野木作品の真骨頂が観られる回です。
そして、自分に復讐しようとする白井くんを助けに駆け付けた、井浦新演じる中堂系が「僕だけ生きててもいいのかな?」と言う白井くんに対して声をかけるシーン。
「死んだ奴は答えてくれない。赦(ゆる)されるように生きろ」。
この中堂系のセリフは、彼自身のバックグラウンドを知っていると、その言葉がどれだけ重いのか、そして白井くんをどれだけ救ってくれるものなのかが伝わる、涙腺を刺激してくる私的名シーンです!
いじめ問題だけでなく、シリアスな事件を扱う本作の中で、それぞれのキャラクターが抱える過去とそれに懸命に向き合い続けている彼らの生き様がとても刺さります……そして、クスッと笑えるような会話をする少しコミカルな演出も本作の魅力でもあります。そのコミカルな会話も彼らが強く生きている証拠だなと、オタクなりに深く解釈してしまう部分でもあります(笑)。
この記事を書いた人
福岡県北九州市出身。新卒でベクトルグループに入社し、ファッションや美容商材、スイーツブランドなどのPRを担当。 小学生の頃の楽しみは帰宅後の再放送ドラマで、今も変わらずドラマ好き。 日本と韓国のドラマを観ることが至福の時間で、ドラマを観て好きになった俳優のファンクラブにはすぐに入り、ファンミーティングにも行くほどのオタクっぷりを発揮している。
Website:https://vectorinc.co.jp/business/pr/antil
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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