“大谷翔平のボス”ロバーツ監督ってどんな人?ドジャースを率いる沖縄生まれの日系アメリカ人の素顔に迫る
執筆者: smart編集部
大谷翔平はなぜロサンゼルス・ドジャースを選んだのか?スポーツ界における史上最高額契約となった驚愕(きょうがく)の「1015億円」契約の意味とは?2024年シーズンの大谷翔平は打者専念でどんな記録が期待できる?2度目の右ひじ手術を経て、二刀流の復活は本当に可能か?福島良一、村田洋輔、DJケチャップという、メジャーリーグを愛する事情通の3人がそれらについて語り尽くした『ドジャース大谷翔平を徹底解剖!MLBを100倍楽しむ本 2024年版』(宝島社)から4回に分けて抜粋記事を制作。第3回の今日は、“大谷翔平のボス”であるドジャースのデーブ・ロバーツ監督について。
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メジャーでは「全権監督」は少ない
DJケチャップ(以下、ケチャップ) ロバーツ監督は投手交代のタイミングについて、僕はあまり上手ではない監督だと見ています。
福島良一(以下、福島) 確かに、そこはメディアから時折、批判されていますね。
村田洋輔(以下、村田) ロバーツ監督が持っている権限は、そもそもそんなに大きくないんです。今のMLBは、球団側が「全権を差し上げます。采配してください」というクラスの名将を除いて、だいたいが基本的にはフロントの“操り人形”となるケースが多い。戦術から選手の起用法まで、フロントが全部プランを考えているんです。
デーブ・ロバーツ監督とは?
生年月日:1972年5月31日(51歳)
出身/国籍:沖縄県那覇市/アメリカ合衆国
現役時代(外野手):1999-2001年インディアンス/2002-2004年途中ドジャース/2004年途中レッドソックス/2005-2006年パドレス/2007-08年ジャイアンツ
通算10年間…832試合、打率.266、23本塁打、213打点、243盗塁、721安打
ケチャップ 実際に采配している監督は2023年なら、それぞれシーズン後に勇退したガーディアンズのテリー・フランコーナ監督(※1)とか、アストロズのダスティ・ベイカー監督(※2)くらいじゃない?
※1……2004年にレッドソックスを86年ぶりのワールドシリーズへ導き、07年も世界一に。現ガーディアンズを率いた13、16、22年にア・リーグ最優秀監督賞
※2……監督として5球団で26年間指揮。ジャイアンツで最優秀監督賞3度。アストロズ監督としては2021年から3年連続地区優勝、22年はチームを5年ぶり世界一に導いた
村田 ワールドシリーズを制したレンジャーズのブルース・ボウチー監督もそうかもしれない。だから、数年前のポストシーズンでも、ロバーツ監督は先発投手を決めるのに必要な6~7票のうち、1票分の権限しか持っていない話がニュースになっていました。あくまでも意思決定者のうちの一人という立場です。
ケチャップ データで選手を再生させるうまさがあるチームだなという印象があります。データを重視するから、たとえば6回2死まで来たのに「え? ここで代えるの?」というタイミングで先発投手を代える采配をするのがロバーツ監督というか、ドジャースですね。
村田 フロントが言っているから、従わなければいけないということですよね。極端にいえば、フロントの指示に従った結果、その采配が裏目に出たとしてもチーム全体の責任。
ケチャップ 確かに。監督の責任ではないね。
村田 そう。だけど、球団の方針に逆らって、監督の直感だけで決めた采配で大失敗したら、それはもう監督の責任になってしまうので。
ケチャップ だから、球数もきっちり投げさせると思います。2025年に復活予定の「投手・大谷」(※3)がいいピッチングをしていて、本人が「もう1イニングいきたい」と言ったとしても、おそらく「NO 」と言うのがドジャースだと思います。
※3……昨年9月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、今季は打者専念。投手としての復帰は2025年予定
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