「女性用風俗を始めた意外な理由」SPA Whiteオーナー・あす香さんがかつて抱いた“素朴な”疑問とは
執筆者: ライター・コラムニスト/ミクニシオリ
傷ついた経験のある女性が作る、優しい女性用風俗を目指して
――いろいろな経験の末に作られた『SPA White』だと思うのですが、実際に店舗づくりの際には、どんなことに気をつけましたか?
あす香 粘膜同士の接触がないというコンセプトは、最初から決めていました。実際に自分が利用したときも、マッサージまでは夢見心地だったのに、挿入で痛み(不快感)を感じちゃうとどうしても……ね。自分がマッサージをやっていたので、皮膚接触でも気持ちよくなれることを知っていたので、マッサージと接客に力を入れた店舗を目指しました。
――実際に、ご自身が目指された「女性の性のお悩みを聞く人」にはなれているのでしょうか。
あす香 今も、店舗では私自身オーナーセラピストとして出勤していますので、実際に指名してくださった方からは、直接お話をお伺いしています。それに、予約確認のためにお電話させていただくときなど、こちらから何か聞かなくても、ポロポロと自身の思いが溢れ出てしまう方もいますね。
――今まで話せる相手がいなかった女性からすると、すごくありがたいことなのでしょうね。
あす香 私より、セラピストたちのほうがいろいろ聞いていると思いますけどね。採用は厳しくしていると思うし、研修はしっかりしていますが、結局セラピストとしてデビューしていく子たちは勝手にどんどん成長して、私なんかよりよっぽど上手に話を聞けるので(笑)。
たまたまそういう組織になっていっただけですが、いい店舗づくりができているのではないかと思います。その分年々、採用基準が高くなっていくのが悩みですね。
――実際、『SPA White』ではどんな男性に働いてほしいですか?
あす香 人が好きな方が向いていると思いますね。結局、売れる子はみんなすごく優しくて、他人への気配りができる子ばかりです。お金に対する対価として優しくするのではなく、まず誰に対しても親切心を持てる人が理想的です。
――最後に、あす香さんが今後目指したい「いい女性用風俗店」とは何か、教えてください。
あす香 この10年で、女性用風俗という言葉はかなりポピュラーになってきて、店舗数もかなり増えた時期もありましたが、今はまた、引きの強い店舗だけが生き残るようになってきたと思います。良くも悪くも、ここから先は「思想の強い店」が生き残っていくと思います。お客様に響くようなコンセプト、キャスティング……うちの場合は、私自身の思いも、現場に出るセラピストたちに伝染していますから、それがそもそもの武器ですね。
私が「明日もう一度会いたいな」と思う子を採用して、「もっと話を聞いてほしいな」と思った子を教育しています。傷ついている女性、疲れている女性を癒やすというコンセプトは、変わらず持ち続けていきたいです。
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この記事を書いた人
ファッション誌や週刊誌、WEBメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。
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