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連載お悩み相談処 スナックみゆき

【納言・薄幸にお悩み相談】「新婚生活での家事が負担に感じる」大切なのは“稼ぎ”ではなく、感謝の気持ちを口に出すこと

執筆者: お笑い芸人/薄 幸(納言)

歯に衣着せぬ物言いが魅力のお笑い芸人、納言・薄幸(すすき・みゆき)さんのお悩み相談連載をお届け。幸さんと言えば、お酒とたばこ。というわけで、スナックのママさんに扮した幸さんに、自らの体験を踏まえた上で、読者のリアルなお悩みに答える形でコラムを書いていただきます。連載タイトルはお悩み相談処 スナックみゆき。カウンター越しに語りかけてくれる幸さんのアドバイス、読み終わるころには、きっとあなたの心もラクになるはず。

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【納言・薄幸にお悩み相談】「新婚生活での家事が負担に感じる」大切なのは“稼ぎ”ではなく、感謝の気持ちを口に出すこと

【今回のお悩み】

みゆきさん、こんにちは。

いつもYouTubeなど楽しく拝見しています!

私は現在30代前半で結婚して1年になりますが、最近夫に料理を作ったり家事をするのがしんどくなってきています。

私はパートですし夫はバリバリ働いてくれているので、結婚当初は私が家事をしよう!と意気込んでいたのですが、夫がどんどん私に任せきりになってきて、負担に感じるようになってきました……。

みゆきさんの過去のエピソードやYouTubeを見ていると、尽くすのが上手な女性なのかな?と思います。どうしたら自分の心を保ちながら、人のために動けるようになるでしょうか?

(30代/女性)

「ありがとう」「美味しい」が徐々になくなっていった同棲相手

相手のために

“何かしてあげたい”

“何かしてあげないと”

では、まったくニュアンスが違う。

前者は自分のためだし、後者は相手のため。

そこのバランスが崩れてしまうと、心身ともに辛くなってしまうと思う。

 

もう10年ほど前になるが、私は恋人と同棲していたことがある。

家賃は折半で、光熱費は相手が多めに払ってくれていた。

掃除や洗濯、料理はほぼ私がしていて、料理にかかる食費は私持ち。

 

初めは何のストレスも感じなかった。

相手の好みに合わせて、じゃがいもから太いポテトフライを作ってみたり。

私、じゃがいもがまあまあ苦手で、細いポテトフライならまだしも太いポテトフライは嫌いなのにも関わらず。

相手の好みに合わせて、蕎麦を手打ちしてみたり。

私、年越しは蕎麦じゃなくてうどんにするくらいには蕎麦嫌いなのにも関わらず。

相手の好みに合わせて、スパイスからカレーを作ってみたり。

私、この世で一番カレーが嫌いなのにも関わらず。

関係ないけど、うな重もそこそこ嫌い。

うな重は作ったことないから、完全なる余談だけどね。

 

まぁ、そうだね。

分かってる。

私の嫌いなもんが浮世離れしてるのは、分かってる。

でも相手を思って作っていた。

きっとそれは相手が好きだから、相手のために何でもしてあげたいと思っていたからなのだろう。

 

しかし、月日が過ぎるにつれ、

相手からの「ありがとう」と「美味しい」がなくなっていった。

どうしてこいつのために飯を作らないといけないんだ。 

なんで私が2人前の食費を払わないといけないんだ。

そう思うようになってしまった。

しばらくして、相手のことが嫌いになってしまいお別れすることになった。

 

相手が嫌いになったから料理を作りたくないと思ったわけではない。

感謝の気持ち、お礼を言えない相手を見て、料理を作りたくないと思ってしまった。

そんな人間なんだと知って徐々に嫌いになってしまった。

これが正しい感情の順番だ。

 

食費に関するルールを決めず、何となく同棲を始めてしまったのがそもそもの原因なのだが、

どちらが食費を出していようが、自分とは価値観の違う相手の一面は、一緒に住んでいたら見えてくるものだと思う。

10年近く前の話だからこそ今冷静に分析すると、相手のほうが稼ぎが上だからとかは関係ない。

私は、人に何かをしてもらったら感謝を伝えるのは当然だと思っている。

それができない人だと分かったから嫌いになってしまったんだろう。

 

私は今、配偶者はおろか、ここ何年かは恋人もいない。

なので、既婚者の立場を考えて話すのは難しいけど、似た状況で話すなら、今の私には好きな後輩がたくさんいる。

“お世話をしている”と言うのは生意気だけど、コイツのためにならと思っている後輩が何人かいる。

飲んだときは私がお金を払う。

タクシー代を渡す(お釣りが返ってこないことは、しばしば)。

引っ越し費用が足りない後輩には引っ越し費用を貸す(8割は返ってこない)。

単純に金が無い奴にはお金を貸す(10割は返ってはこない)。

 

“お金は出すから、よろしくな”

 

極端な話、後輩と私の関係性で言うと、相談者さんの旦那さん側なのかもしれない。

ただ、その代わりに後輩は他のことを精一杯してくれる。

飲み会のときはお皿を片付けてくれたり、私のグラスが空いたら店員さんを呼んでくれたり。

最後は私に対して

「ご馳走様でした」

という挨拶もしてくれるし、

チェーン店で奢ったときに

「こんな美味い飯食ったことないです」

だなんて、嘘も良い加減にしてほしい発言をしてくる奴もいた。

でも、私は少しの嘘もありきの気遣いは、大切だと思っている。

 

たまに実家に帰ったとき、パジャマが用意されている感動。

美味しいご飯が作られている温かみ。

翌日起きたら昨日着ていた服が洗濯されているありがたさ。

子供のころは当然だと思っていたことが、何百倍も嬉しく思うもんで。

なので、私は実家に帰ったときは、何かしてくれたら「ありがとう」と口に出すようにしている。

本当にありがとうと思っているし。

 

詳細は分からないけど、相談内容を読んで、相談者さんの旦那さんは感謝の気持ちを出していないんじゃないかな?と思いました。

“稼ぎは上だから”

のみでは我慢の限界があるでしょ?

もちろん「稼いできてくれてありがとう」の気持ちも大切に。

 

お互い人と人として感謝し合わないと。

それが当たり前だと思わず。思われず。

それが大切だと思います。

 

私は感謝を忘れない人間には、とことん尽くします。

でもそれが当たり前だと思ってんなと感じたら、その人のことを嫌いになってしまいます。

なんとなく、相談者さんは尽くすのが嫌なのではなく、相手の返りが無いのに嫌気がさしてるのかなと思いました。

月に1回でも良いから、全ての家事を旦那さんにやってもらう日をもうけたら、変わらないだろうか。

その日は相談者さんは思う存分、映画を観に行ったりゆっくりお茶したり、外で楽しんでさ。

毎日家事しているのだから、それくらいは良いと思う。

旦那さんに洗濯をやらせて。

掃除をさせて。

ご飯も作らせて。

面と向かって「感謝してよ!」は言いづらいと思うから、どれだけ家事が大変なのかを分かってもらえたら、変化があるかもしれないよね。

 

きっとまだ“嫌い”にはなっていないと思うし、そうなってほしくない。

“嫌い”になってしまったら終わってしまうから、その前にどうか、貴方が感じているこの思いが旦那さんに伝わればと願っています。

【納言・薄幸にお悩み相談】「新婚生活での家事が負担に感じる」大切なのは“稼ぎ”ではなく、感謝の気持ちを口に出すこと

(第3回に続く)

ドレス 衣装クレジット
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Profile_ 薄幸(すすき・みゆき)
お笑い芸人。1993年生まれ、千葉県出身。安部紀克との男女コンビ【納言】のメンバー。 『有吉の壁』(日本テレビ系)、『ネタパレ』(フジテレビ系)、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などに出演中。 コンビではネタ制作を担当、エッセイやコラムなど文章力にも定評があり、著書に『今宵も、夢追い酒場にて』(幻冬社)がある。また、漫画原作も執筆しており『メイク・ハニー・トラップ』が現在連載中。
薄幸公式X:@nagonmiyuki
納言公式YouTube:

文=薄幸(納言)
写真=TOWA
ヘアメイク=鷹部麻理
スタイリング=宮本愛子
協力=LUCKY
構成=佐々木 笑

この記事を書いた人

お笑い芸人。1993年生まれ、千葉県出身。安部紀克との男女コンビ【納言】のメンバー。 「三茶の女は返事が小せえな」「渋谷はもうバイオハザードみてえな街だな」など“街ディス”ネタが人気のコンビ。バラエティなどでは薄幸のヘビースモーカーっぷりや大酒飲みのやさぐれキャラクターにも注目が集まっている。芸名「薄幸」は2015年にBSフジ『等々力ベース』にてビートたけし氏が命名。 『有吉の壁』(日本テレビ系)、『ネタパレ』(フジテレビ系)、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などに出演中。 コンビではネタ制作を担当しており、エッセイやコラムなど文章力にも定評があり、著書に『今宵も、夢追い酒場にて』(幻冬社)がある。また、漫画原作も執筆しており『メイク・ハニー・トラップ』が現在連載中。コンビでは【納言Official YouTube Channel】にて料理など新たな魅力も発信している。

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Instagram:@nagon.miyuki

Website:https://www.ohtapro.co.jp/talent/nagon.html

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