【窪塚愛流&蒔田彩珠インタビュー】W主演映画『ハピネス』は恋人を失うのに、なぜ“ハピネス”なのか5月17日(金)公開。原作は嶽本野ばらの同名小説
執筆者: ライター/石野志帆
窪塚愛流が涙を我慢した理由
注目してほしいワンカット長回しシーン
――撮影通して一番心を揺さぶられたシーンを教えてください。
蒔田 お風呂のシーンですね。ワンカットの長回しで由茉が自分の気持ちを語るシーンがあったんですが、そこは雰囲気も、灯りやカメラワークも全部完璧でした。あのシーンはすごく素敵なシーンだったなって思います。
窪塚 僕もそのシーンですごく印象に残っていることがあって。由茉が打ち明けてくれたことについて、雪夫としては我慢しきれなくて涙がこぼれそうになりそうになりました。(涙は)ト書きにはなかったので、監督に「どうしても涙が出そうなんです」って相談しに行きました。そしたら「それをぐっとこらえるのが雪夫の優しさだ」っておっしゃってくださって……。「あぁ、そうだな」と思って、終始我慢をしながら演技したことを覚えています。
――娘の幸せを願う由茉の両親に、山崎まさよしさんと吉田羊さんという実力派俳優が脇を固められています。
蒔田 私は、愛流くんとの2人のシーンが多かったのですが、完成した作品を観たときに皆さんのお芝居を観て、それぞれの由茉に対する気持ちや想いが伝わってきました。みんなに愛されるこの役を演じられて本当によかったなと、改めて思いましたね。
窪塚 僕は吉田羊さんと山崎まさよしさんと共演するシーンが多かったのですが、言葉ではなくて触れられたときのぬくもりだけで、言葉ではない想いが伝わってきて泣きそうになったことが衝撃的でした。“親にしか出せないぬくもり”っていうものがスっと心に入ってきたときに「芝居じゃない」って思ったんです。それぞれに備わったというか、もともとあった想いなのか、とにかく芝居とはまた違う何かを受けてすごく驚きました。
この記事を書いた人
TV局ディレクターや心理カウンセラーを経て、心を動かす発見を伝えるライター。趣味はリアリティーショー鑑賞や食べ歩き。海外在住経験から、はじめて食べる異国料理を口にすることが喜び。ソロ活好きが高じて、居合わせた人たちの雑談から社会のトレンドをキャッチしている。
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