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「女性用風俗を始めた意外な理由」SPA Whiteオーナー・あす香さんがかつて抱いた“素朴な”疑問とは

執筆者: ライター・コラムニスト/ミクニシオリ

こじらせて迷い込んだ男性用風俗店で見えた「オトコゴコロ」

「女性用風俗を始めた意外な理由」SPA Whiteオーナー・あす香さんがかつて抱いた“素朴な”疑問とは

――高校生のうちから、心に決めていたんですね。性の話を聞く……となると、保健室の先生とか、心理カウンセラーとかでもできそうですね。

あす香 私もいろいろ考えたのですが、とにかく勉強ができなかったんですよ。警察官とかもいいなと思ったんですが、大学で4年間も勉強するのが考えられなかったので、美容エステの専門学校に進んだんです。エステってなんとなく、女性同士の関わりが多そうだし、マッサージしていたら、自然と深い話が出そうかなと思って。

――実際、脱毛サロンやマッサージ店で働いていると、お客さんの身の上話を聞く機会が多いそうですね。服も脱いでたりするし、目線も合わないから、喋りやすいんですよね。

あす香 分かります。20歳からは百貨店のエステサロンでマッサージをしていたのですが、並行して男性向けの性感マッサージ店でも働き始めました。

――これまたなぜ、男性向けのマッサージ店だったのですか?

あす香 結局、学生時代からの男性への偏見を引きずっていたので、男性はなぜ好きじゃない人と性行為ができるのかが、どうしても知りたかったんです。最初の1年はなんでもない普通の風俗店で働いていたのですが、2店目が研修にすごく力を入れているお店だったんです。

「お客様も従業員もキャストも裏切らない」と「結婚したくなるような女性を派遣する」がコンセプトだったんですよ。そこで、接客業全般に関するマインドが変わりました。男性への嫌悪感みたいなものも、納得する形でなくなっていきましたし、最後はそのお店で、自身が性感マッサージの研修を行うようになったんです。ちなみに私自身、そこで出会ったお客様と結婚しました。

――そんなことってあるんですね。まさに運命の出会い。

あす香 今は、愛の形っていろいろあるよねと思っています。付き合っていなくても、お互いに信頼できているのなら、してもいいものではあるのかなと。主人とは授かり婚だったのですが、子供が小さい間は本当に大変でした。家事も育児もほとんど私がやっていたので疲弊(ひへい)していて、そのときに女性用風俗の走りみたいなサービスを利用したんですよ。

精神的にいっぱいいっぱいだったので、セラピストの子がていねいにお茶を出してくれるとか、スリッパを揃えてくれるとか、その程度のことでもすごく嬉しかったのを覚えています。マッサージしてもらって、少しデリケートゾーンにも触ってもらったんですが……その子にタッチされた瞬間に現実に戻された気がして、あまり心地よくなかったというか(笑)。

――笑ってはいけないかもしれませんが、ちょっと元も子もないような(笑)。

あす香 でもそれがきっかけになって、じゃあ自分が女性用風俗を作っちゃおうかなと思ったんです。それなら女性に話を聞けそうだし、接客もマッサージも、自分で教えられるし。そこで、とりあえず個人ブログに求人記事を載せたら、3件ほど応募がきてしまって。じゃあしっかり始めないと、とそこから流れるように『SPA White』が始まって、もう8年ほどになりますね。

――すごい半生ですね。一見遠回りをしているようで、実は繋がっていた。

あす香 男性用風俗からも、学んだことは多かったですね、男性って、心の奥底では人の役に立ちたいって思っているじゃないですか。そう考えるとすごく可愛らしいし、だから接客も、女性が一方的に提供するだけじゃだめなんだなと。女性は逆に、男性から尽くしてもらえると嬉しい人が多いと思うんですけどね。

この記事を書いた人

ファッション誌や週刊誌、WEBメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。

Website:https://smartmag.jp/

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