「カオスなカルチャーが現代の日本っぽさ」NAGAN SERVERが大切にする、過去と未来へのリスペクト自主企画vol2も11月開催
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
音楽もファッションもリスペクトから
――そういった国際的な交流のなかで、日本のカルチャーについて感じることは?
NAGAN SERVER:今、世界で最も面白いんじゃないんでしょうか。円安で日本へのインバウンドが多いのは確かですが、それよりも「さまざまな分野で日本のセンスを吸収したい」という海外の方が集まっている感じがしますね。海外から帰ってきたミュージシャンとも「今、日本の音楽シーンが面白い」と話しています。
――ファッション的にはどうでしょう。
NAGAN SERVER:たまにYouTubeでニューヨークやUKのストリートスナップを見ますが、ヨウジヤマモトやCOMME des GARÇONSなど歴史あるブランドから現行のブランドまで、日本のプロダクトを身に付けていることが多い。インタビューでも多くの人が「日本のファッションに影響を受けている」と語っているのをよく耳にしますね。
日本人は昔から繊細で探究心があるじゃないですか。様々な要素を取り入れるのも上手い。その影響の数々がブレンドした結果が独自性になっています。料理なら中華やイタリアン、フレンチを始め、世界中の料理が食べられるように、昔なかったカルチャーが混ざり合っている。そんなカオスな文化が今のリアルな日本なのかなと。むしろ純粋な「和」を表現すること自体が難しくて、時にわざとらしくなってしまう。
でも混沌とした世の中だからこそ、日本人としてのアイデンティティは大切だし、本来のルーツを探ることも必要。そうでないと自分たちがどこから来たか、わからなくなってしまうので。
――この情報が煩雑な時代、過去と未来の両方を掘り下げていくために必要なことは何だと思いますか。Z世代へ向けたアドバイスなどもあればお願いします。
NAGAN SERVER:音楽もファッションも、自分の場合はリスペクトから始まりました。Z世代にしかない発想や考え方は魅力的だし、思いもよらない着眼点で日頃から学ぶことは多い。ただ、それは他の世代においても言えることなんです。年齢を問わずにリスペクトし合える関係性を作れれば、自然と両側を深めて行けると思いますよ。
そのためには会いたいと思った人に直感的に会いにいったり、自分の好きなカルチャーが匂う場所に直接出向くこと。リアルを体験することが説得力に繋がるはず。ルーツを持った上でカオスな文化を感じられるのが理想ですね。
Profile/NAGAN SERVER(ナガンサーバー)
ヒップホップとジャズにルーツを持ち、ラッパー兼ウッドベーシストという異色の肩書き・キャリアを持つ音楽家。これまでに3枚のオリジナル・アルバムをリリースしている。ソロ活動の他にフロントマンを務めるバンド『NAGAN SERVER and DANCEMBLE』、どんぐりず & Shōtaro Aoyamaと結成されたユニットで精力的にライブ活動を展開。
大型フェス(「FUJI ROCK FESTIVAL」、「SONICMANIA」etc…)からクラブイベントまで多岐に渡り出演中。他、日本が世界に誇るスケートボードプロダクション TIGHTBOOTHが制作したスケートビデオ「LENZ II & LENZ III」、日本のトップスノーボーダーによる伝説ともいえる作品「STONP OR DIE 2023 Kaz Kokubo Part」への楽曲提供。
現在、NAGAN SERVER and DANCEMBLEの初EPを制作中。
Instagram:@naganserver
HP:http://naganserver.jp/
■公演情報
「WE ARE」
日時:11月16日(木)
オープン16:00/クローズ21:00
場所:代々木上原・OPRCT
出演:
NAGAN SERVER and DANCEMBLE
Nao Yoshioka
シンサカイノ of the new world feat. 馬場智章
SHACHO(SOIL&”PIMP”SESSIONS)
DJ talowkyn
撮影協力/PITTZZ
HP:https://pittzztokyo.theshop.jp/
Instagram:@pittzz_tokyo
撮影協力/L’ÉCHOPPE青山店
「ひとつの服の発見が人々をつなぐことを願い、まだ身に新しいもの見逃されてきた価値を追い求め、世界を渡り歩き収集する。そしてそれらを価値あるものを発信する」
扱うアイテムは新品から古着、さらに民芸品までもファッションとして提案。新しい発見を常に目指している。
HP:https://lechoppe.jp/
Instagram:@lechoppe.jp
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撮影=西村満
インタビュー&文=小池直也
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この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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