エイベックス所属の俳優だけで作り上げる舞台プロジェクト「ACTORS STAND」始動!出演の中山優貴、松村 優、砂川脩弥インタビュー
執筆者: ライター・エディター/佐藤玲美
どこかで聞いた?“女性問題を経て山で自給自足の生活”という役柄
――それぞれの役柄を教えていただきたいです。
中山「僕は自分の信念があって、周りから何を言われても、自分の考えが正しいと思っている役です。自分の軸がありつつも、心のなかに人にはあまり見せたくないものを抱えているという2面性を持っている生徒の役です」
砂川「僕は、女性問題で干されて山で自給自足生活を送っているという男の役で。その設定だと、みんなも思い浮かぶ人がいると思うんですけどね(笑)。それをどう払拭して自分らしさを出すかっていうのが、僕の今回の課題かなと思っています。でも実際、普通に生きていて、僕自身も逃げ出したくなるときもあるんですよね。もう、思い切りアナログになってみんなが時給自足の生活をすればいいのにって思うこともある。さっき松村が言ったように、SNSで叩き合いをしているのを見ると、もう全部捨てて山にこもりたいって思っちゃう。そういう意味では、都会の喧騒の中で生きている人たちが何かを考えるきっかけになるような役なんじゃないかなと思っています」
松村「僕の役は、超イヤなヤツ。生徒のことはナメてるし、校長の言うことは絶対みたいなガチガチのルール人間の教師。すごくイヤなヤツだからこそ、憎めない愛されキャラに昇華していけたらいいなと思っています。ただイヤなヤツで終わるんじゃなくて、ちょっと茶目っ気があったり、この人はこの人なりの正義があるんだなという部分をしっかり伝えていけたらいいなと思っています。実は僕はこんなイヤな役を演じるのが初めてなんです。なので、自分としても新たな挑戦でもあるし、ただただイヤなヤツでは終わりたくないっていうのが僕の課題ですね」
――砂川さんは、学校とどのように関わってくるんですか?
砂川「主人公がジビエを始めお肉にハマっているんですけど、その熟成肉の作り方だったりを教えたりする関係性なので、あまり学校とは関係がないんです」
――今回の舞台は、『ヒットマン・ロイヤー』や『さよならエリュマントス』などの映画作品を手掛けた大野大輔氏によるオリジナル作品とのことなのですが、大野さんとはお会いになりましたか?
松村「はい。顔合わせ程度だったのですが、とても物静かな方という印象でした。ご一緒するのが初めてなので、どんな演出になるのか楽しみです」
中山「本当に物腰の柔らかい方だよね。少しだけお話させていただいた感じでは、役者の意見を割と反映してくれる方なのかなと感じました。僕も初めての方なので、実際やってみないとわからないですけどね」
砂川「台本も大野さんが書かれているのですが、すごくテンポがいいセリフが多くて。映画などを手掛けている方なので、すごく安心感がありますね」
松村「内容がスッと頭に入ってくるので、観やすい作品になるんじゃないかなって思います」
――今回は、舞台経験者としてみなさんは、舞台が初めての方など若手の方々を引っ張っていく存在になるのではないかと思うのですが、若手の方とどんな風にコミュニケーションを取っていこうと思っていますか?
松村「いい作品にしたいので、みんなで意見を出し合えたら。といっても、初めての方も多いので、なにか聞かれたらすぐに答えられるような存在でいたいなと思っています。自分が今まで経験してきたことを織り交ぜながら話せたらいいなと思います。とはいえ、演技はみんなそれぞれなので、僕の経験が他の人にも同じように役立つとは限らないので、参考にしてもらいつつ、自分なりのやり方を見つけていってもらえればいいんじゃないかなと思っています。とはいえ、人見知りなので、自分からはいけないと思うから、相談しに来ていただければ何でも話すよ、って感じですかね」
中山「演技において正解ってたぶんなくて。僕がやったら成立しないけど、その人がやったら成立するってこともあるだろうし、その逆もしかりで。僕が舞台に出始めた頃は、色々失敗して学んだことも多かったんです。『これは違うんだ』っていうことさえわかったら、あとは、全部正解っていうことも多いから、あまり気にせずやりたいことをやっていったほうがいいんじゃないかなと思います。先輩だったり人に聞くことって簡単なんだけど、僕自身『本当にわからなかったら聞きに来て』って言われたことがあったんです。それって自分で考えずに正解の一つだけを教わってしまうと、その場面では成り立ちはするけれど、次の場面ではまたわからなくなってしまったりするんですよね。なので、一旦自分でいろいろやってみるっていうのが正解の近道なんじゃないかなと思います」
――『本当にわからなかったら〜』って言われたときは意地悪されているのでは、って思いますよね。
中山「(笑)。本当にわからないから聞いているんです……とは思いましたよね。最初の頃は、芝居についてもだけど、相手の顔ばかり見てセリフを言っていて、お客さんも全く意識できてないとか、そういう初歩的なことも、指導されたりするんです。なので、誰かに聞いて頭で覚えていくよりも、現場で演出の方に駄目出しされたり、アドバイスされたりしたことのほうが、体で覚えられるし次に繋がると思うので、今はその言葉を言ってくださった方に感謝しています」
――今回の出演者には演技が初めての方もいらっしゃるそうですが、初めての演技が舞台っていうのは、ハードルが高いことなんですか?
松村「ハードルが高いとかではないですけれど、声が(客席に)届かないとかはあるんじゃないですかね。客席の後ろまで声が届かないっていうのはあるかもしれないですね」
――今、舞台に向けて準備を始めていることはありますか?
松村「さっき砂川くんが言っていたように、難しい言葉を調べたりとか、セリフの意味は理解して稽古に入ろうと思っているくらいですかね」
砂川「脱ぐシーンもないので、そんなに体を作って現場に入るとかもないしね」
松村「セリフを読み込みながら、ここに何か面白い言葉を入れられそうだなとかは勝手に考えたりしています。コメディが好きなので、笑えるところを作りたいと思ってるんです。実際に稽古でなし、って言われたらすぐ却下しようとは思っているんですけど、とりあえず作っておこうかなって思っています」
砂川「セリフの掛け合いで、相手がこう来るかな、とかある程度考えて稽古に入るんですけど、でも実際に始まったら想定とぜんぜん違うってことが多々あるので、やっぱり考えすぎるのもよくなかったりします」
中山「台詞をちゃんと頭に入れて、考えなくても口が回るようにしておかないとなとは思っています。この舞台って会話劇というのもあって、おそらくテンポがすごく大切になってくるので舌が滑らかになっていないとまずいなと思っています。台本を読んでいると主演の遠山一華さんのセリフがすごくて」
松村「長台詞が大変そうだよね。頑張ってほしいです」
この記事を書いた人
東京在住のライター・エディター。『smart』『sweet』『steady.』『InRed』など、ウィメンズ、メンズを問わず様々なファッション誌やファッション関連のwebでライター&編集者として活動中。写真集やスタイルブック、料理本、恋愛心理、インテリア関連、メンタル&ヘルスケアなどの本の編集にも携わる。独身。ネコ好き。得意ジャンルはファッション、ビューティー、インテリア、サブカル、音楽、ペット、料理、お酒、カフェ、旅、暮らし、雑貨など。
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