JO1木全翔也がアイドルを目指す女子の“熱量の差”に共感 「チームで働く人に刺さる作品」声優を務めた映画『トラペジウム』が大ヒット中
執筆者: ライター/石野志帆
チームで働くすべての人に刺さる作品
──工藤真司とご自身との共通点を教えてください。
木全 背格好が結構似ています(笑)。内面的なことで言うと、“幽霊部員気味”になるところですね。僕もダンススクールに通っていたときに、バイトもしていたので、ダンスの方は一時“幽霊”になっていた時期がありました(笑)。真司も写真部の幽霊部員でしたが、結局それを仕事にしていく。僕もダンスが結局仕事になりましたね。
──本編でのゆうの名言の一つに「はじめてアイドルを見たとき思ったの。人間って光るんだって。」というものがあります。アーティストを見て、同じように思った経験はありましたか?
木全 僕が初めて行ったライブが、K-POPアイドル『GOT7(ガットセブン)』の日本公演なんです。メンバーの一人のマークさんがユニット曲をやっていたときに、すごく離れていたのにも関わらず、すごく光って見えたというか。目がキラキラしてるように見えたんです。前髪を下ろしていたんですけど、その間から見える目がすごくキラキラしていて。その時に「K-POPアイドルってすごいな」と思いましたね。
──「夢を夢で終わらせない」と女子高生の主人公がアイドルを目指すストーリーです。ご自身の経験がシンクロした部分や、感情移入した部分はあったでしょうか?
木全 オーディション(JO1結成のきっかけとなった『PRODUCE 101 JAPAN』)のときは、参加者が101人もいるなかで、初対面の人ともグループを構成することがあったんですが、それこそ“熱量の差”みたいなものがありました。ステージ構成を考える時に「自分はこうしたい」というのが(グループ内で)全然違うということが、どうしてもあって。「もっと目立ちたい!」「自分を真ん中にしてほしい」って言う人がいる一方で「(メンバー)全体を引き立たせたほうが、ステージ的には良い」「みんなで勝ちに行こう!」っていう人もいて。どちらも前向きであることに変わりはないですし、プラスには働いてるんですけど、熱量の差や向いている方向の差で、対立することもありました。
──当時の大変さが思い起こされたんですね。
木全 思い出しました。そういう意味では、芸能界ではなくても、チームで動いてる人には刺さる作品なのかなと思います。みんなで夢を追おうとしているなかであっても「私はこれだけ頑張っているのに……」と思うことって、多分あると思っていて。この作品は、そういうのがちゃんと描かれていると思うんです。
──方向性の違いで対立が起こった時、どんなアクションを起こすタイプですか?
木全 間に入って仲裁することが多いと思います。オーディション中は追い込まれるものなので「頑張らないとヤバい!」となってしまう子もいて。それ自体は別に悪いことじゃないと思うんです。でも『トラぺジウム』のゆうみたいに、言い方ややり方がちょっと悪くなっちゃうと「ついていけないよ」となるメンバーも出てしまう。僕はどっちの意見も聞いて、間に入るタイプでしたね。
──そういう意味では『トラぺジウム』で描かれていることは、すごくリアルですよね。
木全 そうですね。お仕事をしていると、そういうことってありませんか?多分それと一緒で、人によって“最大“の違いというのがあると思うんです。ゆうはそのレベルが高すぎた。でも、(本編に登場する)アイドルグループ『東西南北』は、最初はただの友達で集まった4人組だったから「求めていたものが違う」ってなってきても仕方ないというか。「ただ友達でいられたらいい」っていう子が出てきても仕方ない。でも、どっちも悪くないと思いますね。
──最後にこの作品の見どころをお願いします。
木全 すごくリアリティがある作品です。途中までの主人公ゆうを反面教師にしてもいいくらいです(笑)。でもゆうにも良いところがあって、彼女ぐらい本気になれば夢が叶うし、真司を「僕も頑張ろう」と後押ししたのも、身近に本気度の高い夢を追う人がいたからだと思います。良い影響を与えてくれる映画です。是非劇場に足を運んでください!
(了)
Profile/木全翔也(きまた・しょうや)
2000年4月5日生まれ、愛知県出身。2019年にオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』に出演し、グローバルボーイズグループ「JO1」のメンバーに選出。2020年3月4日、シングル『PROTOSTAR』でデビュー。普段の天真爛漫さと、ステージでの憑依したかのようなパフォーマンスのギャップでファンを魅了し続け、近年では作詞の才能も開花。俳優としても活動
【作品情報】アニメ映画「トラペジウム」
全国にて絶賛公開中!
原作:高山一実「トラペジウム」(KADOKAWA刊 / 『ダ・ヴィンチ」』連載)
監督:篠原正寛 スーパーバイザー:舛成孝二 脚本:柿原優子
キャラクターデザイン:りお
音楽:横山克 主題歌:MAISONdes
制作:CloverWorks
配給:アニプレックス
キャスト 東ゆう:結川あさき 大河くるみ:羊宮妃那 華鳥蘭子:上田麗奈 亀井美嘉:相川遥花 工藤真司:木全翔也(JO1) 古賀萌香:久保ユリカ 水野サチ:木野日菜 伊丹秀一:内村光良
(c)2024「トラペジウム」製作委員会
関連する人気記事をチェック!
写真=斎藤大嗣
インタビュー&文=石野志帆
この記事の画像一覧
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
Website:https://smartmag.jp/
お問い合わせ:smartofficial@takarajimasha.co.jp
この記事をシェアする
この記事のタグ