Netflix『あいの里 シーズン2』参加者12人プロフィール紹介【バツあり、ワケあり、持病ありな35歳~60歳の男女による胸焼け必至な恋愛バラエティ】
執筆者: ライター/石野志帆
『あいの里 シーズン2』はどこが面白い?恋愛リアリティ番組ウォッチャーのライターが解説!
“怖いもの見たさ”が一転、ドハマり者続出!
脂の乗り切った中高年のギラギラした恋愛なんて、どこが面白いんだろうか―。多くの人が半信半疑、怖いもの見たさで観始めたシーズン1は、そんな疑念をひっくり返す形で話題沸騰となった。「泣ける」「笑える」「勉強になる」「勇気をもらえる」と、予想に反した感動を受け取った視聴者たちは、配信終了後に相次いで“あいの里ロス”状態に。こうした大反響から満を持して制作されたシーズン2も、配信直後からNetflix日本の週間Top10で1位を獲得するほどの人気を集めている。
“キラキラしない” 一周回って新しい恋愛リアリティ番組
『あいの里』シリーズの面白さの一つが、恋愛番組なのに全くキラキラしないことだ。リアルすぎる恋愛模様が、数ある恋愛リアリティショーのなかで逆に存在感を強めていると言える。古民家で半自給自足生活を送る住民たちは、夜景の見えるレストランでの食事することも、高価なプレゼントをあげることもない。その代わりに、限られた食材で料理をしたり、手紙を書いたり、植物や廃材でプレゼントを手作りする。求める条件で相手を絞れるマッチングアプリもないので、地味なリフォーム作業をしながら語り合って価値観をすり合わせていくしかない。全く映えない“古典的”なかたちで恋愛が進行していくが、アプリで加工された画像ではなくフィルムを現像した生写真のようなリアルな人間の姿を、視聴者が潜在的に望んでいたからこその人気なのかもしれない。
中高年たちが経験してきた想定外の挫折 “その先の幸せ”を知りたい視聴者
そして、なんといっても「35歳~60歳」という参加者の年齢設定の高さが、新しくて面白い。若者の恋愛ではなかなか観られなかった参加者たちの恋愛や人生の価値観が垣間見えるからだ。番組中、住民たちから飛び交うワードも生々しいものばかり。50代のパチゆみとマンハッタンは「老眼鏡」が必須だと言うし、同じく50代のせん姉とギタりんは「血糖値」について熱く語り合っていた。40代のたみフルはステージⅣの「癌」を経験し、30代と40代のあやかんとちぃは出産のタイムリミットを意識して「卵子凍結」をしている。キラキラとは程遠い、生身の中高年を見せつけられる。それでも『あいの里』が視聴者の心を掴んで離さないのは、他では描かれない“おとぎ話”の続きを、誰しもが知りたいと思っているからかもしれない。浮気されたら?望んでも子どもが授からなかったら?両親に介護が必要となったら?思いがけない大病をしたら?離婚したら?死別したら……?多くの人は自分の家族以外の人生の後半を、ほとんど知らない。プロデュースした西山仁紫氏は「人は「初めて見るもの」を面白がりますよね。」と語っている。誰もが直面し得る出来事に対して、私たちはどのように向き合えばいいのか。人々が持っている本能的な問いの答えに迫ってくれるからこそ『あいの里』は視聴者を惹きつけている。
大の大人が震える手で鳴らす“あいの鐘” 中高年たちの恋路はいかに?!
崖っぷちの人生から大逆転を図ろうと並々ならぬ決意でやってくる住民たちは、年齢や容姿のコンプレックス、過去の挫折からくるトラウマから「誰からも愛されないのでは」という不安を抱え「子どもみたいでバカらしい」と、くじけかけることも。しかし、閉鎖空間でなりふり構わずに向き合ううち「人を好きになる気持ちは素晴らしい」という気づきを得て、愛を伝える決心を固める姿が清々しい。『あいの里』のアイコンとなったピンクの鐘を、大の大人が震える手に力を込めて鳴らし、愛を伝える。そんな人生の大一番に挑む姿が、心に響いてならない。「いい歳なんだからこんなことで泣いてはいけない」「もっと賢くいるべきだ」と、普段は冷静沈着な大人でも泣けるのは、がむしゃらになって感情を大きく揺り動かす住民たちに、共感と潜在的な憧れを抱くからかもしれない。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
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お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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