『自分の容姿に自信がない』納言・薄幸が“自分を受け入れて楽しむ方法”を提案「比べる対象を他人ではなく自分にする」

歯に衣着せぬ物言いが魅力のお笑い芸人、納言・薄幸（すすき・みゆき）さんのお悩み相談連載をお届け。幸さんと言えば、お酒とたばこ。というわけで、スナックのママさんに扮した幸さんに、自らの体験を踏まえた上で、読者のリアルなお悩みに答える形でコラムを書いていただきます。連載タイトルは「お悩み相談処 スナックみゆき」。カウンター越しに語りかけてくれる幸さんのアドバイス、読み終わる頃には、きっとあなたの心もラクになるはず。

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「私は容姿コンプレックスは全く感じない。」その本意は……

6、7歳くらいのころ、家族で『ほんとにあった怖い話』を見ていた。

のちに芸能事務所に所属することになるのだが

当時から私は子役になりたかった。

そんな私にとって、『ほん怖』は怖い話を目的に見ているわけではなく

稲垣吾郎さんの周りにいる子役たちを目的に見ていた。

憧れだったからだ。

“あの子泣いてるフリしてない？”

とか

“この子リアクション弱いなあ”

とか。

ほんとに怖い視点で見ていた。

番組放送が終わったあと、父親に

「私も『ほん怖』出たいなぁ。それでドラマの主役とかもするんだ」

私がそう言うと、父親は2、3秒考え込み、こう言った。

「お父さんはみゆきのことを世界一可愛いと思っているよ。でもそれはお父さんの娘だからそう思うんだよ。世間一般的に見たら、『ほん怖』に出ているあの子たちのほうが、顔は可愛い。もちろんドラマの設定とかにもよるけど、基本的には、主役をしている女優さんのほうが綺麗！　でもお父さんとお母さんは、みゆきのことを世界一可愛いと思っているよ」

こう改めて文字にしてみると、かなり冷静かつ辛辣（しんらつ）な意見だが

“ほほぅ。なるほど。”

そう思った。

当時の馬鹿な私は、“自分の顔はなんて可愛いんだ！　こりゃあドラマに出るしか道はねぇ！”と思っていたけど、

意外とショックではなく、子役になりたかった私にとって、大変参考になる意見だなと思った。

 

それでも子役になりたかった私は、親に無理を言ってオーディションを受けさせてもらい、奇跡的に事務所に所属することができた。

オーディションの際、面接官から

「どんな女優になりたい？」

という質問を受けた。

私は自信満々に

「見た目が良いわけじゃないので、毎回主役とかは難しいと思います！　なのでドラマや映画の3番手、4番手とか名脇役になりたいです！」

そう答えた。

もしかしたら、この答えが良くて合格できたのかなと、今になって思う。

そのあとも至るところで同様の質問をされる機会があったが、毎回同じ返答をしていた。

まぁ、シンプルに演技の才能がなさ過ぎて、全く仕事はもらえなかったんだけどね。

4番手どころの騒ぎじゃないぜ？

 

私は容姿コンプレックスは全く感じない。

そう言うとまるで自分の容姿に自信があるかのように聞こえるが、

そうではなく、もともと容姿が良いと思ってないので、気にならないのだ。

でも、話題のトリートメントとかパックとかを使ってみたりした次の日なんかは

“昨日より良いじゃん！　昨日より自分綺麗じゃん！”

とか思ってテンションが上がる。

たまにSNSで

《納言みゆきに似ているとか言われた。あんなのと一緒にされた、死にたい》

みたいな投稿もある。

それを見ても全く傷つかない。

“あらま、可哀想に！　ごめんね！　悪いね！”としか思わない。

 

“周りにはもっと顔が可愛い子いるけど、今日メイクを変えたら前の自分より綺麗になったな”

そう考えたら、楽しくない？

基準を他人に合わせない。

仕事でもそうだと思う。

失敗したときの反省は必要だと思うけど、比べる対象は他人ではなく自分にする。

私もトーク番組で上手くいかなかったときなんかは

“今日失敗しちゃったな、あの人は上手くいってたのに”

ではなく

“今日失敗しちゃったな、あのときのエピソードトークは、あれよりあっちのほうが正解だったな”

とか。

そのほうが次に繋がると思うんだ。

ある意味自分中心な考えで生きていたら、生きやすくなるような気がする。

（第8回に続く）