「ファストファッションは買わない。古着には音楽と同じ味がある」Eminataが語る、日本とフランスとの往復で気づいた伝統美1stアルバム『Red』リリースパーティ開催迫る
執筆者: 音楽家・記者/小池直也
知識がある人は素敵
――ではEminataさんにとって、おしゃれな人とは?
Eminata 70~80歳くらいになっても通販で済まさず、3ピースを着るおじいちゃん。昔の服って肩パッドが入っていたり質が良かったじゃないですか。そういう服を着こなす、おばあちゃんとかもいいですよね。まれにいるんですよ。
あとは年配の方の知らない人と会話するスタンスも好き。映画撮影の仕事もしているのですが、現場が赤羽などの下町なことが多くて、周辺の年配の方が営む店でサポートがてら買い物をするんですね。
そこで壁に猫の写真があったら「猫飼っているんですか?」とか、些細なことで5分10分の会話が生まれる。このコミュニケーションが大切だなと。日本だと家と違う「着飾った自分」になるじゃないですか。あれが苦手なんですよね(笑)。おじいちゃん、おばあちゃんにはそれがない。
――なるほど。
Eminata あとはアジア人が伝統衣装を着るのもカッコいい。私も母と着付け教室に教室に通っていて、夏はディナーとかに浴衣を着て行くように意識しています。まだまだ着る練習する必要がありますけど(笑)。やっぱり気持ちが上がりますね。
原宿で見かける先端のファッションもデコンストラクションされてたり、レイヤーな感じがカッコいいとは思うんです。でもタイトな服よりも快適さを求めてしまうので、自分には合わないな……と。
――「smart Web」読者におすすめのファッションは?
Eminata ぜひブカブカなものを着てほしいです(笑)。あとはシャツもいいと思いますし、浴衣を着こなしているのもカッコいいと思います。あと夏は下駄とか草履はおすすめです。私もデニムに合わせていますよ。買うなら絶対に赤羽で。
それから服以外だと、知識がある人は素敵だなと思いますね。自分の得意なカテゴリについて教えてくれたり、ディスカッションできる人には惹かれますね。
――そして、いよいよワンマンライブ「”Red” Eminata One Man Show」が迫ってきましたね。
Eminata ピアノ、ベース、シンセ、ドラム、サックスのフルバンドなので楽しみにしていてください。セットリストをイメージしながら、どうセクション分けして見せようかと日々考えています。映画みたいに表現できたらいいなと。
あとは衣装も迷うところ……。とはいえ自分の頭にある世界観をどこまで形にできるかよりも、最終的には自分のアルバムに失礼のないようにパフォーマンスするのが大事。あとは来てくれる人は、アルバムと同じ赤い服を着て来てほしいですね。忘れたら、赤羽で買ってきてください(笑)。
(了)
Profile/Eminata(エミナタ)
神奈川県逗子出身のソウルポップアーティスト。2021年、slugger PRODUCTION加入後に自身初となるEP「ame」をリリース。2023年からフランスに拠点を移し、FUJI ROCK FESTIVALʼ23の「ROOKIE A GO-GO」に出演。日本語と英語に囚われないシームレスな言葉選びと美しい歌の世界観は周りの人々を幸せにする。
『”Red” Eminata One Man Show』
2024年6月22日(土)
OPEN 17:30 / START 18:00
場所:TOKIO TOKYO
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この記事を書いた人
音楽家/記者。1987年生まれのゆとり第1世代、山梨出身。明治大学文学部卒で日本近代文学を専攻していた。自らもサックスプレイヤーであることから、音楽を中心としたカルチャー全般の取材に携わる。最も得意とするのはジャズやヒップホップ、R&Bなどのブラックミュージック。00年代のファッション雑誌を愛読していたこともあり、そこに掲載されうる内容の取材はほぼ対応可能です。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
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