「Dリーグ最注目女性ダンサー」DYM MESSENGERS・HANAは“ロックに限らず幅広いダンスが好き”ダンスへの情熱も激白Travis Japan「Crazy Crazy」撮影秘話も
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
Travis Japan「Crazy Crazy」撮影秘話
――HANAさんから見た、DYM MESSENGERSの魅力とは?
HANA:全員が唯一無二なところ。例えばロックダンサーが4人いるのですが、彼らに似ているスタイルの人が他に誰もいないんですよ。ブレイキン視点で考えてもYasminみたいなブレイカーは思い浮かばない。メンバーみんながそういう感じ。この個性派たちが一緒のチームで戦うというのは本当に奇跡です。
実は私自身もD.LEAGUEにいろいろな形で参加オファーが来ていたんです。ただ存在は知っていたし観てもいましたが、どうしても自分がそこに携わるイメージができなくて。結局お断りしているなか、TAKUYAさんからの呼びかけは「ちょっとワケが違うぞ」と。メンバー全員も100%、TAKUYAさんがディレクターだから集まったはず。
TAKUYAさんは私の大好きなストリートシーンで長年活動していて、ダンスだけでなく音楽についても精通しているんです。と思いきや、エンタメ業界のいろはも知っていらっしゃって。「エンタメはやりません」みたいな感じではないんです。だから先ほどの「mood」もカッコよく仕上がったんだと思います。
――メンバーの世代間も幅広いと思いますが、そこでギャップを感じたりは?
HANA:メンバーは感覚が大人なので話し合えるし、特に困ったことはないですね。もちろんポイントで切り取れば「おいおい」みたいな部分もありますけど、自分もたまに言われたりしますし(笑)。たまにシリアスな場面はあるけど、仲が悪くなることはありません。
――ご自分のダンサーとしての持ち味をどのように考えていますか。
HANA:地元が福岡なんですけど、「東京でダンサーとして活躍するぞ」という気持ちで上京しました。メジャーでもアンダーグラウンドな仕事でも関係なく自分を知ってもらえるような人材になりたかったし、その二面性が強みなのかなと。
――ロックダンスへの想いも聞きたいです。
HANA:もちろんロックダンスへの愛は深いですよ。一番好きな音楽もアレサ・フランクリンやカーティス・メイフィールド。だから踊るジャンルを質問されたら「ロックダンサーです」と答えますが、音楽だったら「ヒップホップだったらこれ」とか「ソウルだったらこれ」と挙げるように、私は幅広いダンスが好きなんです。だからシンプルに「ダンサーです」と名乗りたいですね。
――D.LEAGUEは日本のダンス界にどんな影響を与えていると感じますか?
HANA:若い子たちの目標になっているなと感じます。以前、VAW栄光ハイスクール(高校)のダンスパフォーマンスコースで教えていたのですが、KADOKAWA DREAMSのメンバーであるDaichiやHINATA.Mが卒業生なんですよ。次世代のダンサーにとって道ができたのは大きい。私の時代は超大変でしたから……。
――他チームで意識しているのは?
HANA:ライバル視しているチームはいません。ただcalinやKarimとか仲良いダンサーが所属していることもあり、LIFULL ALT-RHYTHMは好きです。あとはKADOKAWAのMINAMIちゃんは素敵だなと思いながら見ていました。
――そのバランス感を垣間見られるのが、Travis Japan「Crazy Crazy」MVの振り付けですね。
HANA:そうかもしれないです。チームメイト・FOOL君と一緒に振りを付けていて、「こうだよね、ああだよね」と話しながら考えていきました。「Travis Japanだから」とか「ボーイズグループだから」ではなく、基本的に自分たちのダンスを手加減なく踊ってもらっています。控えめにしたといえば、歌っている部分の振りを少なめにしたことくらい。
彼らと出会ったきっかけは、YouTubeチャンネル「+81 DANCE STUDIO」で嵐「A・RA・SHI」を一緒に踊ったことが。「ロックダンスで振り付けてください」というオファーだったのですが、本当に頑張る子たちだなという印象で。だから何でもできるだろうという感じで今回も容赦なく作っています。全員でリハしたのは2回ほどでしたが、それぞれ頑張ってくれました。
この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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