M-1グランプリ2024は“トム・ブラウンハイ”で高揚感を味わいたい
執筆者: 編集者・ライター/佐々木 笑
ファイナリストで相関図を描こうとすると線だらけになってしまう本大会。注目したいコンビ、関係性が多すぎて、お笑いファンは感情が大忙しであろう。筆者もそのうちの一人なのだが、その中から一組を抜粋。トム・ブラウンについて、少し魅力を語らせていただきたい。
「30歳女子、友達付き合いを改めて悩む時期」納言・薄幸が“スパッと縁を切ってもいいと思うよ”と説く理由
パワーアップした「合体漫才」から感じる気合いと覚悟
トム・ブラウンの「合体漫才」が世間に広まったのは、2018年のM-1決勝だろうか。
視聴者全員に衝撃が走ったあの日から6年、知名度を上げた彼らは“らしさ”を変えずに徐々に大衆受けしていき、再び決勝の舞台に返り咲いた。
システムバレしているネタのかたちでもう一度決勝に上がるには、お客さんの「見たことあるからもういいや」という“慣れ”を遥かに上回る「おもしろい」が必要だと思うのだが、年々パワーアップしていく合体漫才に、見慣れるどころか目が離せないでいる。
昨年の敗者復活戦では、タイマン形式で投票が行われるという新たなシステムで(本人たちも思わず笑ってしまうほどの大差で)エバースに敗れたが、会場はうねるようにウケていたという。のちに本人たちは「俺たちは敗者復活では勝てないから、ストレートで決勝に行くしかない」と冷静に悟って今年に至るわけだから、その有言実行ぶりたるや、本当にかっこいい。
普段は、ことM-1に関してアツく俳優語りモードになるみちおと、感情を大きく出さずに一歩引いて冷静な目で見ている布川……というコンビバランスなのだが、今年の2回戦付近に放送されたラジオ(『オールナイトニッポンPODCAST トム・ブラウンのニッポン放送圧縮計画』)では、ほんの一瞬だけ布川がアツくなる様子を見せていた。そんな布川を見て「珍しいね、なんかいいね」と、ラジオ越しにも嬉しそうなのが伝わるみちお。こういう一瞬を、ファンは見逃さない。
決勝進出者発表時に呼ばれた瞬間、“漢”を感じる布川の静かなるガッツポーズ、発表前からずっとえずき、両手で祈るポーズをしていたみちお。
彼らから溢れ出る気合いと覚悟、どうしたってじりじりと伝わってくる。
この記事を書いた人
主な仕事は芸人さんの取材や、書籍・コラムの編集など。本名通りお笑いが大好き。365日芸人さんの活躍を追っています。アイコンは麒麟川島さんに描いていただいた宝物です!
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ